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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
2年生の終わり
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129話 サプライズ〔2〕

「蒼ちゃんには内緒でお姉さんを呼んでサプライズしましょう!! お花渡すとかいいと思います! 」


「いいねそれ、あと私の中ではもう一つのサプライズも考えてんだよね〜湊さんにさ」


「お前なに企んでんだよ……」


葉月の悪者顔に嫌な予感を覚える。変なことしなきゃいいけど……


「ひとまずは耀音さんとの連絡をとる方法を考えるぞ。湊さん経由で頼むってことだけど、頼み方どうする? 」


「シンプルでいいんじゃないの? あとは湊さん次第だろうし」


「まぁ、そうだろうな。だが、湊なら必ず引き受けてくれるだろう。蒼音が前に踏み出せれば学校が良くなるからな」


確かに、湊さん耀音さんとの約束を大事にしてるし、学校を良くするために協力してくれそう。


「あとは湊さんにとっても利点だから大丈夫でしょ! いや〜楽しみだな〜」


葉月はいつまでニヤけてんだ。なんというか……なにをやるかは見えてきた気がする。


「まぁ、湊との交渉は俺に任せてもらおう。風紀委員で関わりがあった仲だ、少しは協力させてくれ」


「伊月先輩……ありがとうございます」


蒼はいい先輩を持ったと思う。自分のことをしっかりと考えてくれる先輩なんてそうそういない。


「それじゃああとは他のことを決めましょう! お花って何を買えばいいんですかね? 」


「それは店員さんに任せておきなさい。ティタニアが選ぶと心配だし」


「酷いですよ千華ちゃん! 」


伊月先輩は「俺はひと足先に帰らせてもらうぞ」と言って静かに帰っていった。俺と睦月以外は会議で気づいていなかったので、2人で「お疲れ様でした」と送り出す。


「そういえば、伊月先輩に対しても何か考えてたよなあいつら? 」


「えぇ、葉月先輩が考えてましたよ。なんだか楽しそうな顔しながら」


てことは卒業式では2人に対して感謝を込めた贈り物をするのか。蒼にはきっかけを作るわけだし、気合い入れて準備しないと駄目だな。


「あっそういえば和人、明日の朝生徒会室に来てって蒼が言ってたよ。時間は早めだって」


「蒼が? なんだろ……」


冬の発言に千華が苦い顔をする。2人っきりにしたくないんだな。まぁ、当然か。


「大丈夫だよ千華、和人のことはちゃんとわかってるでしょ? だったら信じてあげなきゃ」


「信じてないわけじゃないけど、心配なのよ……」


心の声がわかってしまう千華だからこそ、人よりも心配の度合いが大きいのだろう。多くの場合誤魔化しの聞かない部分だから、知りたくない部分も知ってしまう。


「大丈夫……俺は千華一筋だよ」


だからこそ、彼女を安心させるために言葉をかける。能力が発動しても問題ないように本音を言葉にしていく。


「……みんなの前でそんなこと言わないでよ……恥ずい」


「うん、ごめん……」


赤くなる千華を見て、言った俺も少し恥ずかしくなってきた。


「あーはいはいお似合いお似合い」


「葉月ちゃんどうしたんですか急に? 」


「長い間イチャイチャ見せられてるからじゃないっすかね」


葉月はわかってたことのようにリアクションをとる。少し雑になってる。


「……とりあえず、ちゃんと警戒はしておきなさいよ? 蒼音さんが何してくるかはわからないから」


「うん、わかったよ」


明日の朝は何をやるんだろう……そんなことを考えながらあと少しの部活を行う。


伊月先輩と湊さんに対してのサプライズの計画をある程度練ったところで今日は終わる。


もうすぐ卒業式ということもあり、3年生がいなくなった時のことを考えてしまう。伊月先輩や湊さんが卒業したら寂しくなるな……



俺たちは家に帰ってくる。


「おかえりなさい先輩♪」


帰ってきてすぐにアンヘルからのアプローチを受ける。エプロン姿のアンヘルは俺に抱きつき、千華の顔がムッとする。


正直心臓に悪い。


「今日の晩ご飯は任せてください! 美味しい炊き込みごはん作りますから」


アンヘルはやる気満々の様子で台所に帰っていった。


「私には抱きつきとかないんですかね……」


明らかにティタニアはしょんぼりしていた。出迎えをしっかりとしてほしかったんだろうな。


俺たちは部屋に荷物を置いてリビングに集まる。


「〜♪」


アンヘルは鼻歌を歌いながらつけ合わせを作っていた。


「なーお」


ラムレーズンはトコトコとやってくると、俺の膝に陣取る。


「このバカ猫どきなさいよ」


ラムレーズンは千華の言葉なんか全く気にせずにくつろいでいる。


「こいつ……」


「千華落ち着いて、俺は大丈夫だから」


俺は千華を宥めようと声をかける。


そうしていると晩ご飯ができたようで、ティタニアが真っ先にご飯をよそいに行った。


「ラムレーズン、ちょっとだけここで待っててな」


俺はラムレーズンを座布団の上に乗せると、食事の用意を手伝いに行く。


「ティタニア、あんまり取りすぎるなよ」


「わかってますよ和人くん! 」


さっきまでの落ち込みはどこへやら、ティタニアは元気に答える。


「じゃっ、食べようか」


「「いただきます! 」」


いつものように手を合わせてご飯を食べ始める。


アンヘルの作った炊き込みごはんはとても美味しかった。

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