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幼馴染と一日地獄の特訓をする話‐最大限を極めたい人たち

 

 

「貴方、欲望にどの程度耐えることが出来る?」


「は? 欲望ってのは、耐える耐えないって問題じゃないだろ、既に何かを求め欲し、望んだ時点で負けなんだよ」


「そういう話しをしてるんじゃないの、初歩でしょそれ、耐える為の影響力とかその総量に比べて、欲望とかを求め欲し、望んで、負けてしまった総量が多ければ、つまりは欲望に走り、これは絶対、絶対に走ってしまう、そして現実に負けたって結果が出力されて生まれるだけの事、ここで私が貴方に問うているのは、どの程度欲望に貴方は耐えられるか、その階層を聞いているの」


「そんなの分からないよ、少なくともお前に調教されたら負ける程度の階層だよ」


 シャルは俺をゴミ虫を見る目でねめつける。


「貴方、やっぱりまだまだ全然駄目だわ、駄目駄目、全然至っていない」


「はあ、じゃあどうすればいいんだ?」


「簡単な話しよ、地獄の特訓をするの、そうして神の格に、とりあえずは到達しないと、貴方の真の人生は始まらないのよ」


「意味分からないんだが、分かりやすく説明できないもんかね?」


「つまりよ、貴方の欲望に対する耐性を、この人生というゲームをプレイするに当たって、最強、そう、これは誇張なしの最強、どんな欲望にもまけない神の格、神格を手に入れないと、貴方は最善最良を常に尽くしているとは言えない存在、だから真に生きているとは言えないのよ、貴方も、真の人生を送りたいでしょう?」


「ああー、えーと、何から突っ込めば良いのか、とりあえず、最強に拘るのはやめないか? 極端に話しがぶっ飛ぶからさ」


「駄目よ、最強こそが至高の価値なんだからね、貴方、至高の価値を手に入れられずに、その人生を終えてしまっても本当にいいの? 本当に欲しいモノを手に入れられず、それで無になって死んじゃうのよ? それじゃ駄目でしょ、全然駄目、しかも、その至高の価値はなんと、無限大に耐えるだけで手に入るの、最強とは絶対に屈しない事と同義、ほら、どう?」


「あーえー、無限大ってワードが出てくる時点で、なんか現実的な話しじゃなくなってないか?」


「馬鹿ね、そこはモノの例えよ、本当に無限大に耐える必要はないの、現実というゲームにおける最大値、それに耐えれればいいだけだから」


「あれ? それってほとんど無限大に近くて、ほぼ同義じゃね?」


「そうかもね、はい、その無限大に限りなく近い、そんなストレス? みたいなモノに耐える為の、地獄の特訓の始まりよ」


「はあ!!!どういう話の流れだよ!一から無限大まで!それこそ無限に限りなく近く説明しないと納得できんぞ!」


「うっさいわよぉ!貴方のような貧弱なゴミ虫!!いつもいつも傍で見て不快な思いしている私の身にも成りなさい!ほらぁ、付いて来るんだよぉ!!」


 足で思いっきり尻を蹴られた、いてぇーよぉー!



 そして、ここは裏山の入り口付近である。


「さて、まずは」


「ちょっと待とうか、超熱いぞ」


「しるか、てか、その方が地獄の特訓ぽくて良くない?」


 ここは燦々と夏の日差しが降り注ぐ、森林にまだ覆われていない日向である、暑すぎて解けそうであるのだ。

 目の前には裏山の頂上まで続く、なんか石段と木の板がミックスされたような、そんな足場がどこまでも上に続いているのが見える。

 つまりは予測すると、これを多分高速で登るような、そんな話になるのか? 考えたくもない苦行である。


「さて、言わなくても分かると思うけど、ここを死ぬ一歩手前まで自分を追い詰めてもらって、最速で登る事、はい本日の地獄特訓開始」


「いやだ!!なんでやねん!!なんでやなんでやぁ!!!」


 俺はその場でジタバタ暴れだす、途端彼女が俺を鷲づかみして、そのまま身動きを封じる、はうあぁ!!


「ほらぁ!!もしこれをやらないならぁ!!私自らが貴方を強制的に最強に導くわよぉ!!」


「望むところだよぉ!!自分で自分を追い詰めるよりもぉ!お前に!他人に追い詰められるほうが万倍ましなんだよぉ!!」


 これは本当である、勢いで言ったがね。

 こういう地獄の特訓は集団でやるか、またはコーチに先導された方が成功率は格段に高い、そういう統計結果も出ているのだ。


「もう、だらしのない人ね、見損なうわ、でも、確かにそうね、私の家の離れに、”そういうこと”をするのに適した場所があるわ、さあそこに行きたいわけね? 可愛がりながら、飴と鞭で貴方を導いてあげましょう」


 魔性の笑み、彼女はそういう事が普通に出来るタイプの超人だ。

 人類を超越とか、漫画かアニメだと思うだろうが、この少女は幼少期からの超英才教育と、両親から圧倒的に全てを”仕込まれた”そんな存在なので、本当に常人の限界とかを軽く置き捨てて、限界を日々突破し超越を続ける、光速で駆ける光線のような熱過ぎる存在なのだ、ゆえに触れた俺は大火傷する事になるであろう、向こうの方から触れて来たかどうかは、あまり良く分からない話しになるが。




「さて、到着、拷問パート始まるけど? 異議はないわね?」


「ありまくりだぁ!!てかなんで拷問!!やる事は地獄の特訓だろうがぁ!!」


「馬鹿ね、地獄の特訓と拷問なんて紙一重、てかもう同一の定義みたいなものでしょ、はぁはぁ、あれヤバ、ちょっと興奮してきたから、加減間違うちゃうかも、そうなったらそうなったでお茶目な私を許してね」


「馬鹿ばっかぁ!誰が素直に抵抗もなく拷問されてたまるかぁ!!」


 俺は離れを飛び出して逃げ出そうとするが、その瞬間には背後に回れらCQC、近接格闘術で床に叩きつけられて、その上封殺される、ぐげごはぁ!!!


「おい、こらぁ、おもちゃ、なに勝手に逃げ出そうとしてる」


「ぐげ、誰が玩具だ!」


「馬鹿ね、貴方の事でしょ、折角玩具を壊れにくくして、これからもっと楽しめるようにしようって言う、そんな私の計画が、早く達成させなさいよね!!」


 逆切れかます傍若無人な自由鬼畜人間シャル様、もうこいつを逆に調教でもしたい気分だよぉ!ほんとにぃ!!


