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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
2年生編②
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60話 旅行の終わり

長かった修学旅行も今日で終わり。そのせいか葉月とティタニアのテンションが異様に高かった。


最終日は空港での自由時間を経て午後一番の飛行機で帰る予定だ。


それまでは自由行動なので、俺は千華と一緒に行動していた。


まぁ葉月たちも一緒だけど。


「和人くんこのお菓子美味しいので買っていきましょう!」


「お菓子は2日目に買っただろ?買わないからな。」


「和人くんのケチ〜」


「ティタニア、あんたたくさん食べ物系買ったからいいでしょ。我慢しなさい。」


「うぅ〜お母さんがいます。」


「誰がお母さんよ。」


「今の千華と和人ってなんか夫婦っぽいよね。」


「「!!?」」


「あーわかる。なんか新婚さんみたいだよね。」


「なんでそうなるのよ!?」


「なんでと言われても……オーラがそんな感じだからとしか言えないんだけど。」


「……わけわかんないわ。」


「それだけ俺たちの仲が深まってるって事なんじゃないか?言われると恥ずかしいけど。」


「そういうものかしらね……」


「さぁ次はストラップとか見に行きましょう。」


俺たちの自由行動は続く。


ストラップを見ていたらティタニアが「みんなでお揃いにしませんか?」と言い出し、そこにすかさず葉月がのっかってきて、最終的にシーサーのカワイイマスコットのストラップを買うことになったのはいい思い出だ。


また、お昼ご飯を食べに空港内のラーメン屋さんに入ってそれぞれが違う味のラーメンを頼んで、シェアし合ったのはとても楽しかった。



そして、いよいよ自由時間も終わり、帰りの時が訪れる。


「この4日間短かったね。」


「そうですね。もう少し居たいです。」


とても名残惜しそうな葉月とティタニア。2人は今、飛行機の中から窓の外をジーッと眺めていた。


「でもアンヘルに会いたいので早く帰りたい気持ちもあります。」


ぐぬぬと心の葛藤を露わにするティタニア。確かにアンヘルに会いたい気持ちはあるな。……色んな意味で。


そんなこんなで飛行機のアナウンスが機内を巡り、俺たちの帰る場所に向かって飛び立つ。


「そういえばこれあったな。」


「ジェットコースターみたいで楽しいよね。」


行きに体験した感覚をもう一度味わってから快適な空の旅がスタートする。


「和人くん、家に帰ったらアンヘルと一緒にジンベイさんで遊びましょう!えへへ〜アンヘルもぬいぐるみ好きなのできっと喜びますよ。」


「なんで俺まで入ってるんだろ……」


「まぁいいんじゃない?」


「……そうだな。」


今は家に帰り、アンヘルに会えるのは嬉しいのでいいとしよう。遊んだらまたジンベイザメで叩かれそうだけど。


「和人くんお菓子食べますか?あと2つぐらいあるんですけど。」


「まだあったのかよ。……まぁせっかくだし貰うわ。」


俺はティタニアからビスケットを1枚もらってそれを口に運ぶ。優しい甘さが口いっぱいに広がって美味しい。


ビスケットって久しぶりに食べたかもしれない。


「和人くん、まだまだ時間もあるので一緒に遊びましょうよ。トランプとかしたいです。」


「あっそれなら私もやりたい!ババ抜きとかやろー」


「はいはい、それじゃあやるか。あまり騒ぎすぎるなよ?」


一応釘をさしつつトランプの束をシャッフルする。


そのあとはババ抜きや大富豪などを楽しく行いました。




「帰ってきたー!!」


「わっほい!」


飛行機が無事に空港に着陸し、外に出て一番にこれである。こいつらまだまだ元気だな。俺はもう疲れた。早く帰ってゆっくりしたい。


ここからバスで柏崎駅に向かうのだが、皆疲れているのかバス内はほとんどが眠りについていた。


葉月とティタニアに関しても同様に眠りこけていた。さっきまであんなに元気だったのに。


まぁでも充電してるって事なんだろうな。俺も寝よう。……ティタニアが思いっきりもたれかかってるけど。




静寂に包まれたバスが賑やかになるのは駅に着いてからだった。


「ここから電車に乗って帰るぞ。忘れ物とかないか?」


「だいじょぶだよ。」


「同じくです。」


「私も大丈夫よ。」


バスから降りて解散となった俺たちは家に帰るべく8番ホームにいた。


「んぅー……それにしても疲れたわね。家に帰ってゆっくりしたいわ。」


固まった筋肉をほぐす様に思いっきり伸びをする千華。


「だな。ほんとにお疲れ様だよ。今日はすぐ寝ちゃいそう。」


「帰るまでが修学旅行なんですから気を抜いたら駄目ですよ。最後まで楽しまないと。」


「おっそれなら電車が来る前にホームで写真撮る?終わったよ〜って。」


そんな何気ない葉月の提案に、


「いいですね!ぜひやりましょう!!」


ティタニアが賛同し、


「しょうがないわね。やるにしても手短にね。」


千華がしぶしぶ従う。


「ほら笑って笑って」


「和人くんもう少し千華ちゃんに近づいてください。みんな写りませんよ。」


「そうそう、2人とも密着しなきゃ駄目だよ?」


「ちょっ、近すぎるわよ!」


「葉月おすなよ!」


葉月とティタニアが両脇から押してきたため俺と千華はかなり密着した状態で写真に写る。千華もそうだが、俺も顔が赤くなっていた。


「もう1枚ぐらい撮っとこうか。」


「……まだ撮るの?」


修学旅行でもう何度目になるか分からないが、写真を撮る。


その度に大切な思い出が切り取られ、保存される。


決して風化しない様におまじないを込めて……


~おまけ~



「先輩たちそろそろ帰ってくるかな。」


私は壁掛け時計をチラッと見て今の時間を確認する。現在、6時をまわったのでそろそろ帰ってくる頃だろう。


「それにしても姉さん大丈夫かな……旅行中みんなに迷惑かけてないといいんだけど。」


私は義姉の事が心配でたまらなかった。ドジしちゃうし方向音痴だし、食べ物に釣られちゃうし……その他諸々を含めて姉さんが心配だ。


無事だといいんだけど……


「まぁそこは大丈夫なのかな。姉さんからたくさん写真送られてきたし。」


姉さんから送られてきた写真はどれも見ていて楽しくなってしまうものばかりだ。先輩からの写真とはまた違ったよさがある。


「さて、ご飯の準備でもしちゃおうかな。みんな疲れて帰ってくるだろうし。」


私はエプロンをつけると手際よく作業する。


姉さんや先輩方が持ち帰ってくる土産話を楽しみにしながら。



……どんな旅行だったんだろうな

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