139話 調査結果
生徒会室でこれからの行事の打ち合わせを行い、ひと段落したところで解散になる。
俺はすぐに学校から万事屋へと向かった。
「来たぞー」
扉を開けると、丈の長いパーカーを来た千聖が駄菓子を食べている姿が目に映った。
「おっ、学校の帰りだったか? お疲れ」
千聖はそんな言葉と一緒に書類を準備し始める。
「まぁとにかく座れ。色々とわかったからな」
俺は言われるがままに千聖の対面に座る。
千聖はクリアファイルから書類を取り出しこちらに見せる。
「依頼した件についての報告書だ。今回はとあるツテを使ったから早くわかったんだ。調べていく中で不自然さが際立ったからな」
「なるほど……」
俺は千聖の声を聞きながら報告書に目を通す。
報告書は細かく書かれていて、この数日でここまで調べていることに驚いた。
「凄いな……よくこんなに調べられたな」
「まぁほぼツテのお陰だけどな。知り合いに情報収集のプロがいるからそいつに頼った」
「お前ほんとに謎だよな……」
千聖のことは謎が多すぎてよくわからない。でも信頼できるとは思う。
「それで調査の結果だが、簡潔に言うと苅田は北海道にいた」
「そんな遠くに? 」
「で、しかも面白いことに苅田自身は死体で見つかった」
「!!? 」
急な展開に言葉を失う。慌てて報告書を読み進めていくと、その項目はあった。
『対象は北海道の端、自然溢れる■■■■■で死体となって見つかった。
このことについて両親に探りを入れたところ、なぜか両親は対象の記憶を喪失していた。恐らく第三者の関与によってこうなったのだろう』
一気にきな臭くなってきたな。恐らくこの第三者って……
「まぁ一応ここで調査は終わりにしている。ここから先はとんでもなくめんどくさいことになるからな。まぁでも、あんたが望むなら続けるけどな」
「……いや、ここで終わりにしてくれて構わない」
第三者は苅田を殺し、その両親になにかをした。これ以上踏み込んだら千聖にまで被害が及ぶ可能性がある。
未だに正体の掴めない相手には慎重に行かざるおえない。
「そうか……ちょっと残念だが終わりにするか。またなにかあったらうちに来い。割安で引き受けてやる」
「ありがとな千聖。またなにかあったらよろしく頼む」
俺は後払い分の1000円を置いて帰る。
さて、あとは買い物でもして帰るか。
俺は今日の夕飯で使う野菜を買おうと八百屋に向かう。その途中で千華から電話がかかってくる。
「どうしたの千華? 」
「ごめん和人、帰りに猫缶買ってこれる? バカ猫がいつの間にか全部食べてた」
「あー了解、帰りに買って来る」
ラムレーズンのやついつの間にかたくさん食べてたんだな。1週間前に2週間分は買ったはずなんだけどな。
「ごめんお願いね。じゃあ気をつけて帰ってきてね」
「うん、わかってる」
俺は千華との電話が終わると、八百屋で野菜を買い、そこからペット用品店で猫缶を買う。
「さて帰るか……」
俺は用が済むと、千華たちの待つ家に帰る。
「ただいま」
「おかえりなさい和人」
帰ってきた俺を千華が出迎える。千華はちょうど料理中だったのかエプロン姿だ。
「時間としてはお昼過ぎてるけど、なにか作ってたのか? 」
「えぇ、和人がまだ食べてないと思ってチャーハン作っておいたわ」
千華の手料理を食べられるのはありがたかった。ちょうど昼食もまだだったしね。
「ありがとう、いただくよ」
笑顔で千華に話す。彼女は嬉しそうにしている。
「にゃー」
「ラムレーズンどうしたんだ? 」
「にゃっ! 」
突如来たラムレーズンは、俺の持っているビニール袋に飛びかかる。
「あっこいつ猫缶が目当てか! 」
「こらバカ猫やめなさい! 」
「誰がバカ猫だにゃ!! 」
ラムレーズンは人化の術? で前に見たあの姿になり文句を言う。
「今猫缶がきれてたから困ってたんだにゃ。でもご主人が買ってくれたから早速一つ食べようと思ってにゃ。駄目かにゃ? 」
「駄目に決まってるでしょ! あんた人化を使うから無駄にエネルギーを使ってその結果余分に食べてるんだから。まじで節約しなさい! 」
「とは言ってもにゃ、私は定期的に人化しないとちょっと感覚忘れちゃうからにゃ〜節約は無理だにゃ」
ラムレーズンはうんうんと頷いて猫缶に手を伸ばす。俺はその手を払い落とす。
「なんでにゃ!? 」
「これは夜に取っておきなさい。軽いおやつは出してやるから」
「うぐっ……ご主人には逆らえないにゃ」
ラムレーズンは諦めたのか、じりじりと後ずさりをする。そして、疲れたのか猫に戻る。
「それじゃっ、改めてご飯にしましょうか。和人は手を洗ってきて。荷物の整理は私がやるから」
「うん、わかったよ」
気を取り直して昼食をとることになった。
出てきたチャーハンはとても美味しそうで、味の方もしっかりとしていて美味しかった。
ひとまず、明日からの新入生を入れての活動はどうなるんだろう……
葉月のやつ変なことをしなきゃいいんだけど……
食事をしながら新しく人の増えた部活のことを考える。
なにをするにしても、鷹峰のことを少しづつ知っていければいいな……