「もうぉ!!逆にお前が地獄の特訓するべきなんじゃねーのかぁ!!まったくよぉ!根性叩きなおしてやりたいぜぇ!!」


「ふんっわたしはもう成長限界なのよ、これ以上は頭打ちなの、だから後進を育てる為にも、まずは貴方のレベリングに付き合ってあげてるのよ、感謝して受け入れるべきでしょうがぁ!!」


「しるかぁ!!俺がもっと上位の次元まで引き上げてやるから!調教でも拷問でもさせろやこらぁ!!」


 彼女は溜息を付いて交渉するような、ひそひそ話をするように語りかけてきた。


「それじゃ、等価交換ってどう? 貴方に私をそう言う風に”一回”させてあげるから、私も”一回”そういう事をする、よくない?」


「はぁ!? 何たくらんでやがる!いやだよぉ!どうせ俺の方がやり込められるんだろうがぁ!」


「なんだ自覚してるんだ、貴方って私の下位存在みたいなモノだもんね」


 圧倒的強者が弱者を見下す、そんな胸糞がイカレルムカつくぶっ飛ばしたい視線をくれるシャル。

 そうなのだ、こいつは俺から見たら上位存在、何かとこの表現で俺を見下してくるのだ。

 つまり、シャルの今のレベルが99レベルだとすれば、俺の99レベルが彼女の1レベルよりも下なのだ、存在の次元やステージがそもそも違うそういう意味合いで言っているのだ。


「どう? 女の子にありとあらゆる面で圧倒的に絶対的に負けている、そんな自分を僅かばかりでも本気で全力で真剣に、変えたいと思わなければ貴方はクズよ人間のね、男としても失格、そうなりたいの?」


 そして挑発するように、両手を広げて何か包み込むような動作、圧倒されて威圧される威容を醸す凄く嫌な感じで嫌な奴だぜぇ。


「なんだよなんだよぉ!そんなに俺を見下して楽しいかよぉ!!」


「ええ、まあね、ほらどう、この体は?」


 彼女が俺に触れてきた、感動的な柔らかさを誇るシャルの手が顔に触れる。


「貴方ってね、こんな守るべき対象っぽい、こんな私よりも遥か下、何も私に対してできない無力で、そして無価値っぽい存在なの、変えたいって思わない?」


 彼女の全身がなんか柔らかくて、彼女の見た目全部もなんだか愛らしく思えてしまう、そんな女子の極地、美少女の最高位だという事は知っている。

 だが現代を生きる人間ゆえ、それと同時の最高級の肉体強度とかも同時に備えられるのだ、その辺の説明も軽くすると。

 まず、肉体の筋繊維を太くしなくても、精神的なトレーニングと脳の高度な働きで、物理的な筋力を上げられる、そしてその他の全ての要素も似たような感じなので、そういう不可思議な現実が成立する前提条件が完成している、それだけの話だ。


「ほらほら、強くなりたいって思わない?」


 更に挑発するように、太ももを晒し、なんというか感動的な激情を滾らせるような輝きを見せ付けて、とても憎たらしい表情で迫る。


「ほーらほーら、だんだん貴方は私を守りたく、庇護欲が高まって~無限に強くなりたくなるぅ~♪」


 一定のリズムで言葉を脳に直接送り込むような暗示まで掛けてくる始末、しかもこれが結構に厄介。

 彼女は最高級の歌姫+響術師っぽい何かでもある、音を使ったこういう曲芸も全般扱える困った奴なのだ。

 そして俺は操られ人形のようになる、わけもない、そんな事したら俺が怒るし、そもそもそこまでは流石に彼女もしていないのだ、少なくとも今は遊び程度の暗示だ。


「もう、早く調教されなさいよ、そうするだけで、貴方は理想の人間に至れるのよ?」


「やだよぉ!どうして他人に無理矢理、そんな人生を終らせられるようなこと!されなきゃいけないんだぁ!」


「人生が終るって、変な言いかたよぉ、貴方の人生が新たに始まるのよ? 無限の調教によって貴方はどんなストレスにも耐えれる、そんな強靭すぎて可笑しくなってしまう、そんな尊い強さ、それを手に入れられるのよ?」


 なんだか、魅力的に聞こえてしまうのは、彼女の口からそれを聞いているがゆえの錯覚、なのだろうか?


「貴方、一回かぎりの、そんな絶対に不可逆の人生って自覚してる? そんなゲームを、詰まらないプライドか何かで、そんな体たらくで一生を過ごしたいの? 早くこちらの、少なくとも少しでも近づいて来たいとは思わないの? 私ならあなたを飛躍させられるの? どう? 落ちるつもりはない? あ、間違えた、登ってくるつもりはないの? あるなら、協力は惜しまないわよ」


 おいおい、落ちるとか聞こえたが、てかやっぱり怖い提案だ、魅力的に映るのはきっと錯覚だ、だって目の前のこいつが聖女でなく悪魔にみえる、そういう時の提案には乗らないのが吉だ。


「なあ、何か別の方法ない?」


「甘えてんじゃないわよ、苦痛なしで強くなれるほど、人生甘くないの、さっさと無限の苦痛によって飛躍しなさい、人生終らせてあげるから、そして新たに始めさせてあげるわ、強制的に貴方は私に殺されて、新たな生命を獲得できるのよ? 絶対的にそれ以外で、貴方が一定を超えて飛躍できる方法はありえない、ほらこっちに来なさい可愛がってあげるわ」


 何か変な薬品っぽいビンとかいろいろ、沢山のそれらが棚に一列に並べられた、そういう奥の領域に誘導するようにそで引くシャル。


「や、やだぁ、絶対に行かないぃ!!」


 乙女のように当然怖がる俺、こいつはマジモンのサイコ野郎だぁ!!!こわいよぉ!!!


「ちょ、本当に怖がらないでよ、こんなの、それこそただの冗談なんだから」


 てへぺろっと、いつもの動作も何か不気味に見える、今まさに変な事しようとしてきたのだ、もう絶対に信用しないもんね。


「はぁ、貴方、どうしたいの? そのまま低次元な存在で居続けるつもりなの?」


 呆れたように見られてしまう、彼女がいつも俺に向ける、何か詰まらないモノを見るような、そんなどうにもいたたまれない、そんな気持ちにさせる、でもなにか、熱い気持ちが込み上げてきて嬉しくなってしまう、そんな関心というか気遣いを向けている事が分かる目。


「お、俺は、自分の全ての力で、お前に頼らずに、お前に頼った以上の成果を!飛躍をしてやるんだぁ!」


 叫ぶように宣言するが、その言葉はどこか弱い、彼女の能力を確信しているがゆえ、自分の言葉に確信も説得力とも、どうしても薄くなってしまう。

 彼女は盛大に溜息を付く。


「ほんと、どうしようもない駄目な人、私の目から見て全然駄目、でも好きだから、貴方のそういう意志を尊重してあげたくなる、絶対に私の手を借りるより成長するって言うか、貴方の命が光り輝く可能性なんて、それこそ天文学的に加速度的な、そんな不可能な領域のレベルで、連続で連鎖的に成長とか飛躍を続けないと、異常活性化を四六時中続ける、そんな不可能、貴方に可能にできるの? 相当に無理っぽいけど?」


 彼女は言葉ではそう言うが、他の全てで「私の手を借りないなら、それ以上の成果を成長とかを示せ!それ以外は絶対に許さない」そういう意図を含ませている事は明瞭である。


「ああ!できるさぁ!!やれるだけの全てをやって!必ずやり切ってみせる!!!」


「そう、言葉だけの、そういうダサいタイプの男って私に思わせないでね」


 ああ、そうやって更に、逃げ場の様なモノを無くす、そういう期待にも似た脅迫染みたプレッシャーを掛けてくる、これで否応が無しに俺は、更にやるしかなくなる、逃げ道を絶たれる。

 おそらくその内やる以外に選択肢がなくなり、絶対的に唯一無二に追い詰められ詰まされる、そんな選択肢のなくなった一本道ルートの終った生き方にさせられるんだぁ!



