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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
おとぎ話
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94話 情報収集

それから私は仕事に精を出した。害なす者をバッタバッタと斬っていく。


「くそ……なんて強さだ」


「これが噂の紫電……化け物だ」


倒れふす悪魔は絶望的な顔をしていた。もう致命傷を負っているので、ほっといても死ぬだろう。


「流石の強さですね、フォルメルさん」


女慣れしていそうな男が気さくに話しかけてくる。この人はライ、私が能天使になった時からよく絡んでくる。


「ライさん、無駄口たたかないでください。次は『レイベル』という街に行って情報収集を行います」


「おっと、仕事熱心ですね。まぁ、そんなあなたは美しいですが」


私とライさんは、先日ラファエル様からある任務を受けた。


なんでも、「『レイベル』という街に、最近悪魔がよく出没するようになってしまったから、原因を究明してほしい」らしい。可能ならば原因の排除も承った。


(ここは確かに根城のようだけど、親玉らしき悪魔はいない。ってことはハズレか……)


「フォルメルさん、街に着いたら一緒にお茶でもどうですか? 」


「遊びに来てるんじゃないんですよ? 真面目にやってください」


なんで私とのパートナーがこの人なんだろ……これなら1人の方がよかった。


廃墟から数キロ北上し、『レイベル』に着く。


スカルと来た『ラントル』よりも活気がある街だ。


「へぇなかなかの賑わいですね。これなら情報には期待できそうだ」


「そうですね、まずは冒険者ギルドに行ってみましょう」


冒険者ギルドにならそういう話は多そうだ。上手くいけばその系統の依頼もあるかもしれない。


私たちは冒険者ギルドの門を叩いた。


中に入ると、賑やかな声と活気づいた空気が出迎えてくれる。木のテーブルを取り囲み、なにやら作戦会議をしている者たちもいれば、掲示板でクエストを探す者もいる。


また、そこには色々な種族が溢れており、壮観な光景だった。


「エルフにドワーフ、単眼族なんかもいるんですね」


「冒険者は人気みたいですしね。さて、受付は……」


私は辺りをキョロキョロと見回して受付を探す。あの人だかりができているところがそうっぽい。


私がその近くまで行くと、なにやら言い争っているような、男の怒声が聞こえてきた。


「てめぇふざけんなよ!! この依頼は俺が先にとったんだ!! 」


「はぁ? 俺の方が先だろ! 」


「あぁ? じゃあ白黒つけるか? 」


「上等じゃねぇか表出ろ! 」


喧嘩か……面倒なことをしてるわね。ひとまず他からいくか。


「おっ君可愛いじゃん、よかったらお茶しない? 」


突然声をかけられる。ナンパなら他所でやってほしい。


「ローブ着てるってことは君魔術師? よかったらうちのパーティーに入らない? 」


「あっお前ずるいぞ! こんなやつのとこよりうちのパーティーに入ってよ。後衛がいなくてさ、待遇よくするよ」


こいつら虫みたいに湧き始めたわね。構ってる暇ないんだけどな。


「いえ、お断りします。私は冒険者ではないので」


「えっ、そうなの!? 残念……」


パーティー勧誘が目的の人たちは帰ってくれたが、ナンパ目的の人は帰ってくれない。


「お茶ぐらいいいじゃん。おごるよ」


「いえ、用があるので遠慮します」


「いやそこをなんとか、お願い! 」


しつこい……ちょっとビビらせようかな。ていうかライさんはどこ行ったんだろう? 姿がいきなり見えなくなった。


「あのーその人僕の連れなんですけど」


対応に困っていたところを優しい声が救う。聞き馴染みのある声だ。


「あっ……」


振り返ると、銀髪で、赤い眼のスカルが立っていた。


「なんだよおま……『銀の魔術師』!? 」


ナンパ男は素っ頓狂な声を上げ、「すみませんでした! 」と言うと、脱皮のごとく逃げ出した。


スカルの登場によって場がざわつく。


「ちょっと場所を変えようか」


