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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
3年生編①
148/171

148話 朝練

そこから何度も何度も練習を重ねたお陰か、かなり上達してきた。


息のあった速攻ができるようになり、楽しさを感じられた。


そして、次の日。朝早くから俺と千華は体育館にいた。


「じゃあ今日は朝練ないみたいだからちょっとサーブの練習しましょうか」


「おぉ、でもちょっと難しそうだよなサーブって」


「難しいのはジャンプサーブよ。普通に入れるだけなら簡単よ」


千華はコートの端に立つと、左手でボールを上にあげ、右手でしっかりと押し出すように打ち出す。


「これがフローターサーブね。アンダーやサイドもあるけど、これが一番使えるやつだわ。テレビでも見たことあるわよね? 」


「助走をつけながらのやつは見たことあるな」


「和人なら能力で学習も早いだろうし、その見たことあるジャンプフローターまではいってほしいわね」


千華がなにかを期待する目でこちらを見てくる。さすがに短い期間でそれは無理だと思うんだけど……


「じゃあコツは教えるから真似して打ってみて」


千華からコツを教わり、打ってみることになった。


えっと、トスの位置を安定させて、腰も使ってボールの芯を捉えるっと……


真上に上げたトス、その瞬間に発動した能力でタイミングを完璧に合わせる。


打ち出されたボールはしっかりと相手側のコートまで飛んで行った。


「こんな感じか」


「やっぱりその能力便利ね。それならすぐに飛んで打てるようになるわ」


「いや、まだまだだよ。今のは能力込みでの結果だから、後は素の状態で成功させないと」


俺はさっきの感覚を忘れないようにと手を開いたり閉じたりを繰り返す。


「感覚を確かめてるの? 」


「まぁね。一度この能力を使って完璧な状態をつくり出せると、解除した時にその感覚が残ってることがあるんだ。

今も残ってるから……多分できるよ」


俺はさっきと同じようにトスを上げてサーブを打つ。そのボールは、前のものが通った軌道をそのまま描いて着地する。


「よかった上手くいった」


「なんて言うか……凄いのね……」


それを見た千華は苦笑いを浮かべる。


「能力は行動の補正をしてくれるものだけど、その補正の感覚を体が覚えるんだ。何回も使ってるし」


「あんたの能力ってちょっと普通じゃない感じがするわ。私たちよりも異質なものじゃないの? 」


「言われてみるとそうかもしれない」


俺の能力は確かに変な感じがする。最近ただの情報解析じゃなくなってるし……


「暗視は解析の延長ってことでわかるけど、体感時間をゆっくりにするのはちょっと違う気がする」


フォルメルとの戦いで発現してしまった『泥臭い生存か慙死か(デットオアアライブ)』、あれは完全に俺の能力の範疇を超えていた。


解析してどうして体感時間の操作ができる? 少しずつだが疑問の量は増えていった。


「でも俺たちで考えてもわからないことだらけだし、ひとまず天夜さんに相談してみるのがいいのかな」


「そうね……今は考えるより練習しましょうか」


俺たちは練習を再開する。サーブの感覚をより鮮明に体に覚えさせる。


千華も久しぶりにバレーができることが嬉しいのか、自主練に熱が入っていた。高校でやってもよかったんじゃ……


「高校はバイトしなきゃだったから駄目なのよ」


「そういえばそうだったな」


家庭環境から諦めざるおえなかったようだ。まぁでも今は時間も取れるし、やれる機会もたくさんありそうだな。


俺も混ざれるように頑張らなきゃな。あと鷹峰の為に。


「やっほーやってる!? 」


「なにしに来たんだ葉月」


突如として開いたドアにいたのは朝から元気そうな葉月。あともう一人、


「あれ、鷹峰……? 」


なんと鷹峰がそこにはいたのだ。彼は体育館に入ると、懐かしむように辺りを見渡す。


「……高校での体育館の景色は見慣れないけど、ネットやボールを見ると懐かしいって思います」


「どうしたんだ急にここに来て……」


「いえ、その……遠ざかってみると結構落ち着かなくて、なので休憩は先輩たちの姿を見てまずは向き合ってみようかと」


照れくさそうな鷹峰を見て、

「休憩短いな……」

その言葉が一番に出てきた。


「彼、結構強いのね。いや、本当に好きなのね」


「そうだな……これは普通にバレー部入っちゃうかも」


俺の行動がお節介過ぎたかなと思うが、まだ完全復活していないのでそこはまだわからない。


「じゃあ和人、次は対人パスしましょうか」


「だな、でも鷹峰に見られるのは緊張するな」


バレー経験者に見られながらの練習はとても緊張した。変なプレーしてないかな。


「なんか見てたら私もやりたくなってきた! ちょっとボール貸して」


「はいよ、変なことはするなよ」


「しないよ大丈夫」


葉月はそう言って壁当てをし始めた。普通のことしてる……


「鷹峰のどうだ、少し触ってみるか? 」


「いえ、僕はまだ大丈夫です。気にしないで続けてください」


鷹峰は思った以上に早く向き合い始めた。きっと、近いうちにスランプを克服しなければならない時が来る。



これは俺も焦らないといけないな……

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