「ふっふ、貴方って本当に操作がし易いは、でもこれって、ある意味わたしが手を貸してるようなものじゃないの、あーあ、途端に詰まらなくなっちゃった」


 そう息を吐いて、周囲に漂っていた、ありとあらゆる何かを消す、途端にプレッシャーとか精神負荷がなくなる、俺はその場で尻餅を付いた、腰が抜けたらしい、情けない話だが。


「やっぱり別にいいわね、貴方はそのままで、どうしようもないレベルのそんな奴で、私は仮初の満足を得ましょう」


「く、くっそぉ!!誰が!!なんで!このぉ! 俺はお前を越えてやるぞぉ!!」


 好きな女の子に、なんかそんな風に感じで言われたら、そりゃこういう風になるのが男って生き物らしい、実体験で知れた貴重っぽい経験である。


「はいはい、わろすわろす、無理よ、絶対にね」


 事も無げにバッサリ切り捨てられる、日本刀で切られたような、精神的な痛みが駆け抜けて、またもその場で立ち眩んで倒れそうになる、そんな己の身を支える事に全力を集中しないと、もうどうにもならない状態にさせられる。


「くっくそぉ!このやろうがぁ!人をどこまでも馬鹿にしやがってぇ!!」


 怒りで手が出そうになる、そう言う感じに誘導されているのだ彼女に、だから俺もどこか半ば俺の所為じゃない気がして、なんか普通に彼女に掴みかかっていた。


「なに? これ? 貴方、自分がやっている事を理解してるの?」


「ああ、理解してるぜ、胸糞悪いクソ女を、一発程度はたいたところで、どれほどの罪になるよ?」


「うん、まあ、いいんじゃないの? 一回くらい叩いてみれば? 何かが変わるかもしれないわよ?」


 俺は、その場で後ろに倒れた、もう何も考えずに、なにも考えられずにだ。

 ここで叩きでもしたら、俺が終ってしまう気がしたのだ、そういう禁忌を犯す一歩手前だったのだ、ある種修羅場を越えた心地だ。

 本当に大事なモノを自ら傷つけたら、もう戻れない気がした、自分の大事なものに自ら泥を塗る、そんな倒錯を一度犯したら最後、絶対の聖域を二度と同じように見れなくなってしまう気がして。


「馬鹿で矮小で、その上小心者、ホント駄目駄目、優しすぎよ貴方、それこそ無限に、まあそれだけ私に価値? それとも妹さんかな? 貴方の価値を補完してるんだろうけど、それでも凄く魅力的に見えるわその価値は、大事にした方がいいんじゃない? それなりに綺麗に見えるし、心地良いわ、それ」


 何言ってるのか分からない、精神に負荷が掛かりすぎて自動回復中なのだ、すこし黙っていてくれってんだぁ。


「ほらほら、なに俯いてるの? こっち向きなさいよ」


 俺の顎を掴み顔を強制的に持ち上げる、すると聖女のように美しい金髪碧眼の、誰よりも美しく、そして強い、そんな生命の輝きの極地を進み続ける存在がいた、もう自分と比較するのも忘れて見惚れた。


「なに? わたしがそんなに綺麗? だったら、これからも日々、わたしの為に生きるわね? 全力で、誰よりも真剣に、己の全存在を捧げなさい100%ね」


 その瞬間だけは紛れもなく100%、彼女のバックグラウンドの思考まで、全て俺に集中されていた、そんな大きな感覚と、何よりも強大なモノに意識を向けられた、そんなインパクトがあった。


「ああ、お前の為に、できる限りするよ」


「よろしい、私だけの為に生きるわね?」


 でもそこで、流されかけた思考にノイズ、俺の中を占有するのは、彼女だけではないのだ。


「できる限り、お前の、シャルの為に生きるじゃ駄目か?」


「はあ、まあ別にそれでもいいけどね、貴方、妹さんにも強く生きろって、同じように言われてるでしょうね? こんな感じで、そうしないとあんまりこれ、意味ないんだけど」


 彼女が歯痒そうに言う、妹? かよには日々太陽のような圧力とともに存在感を常に圧倒的なまでに自覚させられているので、多分こういう感じに機能していると思うのだが。


「で? これで終わりか、なんだ大した事ないな、お前も思っていたほどじゃない」


 なんてクール気取って言ってみた、ずっとやり込めれていて、フラストレイションが暴発したに等しい、彼女を懲らしめてやりたいと、心底思った、こういう風に喧嘩できるのは、多分彼女も嬉しいんだと思うから。


「なによ? 貴方、私が全力出したら、その瞬間に消し飛ぶよう存在規模って分かって言ってるの?」


「ファンタジーな言葉だなそれ、なんとなくだが、なに? 全力出してみれば? 多分消し飛ばないと思うから」


「そう、なら」


 そこで彼女が歌いだした、その瞬間に涙腺崩壊、シャルに土下座して、彼女を信仰する信者になっていた。

 歌っている彼女は誰よりも美しく、全てを捧げたい神様だった、俺の中で畏敬し崇拝する、そんな絶対者にそのときはなっていたのだ。


 歌は一曲で終った、だが俺の胸の熱も高鳴りも収まらず、さっきからずっと胸がドキドキして、体中が熱くて熱くて、どうしようもない感動の熱が体内を駆け巡り暴れている。

 本当に、掛け値なしで彼女は素晴らしい凄い、どうしてこんな事が平気に出来てしまうのか、愛おしくて可愛くて何をしてもあげたくなってしまう、そんな最高の美少女じゃないだろうかぁ!!


「どう? もっと好きになったでしょう? まあもう好感度は上がらない領域かな? 貴方って愛する許容量もまだまだ少ないし、だからもっと高次元な存在に引き上げてあげるつもりだったのにね」


「いやいや、俺はシャルが好きだよ!!愛してますぅ!」


「はぁ、薄っぺらい言葉、貴方って言葉だけのペテン師よ、本当中身の無い人ってわたし興味も無いし、むしろ嫌いなレベルなんだけど?」


 冷たい視線とともに、何か侮蔑の念を感じて、凄く悲しくなった、捨てられた子犬みたいに、心が寂しさと切なさと悲しさ、ありとあらゆる負の感情で一斉に溢れかえり、その場でシクシク大粒の涙を大量に零しながら、嗚咽を堪えて泣き続けてしまう。


「はーぁ、ほんと、面倒臭い上に、なにかと手の掛かる人、ほんと嫌になるわ、駄目な人間ってホント面白みに掛ける」


 彼女が俺の傍まで近づいて来るのが意識の端で分かった。

 そして耳元で一言「愛してるわよ? だから元気出してぇ」

 そんなただそれだけ、それで気力も何もかも、精神不安定も全て直り全回復、正常な状態に戻り涙も止まる。


「このクソ女、馬鹿、ホント最悪の権化だなぁ、おれをこんな滅茶苦茶にしやがってぇ」


「でも、好きなんでしょう? 憎悪によって更に愛が増す、そういう感情のシステムなんでしょ? ホントダサい、憎い相手は憎み続けるよりも、愛するほうが気持ち良くて楽だから、そんな方向に簡単に転ぶ、ほらほら、もっと本気で私を恨んでみなさいよぉ」


 うりうりと、何か馬鹿にするように頭を押さえつけて、圧迫するように腕を押し付けてくる、なんか超ムカつくだけの人。


「やめろぉこのぉ! お前なんて嫌いなんだからぁ」


「そう、私も貴方の事は、本当は嫌いよ」


 そんななんでもない一言で、さっきの状態の二歩手前に追い詰められてしまう俺。

 彼女に愛されたくて、少しでも好かれる為に、それこそ何でもしたいと心の底から思ってしまう俺がいた。


「ふっふ、本当に貴方を弄ぶのって面白い、こんな一言で感情爆発させて、涙目で私を縋るように見る、可愛いわ、ほれよしよし、貴方の大好きな愛しの人ですよ」


 あやすように、何か頭をくすぐったい感じで撫で回してくる。

 いつもなら振り払うが、それが本当に心の奥底の欲望から満たされて、嬉しくて嬉しくて、もうどうしようもなくて、何も抵抗ができず陥落させられるように成すがままにされる。


