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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
2年生編②
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76話 コスプレからの

葉月が最初に取り出したのは彼女作の衣装だった。アンヘルにはCA、千華には警察官、ティタニアにはバニーガール、そして俺にはカジノディーラーを着せてきた。あとちゃっかり葉月も警察官の衣装を身にまとっていた。


「あぅ〜胸がスースーします〜」


「バニーガールだししょうがないよ。それにしてもよく似合ってるね。」


「そうですかね?こういう不埒な格好はなんとも……抵抗があるんですが。あとアンヘルのものも着てみたいです。」


「それならティタニアの分も作るね。できたら教えるから。」


「わーい葉月ちゃんありがとうございます!」


ティタニアは喜びのあまり今の格好を忘れてぴょんぴょん跳ねる。その度に凶器ともいえる胸が揺れ、葉月を絶句させる。


「その顔やめろ。あの衣装作ったの葉月だろ。」


「いやでもあれはずるいよ!裁判長審議を!!」


「それなんの審議だよ……」


「あはは……」


「というか和人、あんたはカジノディーラーなのね。」


「あぁ、これ似合ってるかな?自分じゃよくわからないんだけど。」


「似合ってるわよ、普通にかっこいいって思うし。」


千華に褒められたのは素直に嬉しく、着てよかったと思う。


「和人って素材はいいし、瞳も特別だから女性客をカモにしてそうなディーラーに見えるよ。」


「その言い方に悪意を感じるんだけど。」


「葉月さんの言い方はともかく、似合ってるのは事実なので自信を持っていいですよ先輩。」


「そっか、アンヘルがそういうのなら間違いないかな。」


「あ〜アンヘルにだけ優しい、不公平だ!」


「そうですね。もっと私にも優しくしてください。」


「さらっと無理な願いを言うなティタニア。」


「酷い!」


「充分優しくしてるってことでしょうね。あとこれ以上甘やかしたら調子乗る。」


「千華ちゃんまで!?」


ティタニアはしょんぼりした顔になり、ちょっと罪悪感のようなものが湧いてくるが、考えてみればこの扱いはいつものことなので特に気にしないことにした。


「それにしてもなんで私と葉月は同じコスプレなのよ。」


「だって私もポリス着てみたかったし。これで和人を逮捕できるね。」


葉月はニヤッとするとおもちゃの手錠を取り出して俺に向けてくる。


「取り調べごっこしてみたかったし捕まってくれない?」


「なんで俺なんだよ。ティタニアでいいんじゃないか?」


「ちょっと、なすりつけないで下さいよ!」


俺の言葉でティタニアはプンスカ怒る。


「ティタニアは駄目だよ。だってカツ丼見せたら絶対自白するもん。」


「私そんなにちょろくないですよ!」


「いや……姉さんならありえるよ。普段の言動見てたらわかるし。」


「アンヘル!?」


ティタニアの普段のイメージからして釣られやすいのは明白なので驚くことではないのだが、本人は予想外らしい。


「だからティタニア以外ってなると自然と和人に……」


「アンヘル忘れてるぞ。」


「アンヘルは逮捕動機がないから駄目。あといい子だから取り調べしにくい。」


「そうくるか……」


これはどう頑張っても巻き込まれるみたいだ。覚悟を決めるか。


「わかったよ付き合うよ。」


俺は手を差し出しながらそう言った。


葉月は嬉しそうにしながら俺に手錠をかける。


「えっ、これ私もやるの?」


「当然だよ千華巡査。」


「あっ私巡査なのね。」


「ちなみに私は警視総監!」


「ぶっ飛んだ!!」


「それじゃあ私は弁護士になります。可哀想な和人くんを助けます。」


「おい誰か俺の手錠外して。あいつ黙らせるから。」


「怖いこと言わないでくださいよ!」


こうしてなぜか取り調べごっこが始まっていったのだ。



「さて和人容疑者、あなたは先日私のプリンを無断で食べましたね?」


「あーそれならこいつが食べました。俺しっかり見ましたし。」


「えっ、なっなに言ってるんですか和人くん!変なこと言わないでください!!」


「むむっ、弁護士さん、あなた怪しいですね〜」


「いっいえ、私は怪しくないです!この犯行は全部彼がやりました!!」


「弁護士失格すぎるだろこいつ!」


今回の取り調べは葉月のプリンが消えたことについてらしい。完全に犯人こいつだけどな。


「うわなにこの取り調べ、弁護士まで混じってカオスね。」


