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新浜だより 1992年~2000年  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
49/95

49 クリーン丸浜川まつり

新浜しんはまだより

日本野鳥の会東京支部(現在は日本野鳥の会東京)支部報「ユリカモメ」 1996年10月号掲載


49 クリーン丸浜川まつり


 例年は真夏の炎天下(8月の第1土曜)にゴミを拾う行事、「クリーン丸浜川まつり」。さて今年はぐっと趣向を変えて、水質と生物調査に切り替えた。どちらかといえば、夕方からのバーベキュー大会の方がメインとなっているので、切り替えは思いのほかスムーズ。

 いやあ、われら観察舎スタッフとしてはこんなに楽になるとは思わなかった。担当の清水・阪本両若手(阪本くんは遅刻したので特に清水氏)と指導の田久保さんを送り出した後は、特にこれといってやることがない。いつもなら最低二人はゴミ拾いの手伝いに出るし、その前にリヤカーを借りに出たり、袋を用意したり、どこを重点的に拾おうかと下見をしたりするので、準備にたっぷり1日は必要だったものだ。

 もっとも、わが家はそれどころではなかった。バーベキューの準備には例年わが家の台所をあてている。常識的な一般家庭の様相を呈していれば、どうってことはないのだが……なぜか床がほとんど見えないとか、テーブルの上がほとんど見えないという状態になっているので、なんとかかんとか「ふつうに散らかった状態」にまで戻すのがひと仕事なのだ。

わが家―野鳥観察舎の管理人棟は2LDKで、6畳二間プラス14畳近いLDKである。ダンスパーティーだってできるくらい広いのである。ところが、夫婦2人プラス息子に至るまで、物が一切捨てられないという困った家庭。おまけに猫4匹、犬2匹。猫犬は物を溜めるといってもせいぜい抜け毛とかカナヘビ、スズメくらい。ただし、梅雨時から8月はじめまで蚤が出るのがこまる。どうってことはないのだけれど、どうしてこう片付かないのだろうか。

 えい、やあっ。とうとう主人に2日仕事を休んでもらって、床あけ作業に徹してもらうことにした。このところ野鳥病院のラッシュは終息しつつあるのだが、だいたい夜の10時から11時ころまでは餌やりが続く。餌やりそのものは大してエネルギーを要しないはずだが、ともかく時間がかかる。夏バテ気味で、片付け作業のエネルギーが湧かない私が餌やりを続け、主婦業は主人に頼んでしまった。仕事が終わったあと、レンジを磨いたり換気扇を拭いたりするのは私でもできる。

 仕事の合間に5リットル入りのやかんに麦茶を4杯も沸かしたり、牛乳やジュースの紙パックに氷を作ったりして、前日は無事に過ぎた。明けて8月3日、クリーン丸浜川まつり当日。なんと予想に反して涼しい曇天ではないか。幸いに水質調査に興味があるという中学生のお嬢さんたちの参加もあり、一行はにぎやかに出発して行った。管理人棟で掃除の続きをやっている主人を別として、われらスタッフは平然と通常の仕事に励んだ。

 夕方。あいにくこまかい霧雨が降り出した。バーベキューの準備は例年どおりテル子先生と倫子さん、有子さん等主婦陣の手でとどこおりなく終わり、炉の準備も例年どおりベテランの森田さんや田上さんの手で無事にできた。芝生の木陰にしつらえたテーブルや椅子には適度に人が集まり、81歳になる実家の母も大塚から出てきてくれた。

 夕方ともなれば、カワウの群れが乱舞し、イソシギが澄み切った声をひびかせる。毎年似たような光景だけれど、また一年無事に過ごせたという感慨はひとしおだ。観察舎で知り合ったカップルの鈴木一家も、7月9日に産まれたばかりの次男坊の翔馬くん、長女の萌美ちゃん、長男の海渡くんを連れてきてくれた。

 小雨の降る中、真正面に見えるはずの船橋海浜公園の花火は、音ばかりでもののみごとに見えなかった。それでも、年齢や立場の違いを一切越えて、気楽に話し合う楽しさ。「いい集まりねえ」実家の母が楽しんでくれたのもうれしかった。

 この集まりをあとに、わがスタッフの石川一樹くんは11月はじめまでアメリカの国際鶴財団で再度3ヵ月のボランティア生活をするために出発した。ちょっぴりさみしくて、心細いわが観察舎であるけれど、でも、みんな元気。ご心配なく。


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