「や、やめてくれシャル、これ以上は情けなくて、自分が許せなくなる」


「それでいいじゃない、好きな女にこういう事されて、死ぬほど喜んでしまう自分、死ぬほど自覚しなさい、その悔しさや、絶対に認められない気持ち、許せないって感情、それが貴方をより強くするかもしれない、早くすこしでも登ってきなさいよ、ほらほら」


 更にふざけた態度を、仕草と言動織り交ぜて続けてくる。

 はぁ、と、何か恍惚としたアレで満たされて、すこし冷静になれてきた。

 てかね、コイツってかよの半分程度、いや場合によってはそれ以上で以下の、代替可能ポケモンだろ。


 とか、意味分からないカオス思考を全力で展開、かよを心の底から思い、想い、感情の主導権を握る、そんな感覚を得た瞬間、全てが手中に収まった、今このとき、世界の中心は少なからず俺にあった。


「はぁっまったく、本当に傲慢で嫌味な女だぜぇ、おまえは」


「へえぇ、本当に平気になるんだ、面白いわねぇ、貴方って、だからなんかやめられないしほっとけないんだわ、きっと」


「おい言葉に気をつけろよ、おいおい、改めて考えてみろ、お前って俺に捨てられた終わりな、そんな人生の寄生虫ポケモンだろがぁ?」


「はぁ? ポケモン? まあそうでしょうよ、それが何か? 貴方の存在の低小さが覆るとでも? そうよ、私は貴方が大好き、それは否定しない、だからなに? それが? 私が貴方に劣ったり負けたりする理由になるの? てかね、こういう言い合いは決着も付かないし、お互いも絶対に認めない類だから、あんま無駄に言い合いたく無いんだけど」


「おいおい、途端に言い訳モードか? はっはん、負けるのが怖いんだろ? お前?」


「はーあ、下らない言葉遊びのつもり? 面白くないんだけど? 他でやってくれないかしら?」


 心底ツマラナそうに、そっぽ向く仕草をするが、これは効いてる、チャンスとばかりに彼女を泣かせに掛かる、ああ、それが最終てか中途目的ね、究極的には失禁でもさせてやりたいのだ。


「おいこら、こっち向けよ、お前なんてクール気取ったところで、中身腹黒でそんなキャラ立たないんだからよ」


「うるさいわよ、貴方、そういう変なテンションで言葉を投げつけてれば、すこしばかりでも私が面白いと思うとでも、何か変な勘違いでもしてるようだけど、ハッキリと言わせて貰います、現状は何少しも面白くありません」


 キッパリと、なんだかお姉ちゃんのような風情で言ってくる。


「なんだよ、お前はお姉ちゃんってキャラかよ、そうじゃないだろ? 俺に媚びへつらって、いつも顔色伺う妹キャラだろうが? もっとあざとい声でも出してみろよ、そうしたらもうちと可愛がってやる」


「いやよ、だいたい貴方なんて、普段から見てれば分かるけど、妹を姉のように慕う弟君じゃないの、変に兄気取りしても、内心は妹に一歩も二歩も後ろに常にいる、そんな尻にもしかれない駄目男の癖に、一著前にわたしに言葉を掛けないでくれるかしら?」


「ほお、ホント、想像力の働く頭だな、知らない奴が聞いたら、本当にリアルに俺が妹にそんな風にしてる、そういう情景が想像力豊かに想像されてしまうな面白い、だが面白いだけで荒唐無稽なんだよ、お前って知ってるか? 狼少女なんだぜ?」


「あのね、なに弱気になってるの? はやく私を泣かせなさいよ」


「は? えっと、どうやったら泣いてくれます?」


「さあ、酷い事でも言われたら、私は泣くんじゃないの?」


「えっと、お前の事なんて嫌いです」


「ふーん、それで? くっそ弱気ね、ホントどうしようもないほど、感情が枯渇しているクズ、無感情に生きてるから、こういう場面でも感情が湧いてこないのよ、出直してきなさいよ」


「うるさい口だな、塞いでやろうか?」


「やるものなら、やってみれば、来なさいよ」


「やだよ、お前のなんてこっちからお断り」


「はあ、やせ我慢しちゃって、据え膳食わぬはなんたらって奴ね」


「お前こそ、俺に対して一線越えた何か、しない癖に」


「まあね、貴方がやりたいって事を、決してやらせないってのが私の生き甲斐だから」


「本当に歪んだ生き甲斐だな、お前の存在を端的に表してるよ」


「でしょうね、歪んでるってのはわたしにとっては褒め言葉なんだけど、昔から何べんも何べんも言ったつもりになっていたけど、忘れてたの?」


「ああそうだったろうよ、お前と昔からエンドレスでこんな風に話して、積み重なっちまった歴史や腐れ縁で、幾たびもそんな話題は繰り返したからな、某配信者みたいに同じ話題がもう何十回もループしているって奴だ、そしてこういうループしたって話もループして、それを指摘する今の流れすらやり過ぎてるくらいだぜ」


「懐かしいわね、昔の貴方は私という存在に、もっともっと全力で貪欲にアッタクしていたのに」


「おいおい、なに歴史を改竄してんだ、俺にいつそんな時があったよ」


「まあしらばっくれても、すっ呆けてくれても、わたしは別にいいけどね、私と貴方だけのそれらに嘘付いて何か意味があれば別だけど」


「このカスぅ!!上から目線でいつもいつもぉ!!どうして同じ目線で肩を並べてくれないんだよぉ!!」


「はぁ、結局はいつものそれ、そんな偽りをしてどうするの? 現に貴方は私よりも大分格下の存在、そんな風に歪に接するよりかは、正直に今の貴方と私の関係性が最良最善、貴方も気づいてるでしょうに、己の不甲斐なさとかそういうの、私の所為とかにしてぶつけるの、やめてくれない?」


「ホント、どうしようもなく苛立つ、俺を怒らせる天才だなぁ!おまえはぁ!」


「でしょうよ、貴方如き怒らせるのわけないもの、ほらもっと頭の血管ビキビキさせてあげましょうかぁ?」


「ふざけんなよ、もう何もかも面白くないんだぁ!なにが地獄の特訓だ!地獄の舌戦じゃないかぁ!!しかも一方的に俺が威圧されるだけの!」


 そうだ、このシャル相手に、俺が舌戦で一時でも精神的優位に立てることはありえない。

 目の前の圧倒的存在感の前では、いくら言葉で、その会話の流れとかで優位になったつもりでも、現実はなにも変わらない、圧倒的な彼女に常にワンサイドゲームで追い詰められて、ビクビクしてる俺が常にいるのだから。


