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能力者は青春を謳歌出来ないと思った?  作者: 白金有希
2年生の終わり
128/171

128話 サプライズ〔1〕

あれからいつもの日常が戻ってきた。未だにモヤモヤしているが、気にしすぎもよくないのでひとまず頭の隅に置いておくことにした。


そして今は生徒会室で雑務を行っている。生徒会に出れなかったのもあるので、その分しっかりと働かないと。


「なぁ蒼、部活動紹介の順番決まったぞ。後はみんなに見せて了承とるだけ」


「ありがとう、次は書類の整理をお願いするわ」


蒼はそう言いながらも、原稿用紙に向かい、作業をする。


もうすぐ卒業式ということもあり、送辞を書いているのだ。蒼のことだからしっかりとしたものを作っていそうだ。


「そういえば耀音さんって卒業式見に来たりするの? 」


「どうして? 」


「いや、蒼の生徒会やってる姿を見に来たりとかしないのかなって」


それに湊さんもいるわけだし、来そうではあるのだが。蒼は不思議そうな顔をしていたのでそういうのは聞いてないようだ。


「……冷たくされている人間の姿なんて見に来ないわよ。まぁ、あっちは度々気にかけてくるから私のこと嫌ってないと思うけど……」


「会長を嫌う人なんていないですよ! お姉さんなら尚更です!! 」


「……泊さん、わかったから雑務に集中して。あとそういう発言は少し控えてもらえると助かるわ」


泊さんの熱い眼差しと言葉に、蒼も若干引き気味だ。


「とにかく、この話は終わりにしましょう。まだ雑務が残ってるのだし」


蒼はそう言うと、送辞の作成に集中してしまい、耀音さんの話題を話すことはなかった。



「なるほど、つまり蒼音が耀音さんと仲良くなれるようにしたいけど、和人じゃ方法がわからないってことだね」


俺は、生徒会が終わると部室に行き、葉月たちに相談していた。お節介かもしれないが、蒼の頑張りを見て欲しいと思う。


関わった時間は少ないが、耀音さんは蒼のことを大事に思っているだろうことはわかる。時々蒼の様子を聞いてきたりしたし。


「じゃあ秘密裏に卒業式に来てもらおう。サプライズってことで」


「それだと耀音さんの連絡先が必要だろ? 誰か知ってる人いるかな? 」


うーんと頭を悩ませる。耀音さんと親しかった人っていうと……あっ、

「湊さんなら知ってるかも」


「それだ!! じゃあ早速探そう! 」


葉月はアホ毛をぴんと立てて部室の外へ走っていってしまった。


「葉月ちゃん元気ですね」


ティタニアは嬉しそうにしている。


「だな、それよりもさっさと追わないと……」


「私も行きます! 」


俺はティタニアと一緒に葉月を追う。部室を出る際に千華から「いってらっしゃい」の言葉を受ける。正直嬉しい。


さて、葉月はどこ行ったんだろ。


ひとまず葉月の行きそうな場所を探してみることにした。


葉月だったら湊さんを探しに図書室とかに行きそう……そんな考えで図書室に来た。中はとても静かで、何人かの生徒が勉強を行っていた。


目立つ赤髪をキョロキョロと探しているが、葉月は見つからない。どうやら湊さんもいないようだ。


「次ですね、どこ行きます? 」


「そうだな……」


他に行きそうな場所……3年生の教室に突っ込んだか? いやそれはないと信じたい。さすがにそこまではやらない……はず。


じゃあどこに行こうかと悩んでいると、突如声をかけられる。


「柊か……こんな所でどうした? 」


「伊月先輩」


聞き覚えのある冷静な声、それはやはり伊月先輩の声だった。


「実はですね……」


俺は伊月先輩にここに来た理由を話す。


「なるほど、蒼音の為か……それなら俺も協力しよう」


「いいんですか? ありがとうございます」


伊月先輩の協力はとても嬉しかった。蒼音と関わりがあった人だし、彼しか知らない事もありそうだ。


「それでだ、湊なら早くに帰ったぞ。今俺らは自由登校だからな、あいつは午前中に答辞の読み合わせをしてそこから帰ってしまったぞ」


「あっ、そういえば自由登校のこと忘れてました」


3年生は進路も決まり、自由登校になっていたのだ。そういえば忘れていた。


「それじゃあ葉月を呼び戻さないと」


俺はスマホで葉月に連絡を取り、すぐ部室に戻るように伝える。葉月も自由登校の件を忘れていたようで、かなり驚いていた。


「それじゃあ部室で話しましょうか。あっ、そういえば伊月先輩はなんでこの時間まで残っているんですか? 」


「それはだな……卒業式当日の風紀委員の配置や今の風紀委員の様子を確認していたらいつの間にかこんな時間になっていたからだな」


「あー、お疲れ様です」


伊月先輩がいる理由を知り、ここから部室に帰る。その道中で蒼音との様子を聞かれ、悪くはないと答えると、伊月先輩は安心した表情を浮かべ、つくづく後輩想いだなと感じた。



「お帰りっす! 葉月先輩はひと足先に戻ってきてお茶飲んでるっすよ」


「おかえり〜」


葉月はソファでガッツリくつろいでいた。千華の話によると学校中を走り回って探したらしい。おつかれ。


「失礼する、」


「伊月先輩じゃないですか。今日はどうしたんですか? もしかして俺と勝負ですか? 」


「そういうのじゃないぞ睦月」


なぜか戦う気満々の睦月を宥める。


「それじゃあ始めよっか、蒼へのサプライズ計画の会議を」


「はいっ、蒼ちゃんを驚かせちゃいましょう!! 」


ティタニアの元気な声と共に話し合いが始まっていく。

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