スカルは私の手を握ると、私をこの場から連れだした。



冒険者ギルドから離れた場所にある食事処でひと息つく。


「ありがとう、助かったわスカル」


「うん、どういたしまして。それにしても、どうしてこんなところにいるの? 任務? 」


「えぇ、そうよ」


私は今回の任務についてスカルに話す。彼ならなにか知っているかもしれない。


「そうだね……残念だけどそれについては僕も知らないことが多い段階だから、有益な情報はないかな」


「そう……」


それなら地道に探すしかないか。


「……もしよかったらなんだけど、その悪魔を一緒に探さない? 僕も気になるし、メルさんの手助けがしたいから」


「ありがとう、スカルがいてくれたら心強いわ」


私は自然に笑えたと思う。やっぱりスカルといると、鼓動が早くなってしまう。


「それじゃあこれ食べたら早速ギルドで聞き込みだね。ギルド長に聞いてみると早いかも」


「そうね、そこはスカルが詳しいし、あなたのやり方に任せるわ」


私は、偶然にも会えたスカルと、楽しい食事をするのであった。



「最近おかしなことはないかだって? 」


お腹を満たすと、ギルドに戻り、ギルド長と話す機会をつくってもらう。


ギルド長であるツキガミさんは考え込む。腕を組んでうんうん唸っている。


「……そういえば、最近地下墓地で妙なことが起こっているな。行方不明者が続出したり、悪霊が大量発生したり」


「なるほど、調べてみる価値ありますね」


「君が動いてくれればこちらとしても安心できるよ。そちらの相方の人もとても強いみたいだし」


次の動きが決まったわね。あとはライさん探さないと。



「ありがとうございました」


その後、スカルはツキガミさんと仕事の報告で少し話していた。外で待っていると、10分程度で彼が戻ってきた。


「これで次の動きが決まったね。早速地下墓地に行こうか」


「待って、その前に私の連れを探さないと。あの人どこ行ったんだろう」


「呼びました? 」


急に後ろから話しかけられてビックリする。いつの間にかライさんが後ろに立っていた。戻ってきてたんだ……


「ビックリするので急に話しかけないでください」


「それなら次からは目の前に登場しますね、麗しの姫」


「それもやめてください。というかなんなんですかその呼び方」


ライさんの飄々とした態度は苦手だ。謎すぎてどう反応するのが正解なのかで困る。


「初めまして、スカルです。メルさんとは前に悪魔討伐を共にしたことがあってそこで知り合いました。メルさんの上司さんですか? 」


「いえいえ、どちらかというと部下です。名前はライっていいます。容姿からして『銀の魔術師』さんですか? 」


「はい、そうですよ。あんまり自分から言いたくないものですけど」


「へぇそれはすごい。実は僕、スカルさんのファンなんですよ。武勇伝とか聞いているとその強さに憧れちゃいますし」


ライさんとスカルは結構話が続いている。ライさんが次から次へと質問しているのが現状なのだが。それでもスカルは、嫌そうな顔なんてしないで楽しそうだ。


「あの、そろそろ話を切り上げてください」


「おっとすみません」


ライさんは後ろ頭をポリポリと掻いて笑う。


「あなたがいない間に情報を集めました。地下墓地で気になる事象を発見、これから探索に向かいます」


「おっ、それなら僕も集めましたよ。色々聞いて回ったのでね」


仕事はしてたのね、サボってるかと思った。


「まぁこの3人なら大体の敵は問題ありませんね」


「油断しないでください。なにがあるかわかりませんから」


「それじゃ、向かいますよ」


「あっそうだ、フォルメルさんの耳にちょっとした情報を、」


ライさんはこっそりと私だけに耳打ちしてくる。


「はっ……? 」


その情報は、私の頭にとてつもない衝撃を与える。脳内にハテナマークが大量にコピーアンドペーストされる。



スカルは偽物(、、、、、、)の可能性あり(、、、、、、)……そんな情報をどこから調達してきたのか。ライさんは一体……



私は……どうしたら……


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