「ホント可愛い人、小動物みたいね、小さい穴に潜るのは得意?」


「ふざけた話題展開するなこのぉ!」


「じゃあ、貴方が喜びそうなエロい話は? 下ネタ方面だったらいいのかしら?」


「ああそうだな、俺がお前をビチョビチョにしてヤンよ!」


「わたし、今下着はいてないの」


 その一言で俺はローアングルになってしまう、彼女のスカートの下が、なんとか覗けないか、鼻息も呼吸も荒くして必死である。


「うわ、気持ち悪い」


「なんだよ、ネタだろネタ、なに本気にしてんだか」


 もちろんそうな筈はない、本当に全力で必死で覗きたかった、死ぬほど見たかったのに、何にも見えなかったで終った。


「ほら? つぎは貴方のターン、わたしが興奮してどうにもならなくなる、そんな話しをどうぞ」


「んなもんあるかよ、、、俺実はいま下着はいてない」


「きたな」


「おいこらぁ!お前が話し振ったんだろうが!振りでもいいから何かやれやぁ!」



 プリプリ怒ると、なぜか彼女は普通に嬉々として笑った、なにか彼女の笑点、笑いのツボにでも入ったか、純粋でどこまでも可憐で可愛い表情。


 おお、そうか、これだよ、彼女との会話で、何か楽器を響かせるように、最大限の娯楽を生み出そう、彼女の方の協力は万全だ。

 なにかトークの神様って番組の、そういうテレビでの奥義を忘れていた、そういうのをテーマにした番組なのだ。


 パズルゲームのように、最大限頭を働かせて、俺か彼女、できれば両方の笑いのツボを突くような。

 最悪俺だけでも良い、そうすれば段々テンションとかも上がってボルテージの上がったコンディションで、彼女の笑いも誘いやすくなったりとか色々するだろうしなぁ!


 この二人の会話で、無限大の複雑性と組合せ性を最適化し、その他展開行使できる、自分の考えれる範囲内の最高のネタを探すんだ!

 思考し想起し、何か有益な情報がないか? 検索し精査する、頭のネタ帳に該当案件が複数、これで暫定は妥協し話しを切り出す。


 そのような会話的思考的、戦略・戦術シミュレーションをいくつも再現再生、だが、どれも玉砕しそうな感じだ、もういい、変に頭を使って疲れた。


「おいシャル、俺の頭撫でてくれ、頼む」


「いや。きたないし」


「いや汚くない、毎日シャンプーしてて、もしかしたらいい匂いがするやもしれない」


「むり、生理的に受け付けないから」


「おいまて、お前俺のこと好きじゃなかったのかよ」


「好き、でも無理、生理的に受け付けないけど、無理して好きになってるだけだから」


「意味わからねえよ、頼むよ、無駄に頭使って、さらにその徒労に疲れたんだ、お前に頭撫でられたら、一瞬で回復するんだって!頼むよ」


「馬鹿、その失敗をしっかりと後悔する為にも、苦しみなさい、楽な道に逃げようとしてんじゃないわよ、この軟弱モノ」


「この!人でなし!ばかぁ!」


「餓鬼ね、どうしようもない、まったくどうして貴方ってこんな詰まらないの、駄目駄目よ、飽きてきたし、もっと私を真に楽しませない」


 さっき頭を使って疲れたのに、更に使いたくなってきた、疲れるのが気持ちよくなってきたのだ、なんかいい兆候っぽいので続ける。


 まず、彼女が望むのは第一に、無限大の娯楽だ。

 なぜなら、彼女に絶対必須で必要なのがそれだからだ、彼女は常にそういう世界で生きているのだ。

 常時、常在戦場、ありとあらゆる想像力を働かせて、常に最大限必死に真剣に本気を無限大に出したくなるような、そんな情報を想像し続ける、真の創造位階の超人物で超存在だ。


 だから、俺も同じような精神状態にならなければいけない。

 たった一度の有限大の生命において、彼女の真の望み、欲するモノを最大限叶えてあげたい、それは偽りのない絶対にして無限の渇望だ。

 だから俺も彼女のように、様々な極限の状況や世界や存在に成り切って、自分自身からそのような100%リアルな現実味現実性や臨場感や迫真等々のある、生の人間の生き様等々から発信創造等々する全情報、他ならない自分自身から全て感じ自給自足し、それによって最大限彼女と同次元に近づき、できるだけ彼女を満足させてみよう。


「おい、シャル、俺に、何か僅かばかりでもできる事はないかなぁ?」


「は? ないでしょ、常識的に考えなさい、この使えないボンクラちゃん、たんでもいいわね」


「お前なんて、良く考えたらどうでもよかったな、消えろや」


「貴方こそ、というよりも、存在の価値的に考えて、貴方の方がランクが下なのに何言ってるの? てか罵倒しあうのも楽しいけど、もうすこし建設的な会話しない? 時を無駄にしてる気がするのよ」


「無駄をかみ締めろよ? いつも俺にお前が無駄な事を仕掛けてくるたびに言ってるだろうが、責任を俺に押し付けてんじゃねぇーぞこらごらぁ」


「ああ、こわぁ、建設的な話しをしない、そんな粗暴で乱暴、野蛮人には理知的な会話は無理みたい」


「うるさいんだよ、お前、もっと何か有益な事を話せないのかよ、中身が空っぽなんだよ」


「貴方だって、似たり寄ったりの癖に、頭で思いついた、どうでもいい情報、口から次々発してるだけの癖に?」


「お前さっき言っていたけど、こういう相手を貶め続ける、そんなやり取りが本当に面白いのか? 頭苦しいな」


「は? もうホント駄作、使えない玩具、罵倒の仕合ってのがいいんでしょうがぁ、お互いの関係性において一番大事なのよ? これって? なんでか、お互いが相手よりも上に立とうと、すこしでも争う、そういう闘争って言うのは、お互いの繋がりを確かに強くするものだと思うの」


「はっくだらな、スピリチュアルなメンヘラ女が妄想し錯覚しそうな事だぜ、お前がただそう思いたい、そういう感じがなんとなくする、そういう錯覚の連鎖から生まれた、幻想思考だろうが、このメンヘラメルヘン」


「なんて酷い罵詈雑言、とてもじゃないけど可愛い女の子に向ける言葉とは思えないわね、もっと自重すれば?」


「やだね、さっき俺にした仕打ち忘れたのかよ」


「もう忘れたわよそんなこと、貴方だってそんな根に持つタイプじゃないでしょう? なんて言い掛りよ」


「てか、本当にこの会話に意味なんてあるのかよ、詰まらない女と長々意味無く話して、マジで人生を浪費してるぜ」


「馬鹿ね、馬鹿の極地、こうやって話す事によって、全力でやってる限りにおいては、思考の高速化、様々な知識の復習等々、凄まじい、とまでは流石に言わない、でもそう思うことには意味が在るから、ここは敢えて凄まじいという形容をもちいるわ、そう、凄まじい脳に対する効用、様々色々な性能アップが期待できるの、貴方だって感じ入るはずよ? なんだか脳が活性化して回るようになってきて、回転率上がってきたでしょう? キレてきたんじゃないの?」


「ほんとうかよ、自覚症状無いんだけど? こういう会話によって脳に与える影響ね、言葉がポンポン出てくるようになれば、それだけ娯楽の情報を創造する能力が向上したといえるかもしれねーがな、でもお前と低廉な語彙を用いて、低レベルな餓鬼同士の馴れ合い会話じゃ、どうしても意味が薄れるだろ、そういうのの」


「馬鹿ね、たとえ100歩譲ってそうだったとしましょう、だけどね、違うのよ、貴方と私が、こうやって話すことに娯楽を感じて、つまり話し続けている以上、この私達の会話は貴方にとって、あなた自身の中で相対的に高次元上位の情報なの、つまり得られるものを無限に近く見出せる、そんな会話なの、同レベル程度の人間同士が全力で真剣に必死に、何よりも限界を突き詰めて話す以上、その知的空間領域から創造される情報には絶対に価値が生まれる、人間の脳の働き自体に価値があり、それを観測する人間もまた、同様の価値を有する存在として価値を見出せるし共有もできるってわけよ」


