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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
3年生編①
155/171

155話 千聖〔2〕

「おぉ、和人お疲れ。おかげでこの男の捕獲ができた」


椅子に縛り付けられた男の横で、千聖が口を開く。


「俺、特になにもしてないぞ。これ俺必要なかっただろ」


「いや、パチ屋に入ってくれたのは助かったぞ。俺あそこ苦手なんだ、五月蝿いし臭いから」


俺も苦手なんだけど……


「で、なんで椅子に縛り付けてるんだよ? 」


「これからちょっと野蛮なことやるからな。暴れてもいいようにしてるんだ」


千聖は椅子から離れたところに置いてあるアタッシュケースを開け、中身を取り出す。


透き通るような金属の武器。それは、2本のメイスだった。よく見るとそれぞれ長さと形状が違う。


片方は長く、先端に刃の付いているものだ。そしてもう片方は、短く、刃などは付いてないので打撃用だと思われる。


「なんでそんなもの持ってるんだよ? 」


なんだか嫌な予感がするが問いかけてみる。


「まぁ……本業で使うからな。今回は脅し用で持ってきた」


てことは本業ってかなり危ない職業なのか。最初からなんとなくそんな感じはしてたけど。


「よしじゃあ起きろ」


千聖は男の頬を叩いて起こす。男は今の状況を理解するや否や、怯えた声を出す。


「おっお前はだれだ! なにが目的だ!? 」


「今までお前が騙した奴らの代理人だ。今日は警告に来た」


千聖はそう言うと、短い方のメイスで男の顔を殴る。


「ぎゃああああ!! 」


「あと今までいい思いした分、痛い思いをしてもらうぞ」


千聖はそこから短い方のメイスを使って何回も男を殴りつける。


その時の千聖の目はとても冷たく、見ていて戦慄した。さすがにやり過ぎなんじゃ……


「も……もう許してください……」


「おいおい、まだ始まったばかりだろ? あっ、次は切るな」


千聖は長い方のメイスを勢いよく振り下ろし、男の足を切断する。


男の絶叫が耳を突き刺す。


「千聖、さすがにやり過ぎだ!! やめろ!! 」


「心配するな和人、こういうのはな……」


指を鳴らす千聖。次の瞬間、男の傷は全て治っており、切断された足も元通りになっていた。


「こうすれば戻る」


「あっ、あぁ……! 」


「てことでだ、死なない程度に(・・・・・・・)いたぶらせてもらう(・・・・・・・・・)


そこから地獄のような時間が始まった。殴り、切断しては治し、また同じように痛めつけていく……そんなことを何度も繰り返していた。


俺は動けず、ただその光景を見ていることしかできなかった。


時折目の前で起こっていることが夢かと思うが、耳をつんざく程の悲鳴でこれは現実だと認識する。


目の前の千聖がとても恐ろしく映る。普段の彼女からは想像もできないほどの姿だ。ギャップがあるなんて次元じゃなかった。


そして、この時間はかなり長いこと続いた……



「悪いな、今日は付き合わせて」


男に対しての警告? が終わり、帰路に着いていた。千聖はひと仕事が終わったのもあって軽く伸びをしていた。


ちなみに男は、気絶してしまったので廃工場の前に置いてきた。


「色々衝撃的なものを見たよ。あぁいうことをいつもやってるのか? 」


「偶にやってるぞ。いつもは猫探しとか味見係とかだしな」


「それ副業はそうだろうけど、本業は? 」


「聞くんだな、あれを見たら聞かないと思ってた 」


千聖は軽く目を見開いて驚く。俺だってあんまり聞きたくない。


「あれだけのことができるって本業とか過去がかなり関係してると思ってな。……相談くらいは乗れるし」


「俺より弱っちいのに首突っ込むな。まぁその善意はありがたいな」


千聖は少し嬉しそうに微笑む。こう見ると年相応だな。


「一応言っておくと本業でもあまりやらないな。まっ、あんまり詳細なこと言うと怒られるから言わないが」


「それぐらいで十分だよ。変なことに巻き込まれそうだし」


千聖って俺たちよりも特異な存在だよな。武器も普通に持ってるし。


「でも和人は俺たちと同じ感じがするな」


「えっ? 」


「他とは違くて、一般的な景色じゃないものが見えてる……そんな感じがする」


そう言う千聖はこちらをじっと見ていて、その瞳に吸い込まれそうになる。


「まっ、なにはともあれ今日はお疲れだな。またなにかあったら頼む」


千聖は止まって、俺に手を差し出す。


「今度は平和な手伝いを頼むぞ」


千聖から差し出された手を握る。なにが起こるかわからないし、彼女を気にかけていった方が良さそうだ……



今日の出来事はとても強烈で、脳に焼きついて離れそうになかった……

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