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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
3年生編①
141/171

141話 新聞部部長

次の日の放課後、俺はいつもの部室に来ていた。憂鬱な気持ちを抱えながらなので足は重かった。


「あなたたちの部室に来るのは初めてだけど、居心地良さそうね」


「あの、なんで蒼音さんがいるのかな? 」


俺の後ろには蒼と千華がいた。


千華はかなり警戒しているようで、俺にぴったりくっついて離れない。


そんなに警戒しなくてもいいのでは……?


「私も新聞部の取材を受けることになったのよ。それで、まとめて取材した方が効率がいいからってここに呼ばれたのよ」


そうだったのか……でもこうなるとあいつから変な質問がたくさん飛んできそう。


「で、彼はまだ来てないのね」


「そうみたいだね」


「もぐもぐ……」


既に部室に来ていた葉月とティタニアはゆったりとリラックスしていた。


「あっ和人、ちょっとそこから離れた方がいいかも」


ソファに座ってルービックキューブで遊んでいた冬は俺に注意喚起をする。


えっ一体なにが……そう思ったのも束の間、いきなりドアが開く。


そして、開いたドアからものすごい勢いで飛んでくる飛び蹴り。


それをぎりぎりのところでたたき落とす。そして飛び蹴りの主は、かなり痛そうに背中を押さえて呻く。


「いきなり怖いことすんな! 」


「いや……登場は派手に行きたくて……」


床に転がってる奴を見てため息をつく。やっぱりこいつか。


茶髪の、男子にしては長めの髪を雑に結び、なぜか学ランではなく革ジャンを羽織った男子生徒……新聞部の部長、夏目朧月(なつめ ろうげつ)だ。


こいつはとにかく変わり者で、これまで作ったことのない学校の美男美女の記事を作るに飽き足らず、本にまでして校内で販売し始めたのだ。そのせいで毎年この時期になると、揉め事が必ずと言っていいほど起こるようになった。


他にも年がら年中革ジャンを羽織るので、風紀委員に目をつけられている人物だ。まぁ、本人は注意を受けてもどこ吹く風といったところなのだが。


「夏目さん、あなたほんとにいい加減にしてもらうわよ。先程の危険行為に対して反省文を5枚ほど書いてもらおうかしら。もちろん会長命令ね」


蒼はここぞとばかりに職権乱用している。それ通るのか……?


蒼は元風紀委員だし、朧月のこと嫌っててもしょうがないな。


「そんなことより取材が先だろうが学年人気6位!! 」


「それなんの話なの……」


蒼はジト目で朧月を見るが、彼は気にしない。


恐らくだが、学年人気6位は男子限定でのアンケートの結果だったはずだ。そんな感じのやつやった覚えがある。


「コホン……よし、じゃあ取材を始めようか。へい、カメラプリーズ!! 」


その言葉と同時に部室に新聞部の部員が入ってくる。


その部員は、朧月にカメラとボイスレコーダーを渡すとすぐさま帰って行った。


「そのボイスレコーダーいるか? 」


「はぁ!? いるに決まってるだろ!! ここで言質を取っておいて好きに書かせてもらうんだから!! 」


「不純すぎる動機だな! 」


まだ始まってもないのにもう帰りたい。これは変なこと聞かれそうだな。


「じゃあまずはそこの4人娘から。じゃあそこのソファに座って」


朧月は片方のソファにどかっと座る。葉月たちもその反対側に座り、取材体制が整う。


「じゃあまずは選ばれた感想から! 」


「んーまぁ、去年に引き続いてって感じだから嬉しいは嬉しいかな」


「……私はあんまり嬉しくないかな。こういうのは苦手な部分あるし」


葉月と冬は予想通りの答えを出してくる。この2人らしいな。


「私は光栄って部分が大きいかな。去年に引き続いて選ばれるってことは、みんなから興味を持って貰えてるってことだと思うし」


「えっと、あの……緊張してます!! 」


千華の猫かぶりはともかく、ティタニアの緊張具合が心配になる。ガチガチじゃねぇか。


「大丈夫だよティタニアさん、変な緊張なんていらない。欲しいのは本音だからね。

そしてそれを僕の主観で記事にするだけだから!! 」


「最後の部分いらねぇだろ!! 」


なんか途中までいいこと言ってたけど、結局そこか!


「さて、次の質問だけど……雪原さん、和人とはどこまでいった? 」


やっぱりそこ来るのかよ!? 千華頑張れ……


「……そこは秘密にさせてください。彼との思い出は2人だけのものにしたいので」


千華は優しく笑いながら返答する。おぉ、これはなかなか上手い返しじゃ、


「なるほど……つまりはここでは言えないほど進んでしまったと言うことか」


「えっ、あのっ、」


「いやこれはとても素晴らしいものだ! 2人の愛はこの時点でとても強いということか!! 」


そういえばこいつは人の話を聞かないんだった……


千華もかなり困惑している。うん、しょうがない。


「次だけど、最近の緋色さんの新聞の件、沈んでたあれは演技だった? 」


嫌な質問してくるな。事情を知らないとはいえ、こういうの触れられたくないだろうに。


「もち、バッチリ演技だったよ! 」


「なるほど、女優を目指し始めたと! 」


「うん、言ってない」


解釈がねじ曲がってる。どっから女優出てきた?


「よーしどんどんいくぞー!! 」


テンション高めの朧月は、宣言通りどんどん質問を振っていくのであった。

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