「はぁ、そういう小難しい話しを有り難がって、娯楽とする時代はもう中坊の時代にとっくに過ぎたんだがね、まあ話したいなら勝手に話せよって感じだけどな」


「ええ、じゃあ私の気の済むまま、気持ちよさがマックスに成るまで話しますわね」


「そのワザとっぽい女言葉、やめろよな、気持ち悪い」


「そういう言葉の揚げ足取り、ムカつくからやめなさい」


「それで、いつまで話し続けるつもりだ、飽きてきたんだが」


「そうやって話しを続けているうちは、飽きてない証拠よ、本当に飽きたなら、貴方は本気で話しを閉めにかかるはず」


「もう既に話しを閉めようと、今まさにしてたんだよ、てかこれ、なんだかスカイプでもして、切るか切らないか、変な駆け引きしてるときに似てきたぞ、つまりそれくらい不毛で、ちょっとお前との会話で起きにくいくらい、意味がなくなってるって自覚してんのか?」


「あら? 私を過大評価してるわね、この程度の不毛、毎度貴方との間では起こってるわよ、でも不毛も悪くないわよ、そういう不毛の大地にお互いを共存させる、そういう経験は特に大きな無駄にならない、絶望の中を共に進む、存在するようなモノ、そういう黄昏だって、私達にとっては大きな娯楽にできるのでしょう? 本当に希望に満ち溢れた生命だわ人間って」


「はーあ、また聞きたくもない人間論だよ、お前って本とか読みすぎて、頭の中の知識を放出しないといられないのか?」


「それはあるわね、折角インプットしたのだから、アウトプットしないと勿体無い、そういう感情が働くのよきっと、嫌だった?」


「ああもちろんだね、お前の詰まらないそう言う会話、聞かされる方の身にもなれ」


「ねえ、そのツッケンドンな態度やめてくれない? 普段女の子にそういう態度取れないからって、ここぞばかりに発散して、何か心のバランスを取ろうと必死、見ていてホント可愛そうで居た堪れないわよ」


「じゃーもっと猫なで声で甘えろってか? やだよ、お前だって気持ち悪いだろ?」


「あと、その、途中からお前って言い出したのはなんなの? シャルシャルって呼んでよ、それだけでちょっと、嬉しいだからさ」


「やだね、一々名前で呼ぶのって、なんだか甘えた感じがあるの、俺はこういう話のモードになったらお前って言わせてもらうよ」


「なによその乱暴な言い方やな感じ、私はちゃんと”貴方”って呼んであげてるのに」


「まあ男尊女卑ってことで、俺が尊ばれるのは当然だな」


「あーぁ、ムカつく、この人どうにかしてやりたくなってくるくらい腹立つわね、虫唾が走る」


「ざまあねぇな、わろけるよ、ほら、悔しかったら何か言って来いよ」


「やよ、そんな易い挑発に乗るような、そんな安い女じゃないの、下らない話しは止してくれない? 何か面白い事話なさい」


「だからそういうネタ振りはやめろよ、なにも話せなくなる、芸人殺しかよ」


「自分の能力の無さを、そういう所為にしないの、単純に面白い事を話せない、そういう面白く無い奴何でしょうよ、認めなさいよ」


「このクズが、グズ!ならお前が何か言ってみろよぉ!」


「いやよ、頭働かせるの面倒臭い、面白い事ってストレスが頭に集中するくらい、大きく思考を働かせるの、芸人ってホント尊敬しちゃうわよね」


「ああ、なんだ? 芸人は仕事でやってるんだから、毎日あれだけやってれば対して頭使わなくても、普通にノーストレスでやってれそうだが?」


「甘いわね、貴方も一度芸人になれば分かるわ」


「お前はなったんかいな」


「なるわけないでしょ、貴方がなりなさいよ、ちょっと面白そうだし、コンビでも組んでみる?」


「ばか、俺は堅実な人生を歩むって決めてるんだ」


「ねえ、辛くなってきた?」


「ああ、ちょっとな、でもこれを限界までやるんだろ、意味あるのかね?」


「ある、気がする、なくても、失敗した経験は大きい、この行動に可能性がない、それを感じれただけでも次回の失敗確率を下げ、更にこれに意味がないと確信することによる、絶望、それらマイナスの娯楽情報、割と得るモノ多いと確信、更にこの思考活動によって、客観的に物事を見れている充実感とか快感、それら不確定発生するプラス要素、十分にやり続ける見込みもある、理性的なこのような判断能力も随時上げたり、様々な諸要素的に復習もできる、真の限界と呼べる領域まで続けましょう、何か物凄いモノが、真理や悟りとか、そういったモノが得られるかもしれない、なくても最終的な生産物としての全娯楽性全情報質量強度総量等々が最大単位になる、そのような活動かもしれない、それを脳内に記録、インプットして後々まで、よい感じの思い出記録、修羅場や、辛い時に励みになる特訓の日々の記録

その他、こういう事を乗り越えてきた、そう言う自分自身に対する自身や確信、成功経験の多段階的積み重ね、それと同様の段階的目的目標等々の達成の一貫にもなるかもしれないわ、さあ、続けるのよ、死ぬまでね、いや死んじゃ駄目ね、その何歩か手前、全人生を通して費用対投資効果効率の限界になるまるでやりましょう」


「おおともさ、それで、思ったんだが、寝ないと精神病にガチでなり易いって知ってたか、最近知り合いで三日大して寝ずに遊びまくってた奴が、昼間パニックを起こして地面にぶっ倒れたんだが」


「当たり前でしょう、人間寝ずにやっていけないわ、それにその、三日遊びほうけたって時点で相当馬鹿なんでしょ? その人、だったら絶対にストレス耐性も低いわ、睡眠不足ってストレスに耐えるには無限にストレス耐性力が必要、ストレス耐性力ってのは個人が所持する娯楽的情報の総量に比例するから、多分耐え切れなかったんでしょう? 耐えられないストレスは加速度的に害を及ぼし始める、だから脳の方が先に拒絶反応を示しだした、そういう事よ」


「シャル、頭痛くなってきたよ、励まして、君に励ましてもらえれば、辛くても頑張れる気がする」


「そうでしょうよ、貴方って、率直に言ってわたしのファンでしょ、さっきも言った気がするけど、辛い時に、本当にわたしに何度も何度も泣きべそ掻きながら助けてもらったものね、それを何度も繰り返して、貴方の私に対する好感度や愛着、執着はもう相当なもの、直接励まされた時の効果は結構なものだもんね、ほら、頑張りなさい、はあ、こんな一言で滾るって単純でちょろいって思われるわよ、貴方? そしてそんな自分が誇らしいと嬉しいとか、典型的なソレって思われてもしかたないわよ?」


「いいさいいさ、好きな奴を素直に好きって言えなくなる方が嫌だもんね、そしてありがとう、なんかやっぱり、どんな時でもお前は、なにかしらの方法で絶対に俺を支えてくれるみたいだ、いつも感謝してるし、とても期待して夢や理想を見させてもらっているよ、ありがとう」


「は、なに、生々しい事言ってるの? きもちわる、くはないか、まあいいでしょう、リアリティのある迫真の、なんか嘘くさくないノンフィクションの言葉ありがとう、そうね、私も少なからず、貴方からそういうのもらってるわよ、どうもね」


「感謝が適当な奴だなお前は、もう、てか、何話せばいいか分からなくなってきたよ?」


「はー馬鹿、まだ言葉が出てきてるのに、話すことがなくなったとか、言える口じゃないわよそれ、話す事がなくなったってのは、わたしの真の意味で定義するところで、言葉が出てこない! そういう時に言うものなの! 胸に刻みなさい」


