真っ白な場所で
真っ白な空間。
僕はふわふわと浮いていた。シャボン玉の様に。
いや、そう思っているだけだろう。ただ真っ白なここに存在しているなにかだった。
でもそれが僕に夢と気付かせてくれた。
だが夢にしては何もなさ過ぎる。
ここに何分いただろう?夢でそんなことってあるのか?
疑問を抱きながら真っ白で不思議な光景を見続けていた。
「キミ、どうしてこんなところに?」
声がした。誰かがいた。誰だろう?
振り向くと人がいた。外国人っぽいな...見た目は青年くらい...白髪だった。それにこれは服...?なんと言えばいいのか...
「ねぇ、聞いてる?」
答えなきゃ、と思ったけど喋れない。そりゃそうか、今の自分は...
「まぁいいか、僕は作業に戻るよ。キミは...ついてきたいなら来るかい?」少しニヤッとして言う。
だいぶせっかちだな...それでも僕は彼が何をしているのか、こんな空間でなんの作業をしているんだろうか、気になるので付いていこうと思ったがこの体だ、動けないんだろう...
そう思って前に進もうとすると...動けた。
白髪の青年はふわっと宙に浮かんで先へ進む。
夢のせいか違和感はなかった。
宙に浮く自分もついていく。
だいぶ進んだところで彼はこちらを振り向いた。
「もしかしてキミ、人間かい?」
...何を言ってるんだろう。
「全部終わらせたハズなのになぁ。どっか不具合でもあったのかな...」
急に彼の言葉が理解しづらくなってきた。言ってる内容も、自分の意識も曖昧になってきたせいか。視界もボンヤリしてきた。
「よし、なんとか処理が済んだようだ。」彼は言う。
この感覚を覚えている気がする。消えそうな意識の中で、彼はひとりごとを言い始めた。
「今回も興味深い結果が得られたなぁ、でもマヌリエラの奴らが来るなんて思わなかったよ...」
「予定よりも早めに切り上げなきゃいけなくなってしまったもんな、次はマヌリエラじゃなくてシュミ..ラ.....
僕はこの世界から消えたようだ。