オオカミのハナシ
これは、とある2人の男女のお話。
少しばかり豪華に彩られた屋敷に住むのは、自分は人ではない、人外であると名乗る少女。赤茶色の髪の毛を持ち、幼い見た目であるにもかかわらす、ゆうに500年は生きているらしい。
その少女に恋したのは、平凡な農民の青年。彼は少女に一目惚れし、屋敷に出入りするようになりました。
「私ね、500年も生きてるのよ。人じゃないの。そんな私に恋するだなんてそんな、いい事なんてこれっぽっちもないでしょう」
「いい事はあったさ、たった今ね。君に恋することで僕は今幸せを感じてるよ」
最初こそ少女は自分に向けられた好意に困惑していましたが、青年の真っ直ぐな心と諦めの悪さに折れ、だんだんと心を開いていったのでした。
2人は愛を育んでいき、結ばれます。
屋敷にある薔薇の門の下、神様に永遠の愛を誓い、幸せなキスをしました。
青年は、少女に美しい指輪をプレゼントしました。
2人は、満たされていました。
しかし、彼女はその青年に言います。
「お願いだから、夜はわたしと会わないでちょうだい。私の部屋に、絶対に入ってきてはだめよ。それだけが約束、もし、この約束を破ったら、私はここを出ていかなくちゃいけないの」
「どうしてだい?夜に、何かあるのかい?」
「ごめんなさい、この世には、聞かない方がいいことがたくさんあるのよ。500年も生きてるわたしが言うんだもの、間違いないわ」
青年は渋々この約束を守ると誓ったものの、毎晩彼女のいない寂しさに苦しめられていました。
青年が少女に不満を持ち始めた頃、少女が体調を崩し始めました。
青年は原因がわからず、戸惑います。
少女に心当たりがあるのかどうか尋ねても、何でもないと嘘をつくばかりで、まともに受け答えをしてくれません。
もしかしたら。
もしかして、自分の知らない夜に、彼女に何かあってこうなっているとしたら。
彼は疑い始めました。
ただ彼女のことが大切だったのです。
ついに青年は夜、彼女の部屋を覗きます。
するとそこには、なんと1匹の狼がいるではありませんか!
青年はあまりのできごとに驚きます。
彼女が夜、部屋に来るなと言ったのはこのためでしょうか?なぜ、狼がいるのでしょうか?
思えば、彼女が体調を崩したのは、夜に会えない話を持ち出した時からではないか、と青年は考え始めます。
昔、自分の住んでいた村では、狼は災いの元として有名でした。
その狼が屋敷に踏み込んだ途端、彼女が体調を崩し始めたのです。
彼女は、この事を隠すために自分に言ったのだと自己解決しました。自分を犠牲にしてまで僕を狼から逃がそうとするなんて、あぁ、なんて慈悲深い!
待ってて、今助けるから。
彼は、一旦その部屋を離れ、自分の農具を持ちに行きました。
この道具であれば、きっと狼に負けることはないだろう。
青年は、息を殺して忍び寄ります。
そして
狼が窓の方を向いたその時。
これは、とある2人の男女のお話。
あるところに2人の青年と少女がいました。2人は結ばれ、とても幸せでした。さらに、少女は子供を授かりました。この事を大好きな青年に伝える時は、サプライズがいい。そう思った少女は、彼にギリギリまで秘密にしておこうと決めました。
また、少女は本当に人外でした。500年、いきていました。彼女は、人狼でした。夜の間、制御が効かず、狼になってしまうことが多くあったのです。昔、狼の姿を見られて殺されかけたことから、これも青年に秘密にしておこうと、決めていたのでした。
そしてある日、青年は、狼を、殺しました。
っていうお話よ。どうかしら?
この後どうなったか?うーん、そうねぇ…。私にもわからないわ、人から聞いた話だから。
でも、この青年がどうなったかはちょっと興味あるわ。
あらら、腑に落ちないようすじゃない。まだ人生経験がたりないのね。
やだ、バカになんかしてないわよ。それよりも、スープが冷めてしまったわ。
じゃあ、スープを温めてから、また次のお話をしましょうか。
妊娠に気づかず、狼を殺してしまったその男は、女も生まれてくるはずの子供も殺してしまった。
この一分から誕生したお話でした。
短い文を1個のストーリーにするのは難しいです。
次はとある一人の女のハナシを書きたいと思います。拙い文ですが、読んでいただきありがとうございました。