「なんだ、ただの飛躍した理論って言うか、ただの俺様ルールみたいなもんじゃねーか」


「そ・れ・に、話す事がなくなってからが本番、まずはネタを全て出さなくちゃ、本気の必死のトークとかできない、伝説の貴方も私も好きな配信者さんも、雑談の時言っていたでしょう? しりとりや安価雑談するレベルになってからが真の地獄、特訓に移行できると心得なさい、新たな世界、そういう難易度の高い領域に行ける事を、トラネコの試練の高階層での楽しみのように悟り続けなさい、真に最大限本気に真剣に全力で、抜き身の刀での勝負のように命を賭けるには、そういう真に全力でも容易ではない事態に実際に現実で直面しなくてはいけないの、これも最大限悟り続けなさい、舞台上の登場人物は常にレベルを駆け上り続けても居る、つまりみんながみんな全力なの、競争に負けたり、更には相対的なレベルにおいて置いていかれたくなかったら、常に全力100%で生きるの、貴方は決して特別じゃないの、私のように別格ならともかくね、圧倒的な存在じゃ、少なくとも貴方はないんだから、私という存在と比較でも最大限して、最大限の劣等感とかコンプレックスの塊にでもなって、熱情を最大限狂気的に滾らせて精神的に異常活性化を繰り返して強化向上をできるだけ限界までやるの! いいわね!」


 あわわあわ、やばいぞ、こんな事、口頭で言われたら混乱の魔法である。


「ああ、そうだな、うん、心得るよ」


「ヤケに素直ね、もっと反発があると思ったのに、貴方いつの間にか低反発になったのね、居心地がいいわ、もっと丸くなりなさいね」


「うん、そうさせてもらう、尖ってると疲れるよ」


「そう、貴方は疲れてテンションダウンしてるくらいが丁度いい、ハイだと、正直な話ウザイし」


 さっきとは形勢逆転、定期的にこれを繰り返す事で実際のところだれなくて済んでいるのだが、俺が下になる展開である。


「なんだよ酷いな、俺がウザイのはいつものことだろ?」


「ええ、だけどね、余計ウザイの、それを言ってるの」


「もう、ひでーな、それで限界までこう言う事続けることのメリット教えてくれ、さっきからずっと頭の方が痛いんだ」


「そうね、まず、やっぱり自分自身がそういう状態だから、限界で喘ぐ、そういう人間の精神状態を実体験する事によって、大きなモノを得られのよ、人間は自分の体験した事以上の感情は感じれないの、だから、沢山の苦しんでる人にできるだけ最大限感情移入するためにも、そしてそれを糧にする為にも、こういう辛い経験は沢山しなくちゃいけないの、だって苦しんでる人は山ほどいる、現実じゃなくても想像の世界も同じじゃないけど、同じ効果がある、貴方の大事な人を、辛くて苦しんでる人を助けるには、どうするのが最大限正しいの? 貴方はその正しさに背けるほど強くもなければ優しくない人でもない、だからやるんでしょ? こう言う事を」


「うん、ここで話してることも、のちのちフルリメイクして、別の場面で役立ちそうだしな、そういう意味でもいい感じだと思うぜ、まじでな」


「役立つの、リアルタイムでメリットを感じれなかったら、とてもじゃないけど地獄は耐えられない、自分が弱い存在、この前提を決して忘れるんじゃないわよ、それを前提として計算に含めて、絶対に最善最良を尽くす為の方法を演算しなさい、自分を傲慢に強いと、そういう存在と間違った誇大な感じで計算に含めれば、様々な演算や計画とかいろいろ狂うんだからね、しっかりとした人生設計や日々の様々勝負に打ち勝つ為にも、最大限謙虚に、それでも不屈の精神、ある意味傲慢と紙一重のそれを最適に持ち続けるの」


「ああ、わかってるよ、あとちょっと、無言になってもいいかな? 疲れてきたよ、喉とか含めて」


「駄目、手を抜く事になるわよそれ、だらだらと時間を掛けるよりも100%の全力で短時間の方がいいのよ? もちろん長時間戦で集中力とかその他を磨くのもいいけど、この場合の無言はただ無駄にだらだらするだけでメリット最大化には反する、だから無理でも何か言葉を発し続けなさいな、それがプラスの積み重ねにも、恐らく合致するんだから」


「へいへい、わかったよ、喋り続けるのが取りあえず最善なんだろ、俺の声が聞きたいとか、そんなフェチズムなんだろうけど、素直に言ってくれや」


「くだらな、ホント下らない、それは貴方でしょう? この萌え豚ぁ、やっぱり貴方って調教が必要な豚風情なのかしら? 叩きなおされたい? ポンコツなところ全部?」


「なんだよ、お前だって似たような人種の癖に、気持ち悪い男の声動画でハスハスしてるの、実は前目撃したんだぞ」


「ああ、大変だわ、貴方を殴って記憶喪失させる必要が出てきたかもしれない、あるいはお亡くなりにならせる必要が、、、」


「おい、ちょっと落ち着けな馬鹿が、はやまんなよドクズ」


「貴方が落ち着きなさいよ、こんなの嘘で冗談、別にかまやしないわ、それくらい知られて今さらって中でしょうがわたしと貴方は」


「ふん、ほんと吹っ切れると、傍から見てて清清しい奴だな、いつもそれくらいドロドロしてない澄んだ奴だといいんだが」


「なによそれ、そんな面白みに掛ける女、貴方の好みのストライク度中ではないでしょうよ、こういう私が、貴方の最高の好みなんでしょう?」


「は、ちがうつーの、ただ好きになったから、好みが自動的にお前に変わった、ピントが変わらされたようなもんなんだ、もともとからお前のような奴が好きって、頭いかれてんだろ」


「うえ、そこまで言う? 酷いわ、極悪非道ね」


「あー、ついにお前の日本語も可笑しく、はなっちゃいねーが、幼稚にだんだんなってきた気がするな」


「っつ!!調子に乗って!!うるさいわよ!私は貴方のような変態でダメンズに批判とかされるのが一番嫌いなの!もう!!」


「まあそうやって、怒らせてすこしでも覚醒させようって魂胆なんだがな」


「ふん、知ってるわよ、貴方って、割とそういう頭の回転はできるみたいだし、偶に私が喜ぶことにも律儀に気づいてくれたりするし」


「だろうがよ、だろうがだろうが、もっと感謝しやがれってんだ」


「もっとキャラをブレさせれば? 赤ちゃんみたいな言葉遣いに突然なって、頭可笑しくなってみてよ」


「馬鹿が、俺は一つの絶対的な人格によって操られてんだ! そんなブレたこと、出来るわけないだろ! お前だってそうだ、何かとブレてるように見えて一貫してる、それは背後に絶対の唯一無二の人格がいて、四六時中無意識にも、黄金比の整合性と一貫性とかで自らを知らず知らずのうちに影響力を複雑に与えて命令して操作してるからなんだよ」


「はあ、意味分からない、もっと分かりやすく纏めてくれない」


「は? おまえ散々意味不明な長文的発言さっき半端なくしたくせに、俺が偶にそういうの話すとそれかよ、てかまた頭痛くなってきた、シャル頼む」


「いや、偶には自分でなんとしなさいって、こんな事いっても、貴方は私の内心の内心、心の底では心配している、そんな情報を目ざとくキャッチ、あるいは妄想したり想像を膨らませて、励ましたのと同じ効用があるのよね、ホント、どこまでも都合のいい脳みそしてるわ、食べちゃいたいくらいだわ」