「見てる分には楽しいですけどね。」


「千華はちゃんと取り調べに参加しなきゃ駄目だよ。アンヘルは裁判長ね。」


「あれ裁判もやるの?」


「当然!だって私のプリンほんとに消えたし。」


裁判までやるのは普通に驚くんだが。まぁ犯人はわかってるからいいんだけど。


「コホン……それでは、ここからは裁判にいきましょうか。警視総監自ら容疑者を追い詰めます。」


「裁判への展開が早すぎる。」


「なんか打ち切り漫画みたいね。」


「そこ、私語を慎みなさい。」


裁判が始まり、葉月によって当時の状況が読み上げられる。


「えー犯行時刻は3日前の13時から15時の間。その間冷蔵庫に近づいたのは……千華巡査」


「あっ私か。えっと和人とティタニアだったと思うわ。和人は家事やってたし、ティタニアはおやつ食べに行ってたから。」


「ありがとうございます。次にティタニア弁護士、あなたはおやつになにを食べましたか?」


「あの時のおやつはゼリーでした。和人くんがバイト先で貰ってきた高そうなやつ。美味しかったです。」


「ふむふむ、感想までありがとうございます。これでわかったと思いますが、ティタニアはゼリーを食べました。これはゼリーに満足してプリンを食べていないと言うこと!つまり犯人は和人!」


「強引すぎる!!」


葉月の推理にツッコまざるおえなかった。すっごい力技できたな。


「和人くん……今認めた方が罪は軽いですよ。」


「お前本当に弁護士か!?普通に敵なんだけど!」


ティタニアは完全に自分がやったと主張しているようなものだった。慌て方とか普段の行動見てればわかる。


「裁判長はどうお考えでしょうか?」


「あっはい。えっと私は今の状態では先輩が犯人とは言えないと思います。確実な証拠がないですし。」


「確かに……それなら目撃証言を集めよう!和人容疑者は最後にプリンを見たのはいつですか?」


「えっ……あんまり覚えてないけど確か14時10分頃だったと思うぞ。その時はまだあったな。」


「そうなのか……ということは犯行時刻はより絞れたということだね。」


真剣な表情で考え込む葉月。それほど大切だったんだろうな……あいつが。


でもこのままだと犯人決まらないな〜と思ったその時、部屋の中の気配がひとつ増える。


「にゃーお」


ラムレーズンだ。優雅な足取りでこちらまで来ると、「なにしてるんだ?」と言いたそうな顔をする。


「あっそうだ。千華巡査、ラムレーズンに聞いてくれない?なにかわかるかも。」


「えぇそうね。ねぇバカ猫ちょっといい?ちょっ無視すんな!」


「ラムレーズン頼む、質問に答えてくれないか?」


ラムレーズンは俺の言葉にしぶしぶ従う。千華に協力とかしたくないんだろうな。その顔からして「はぁ……しょうがない」といっているのは間違いない。


「それじゃあ聞くけど、あんたプリン食べたやつ見た?3日前なんだけど。」


千華の問に対してラムレーズンは少しの間考える素振りを見せ、そして、手をティタニアの方へ指した。


「あーティタニアだって。」


「ちょっ、あの、ラムちゃん内緒って言ったのに!!」


「あっ、やっぱお前だったんだ。」


あまりに予想通りの犯人に対して、特に驚きはしない。


「で、犯行動機はなんなんだ?」


「それが、あのプリン賞味期限が切れそうだったんです。」


「あー……」


そういえばあのプリンって賞味期限やばかったな。でも食べていい理由にはならないと思うけど。


「確かに私のプリンは危なかった。それは認める。けどね、」


葉月はひと呼吸おき、大きく息を吸った。


「だからといって食べていい理由にはならないんだよ!よって実刑!!」


「すっすみません〜!」


「ティタニアは私のプリンを食べたからコスプレ衣装を着てもらうよ。着せ替え人形みたいにしてやる!」


「ひっひぇ〜」


「なにこれ……?」


葉月とティタニアのやり取りを見て抱いた感想がこれだった。それって罰なの?


「あはは……私裁判長の意味なかったですね。」


「アンヘル、気にしたら負けよ。」


「これはあいつら長引きそうだな。」


俺たち3人は一気に蚊帳の外に追い出されたので、特にやることがない。


「俺たちはあっちでお茶でも飲むか。」


「そうね、こたつ入ってみかん食べたいわ。」


「いいですね、ゆっくりしましょうか。」


和やかなムードの俺たちに比べて、


「ほらほらティタニア観念しろー!」


「うぇーお許しを〜」


葉月たちはヒートアップ?していた。長引きそうだなあれ。


やりすぎなきゃいいけど……

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