「おいおい、怖いこと言うな言うな、てかシャルは大丈夫なのかよ」


「あ? 大丈夫に決まってるでしょ、だいたい私は最強キャラなの、強さは私が担当、貴方が弱さを担当、そんな役割分担も知らないの? 全ての弱さを貴方が引き受けてるお陰で、私は対極の存在として成立している様なモノ、だから強さを一手に全て引き受けた私が、貴方を励まし慈しみ優しくする、そして貴方の弱さゆえの全てのデメリットや弊害を補完し担保する、そういう構図って分かっているんでしょう?」


「ああまあな、お前が最強で、俺が最弱って感じか? まったく胸糞が悪くなりそうな話だぜ、そりゃ」


「そう? わたしにとっては凄く気分いいけど、四六時中見下させてもらってますぅ!あざぁーすぅ!♪」


「うっせえやい、黙ってろお前はぁ!」


「大きな声出さないで煩いから、突発性の難聴になってしまうわ」


「なるかよ、だいたいそれほど大きな声でもなかったろうがよ」


「いや大きかった、私が大きいと主観で判断したから、その判断が一番重要でしょ、騒音公害よ! それひーこっしひーっこし」


「そのネタは古いからやめろ、ってかなんかゲシュタルト崩壊してきたんだが、喋る感覚や思考、指先から足先までのそういう感覚、なんだか感覚の単位で因数分解して脳が処理を始めた」


「うん、それって疲れている証拠よ、文字だってね集中力が低下すると、脳が情報処理を早める楽にする為に、ゲシュタルト崩壊を引き起こして、全体って一度に全ての情報を処理するんじゃなくて、要素で一つずつ処理するようになるから、変に見えるの、まあ集中力が低い子供のときに多いってのでこういうのも予測できるでしょ、で? 貴方いまゲシュタルト崩壊中なの?」


「ああ、なんか色々な情報処理が要素的になってきた」


「うん、いい感じよ、そのまま限界まで突っ走って、私に変になったあなた、壊れた貴方を見せてよ、凄く楽しくて心躍る、胸アツの鑑賞物だと思うから、見せてよそんな貴方を」


「はあ、そんな期待されたら、やる気を出さずには居られないな、普段はそんな事思わないけど、余裕がなくなると、そんなチンケで陳腐、そういうモチベーションにも縋ってしまうらしい」


「まあ、まだまだ正直貴方は大丈夫なほうよ、本当に疲れたら手すら上がらなくなって、それで退社するのよ、あの伝説の配信者だって究極のブラック企業に居た頃は、そういうサバイバルをしてたって言っていたでしょう?」


「うん、そうだね、ああ辛い、けどなんか気持ちいし心地よい」


「貴方はM、それもドMなの、私に虐められて、それで期待されれば、どこまでも変態になれるの、さあ己をどこまでも自由に解き放ちなさい」


「おいおい、なんかいきなり洗脳パートに入るのやめて、怖いし、この洗脳されやすくなった疲労状態だと、本気で落ちそうだから」


「ふっふ、偶には本当に落として催眠状態にして、好き放題するのも”アリ”かもしれないわね」


「やめてけろぉー、てかマジで辛くなってきたよ?」


「それでいいの、この程度で辛くなる、そんな駄目な自分を無力で不甲斐ない、そういう自分を全力で精一杯、最大限感じるのよ、私と会話しながらだったら、その記憶効率や想起速度も、摂取等々の流れも良い感じでしょう? それが大きな糧とかになるの、それに周辺情報としても、ともに苦楽を共有する仲としても、連装想起的に思い出す記憶としても、私って最高でしょ」


「うん、そうかもね、何か甘いモノはここにあるか?」


「あるわよ、まあこれを食べてる間は休憩でもいいかもね、頭の中の現実も休憩して、なんとなくリアリティーを保てる気もするし、こういうやり方は確かにアリね、うんうん、そういうルールで行きましょう」


 彼女が引き出しから何かを取り出す、チョコレートの詰め合わせのようなもの。


「ほら、好きなだけ食べてもいいわよ」


 二十個くらいのチョコ、どれも別々の形をしている、スイーツ大好きな俺大喜びである、全部高級品っぽいし。


「おいこらシャル、お前日々こんな上等なもの食べてるのかよ」


「もちろん、それだけ社会に貢献しているし、実際重要な役職についてるし、当然でしょ、社会的に重要な存在には、それに見合った投資や設備投資をする、人間を機械に見立てれば当然でしょ、毎日スイーツわらわらで最高よ、ホント食べてる時って至福だわ」


「まったく、俺がカロリーメイトでうまうま言ってる間に、お前はこんな上手いモノを、憎らしいぜ」


 チョコを一個ほうばる、上手すぎだろコレ、異次元の味がした、そうだ異次元、これは何か、上位世界の食物な気がする、それくらいべら棒に上手すぎる、ベリーデリシャス。


「やば、かゆうま、おい! シャル! コレ超うまだぞ!!」


「でしょうね、だって一個千円くらいするものだモノ、まあまだまだ私の中じゃ安物のレベルだけどね、まあ貴方にとっては十二分に超高級品でしょう」


 なにか吹きそうになった、勿体無いから吹かないが、どんな世界だ、コレ一個千円? マジかよ、そしてこれがまだまだ序の口の品、金持ちの世界はやはり異次元過ぎる。


 というより、あたまのネジとか調子とか、大分緩々で自由な発想をするなら、てかできる様になった今なら、もっと何か調子に乗った自由自在なことも言える気がしてきた。


「おいコラシャルゥール、もっと高いスイーツ食わせろ!」


「素で酔ったテンションみたいになったわね、いつもの魔法の水で酔ってない分、本気でたちが悪いわ」


 そう言いながら、俺様のチョコを一個奪う、おいこらぁ!!


「なんで俺のチョコ食ってんだぁ!!かえせぇ!!そして口に含んだお前の唾液塗れのチョコごと俺にくれぇ!!!食べたいぞぉ!!シャルぅ!!」


「もう下品すぎ、萎えるからやめて色々と、常軌を逸しすぎると、流石に私も引いちゃうから」


「はあぁ?? なにくっそ猫被ってやがる! この悪魔が!てめぇーは黄金の魔女だろうがぁ! 引くとか嘯いてんじゃないぞぉ!」」


「うわ、メンド、何この人、お近づきになりたくないオーラがプンプンするんだけど」


「おらおら、さっさと更に高級のチョコ寄越せ、出し惜しみしたら許さないぞ」


「はぁ、調子の乗ったモードね、ちょっと待ちなさいよ」


 そう言って、シャルはそこら辺の棚を漁る「あれでもないこれでもない、これはまだまだ安い品ね、どこかに高い奴わーと」

 と何か沢山の引き出しに、それぞれお菓子が隠されているらしい、宝の山かよぉ! ここはぁ!!


「ああ、ごめんなさい、なかったわ」


「はあつかえんやつめぇ、てかこれから何すればいいんだ?」


「やっぱり無駄になるくらい、いいえ正確には無駄にはならない限界まで、人生というゲームをプレイする上で、有用な頭の使い方を復習とかして、より強固に、そして呼び出し速度高く、そして応用性やネットワークを最大限最適化して、様々な人生の状況に最適に対応して引き出せる、そういう風に様々なゲームプレイ技術力の実践力を上げていくべきだと思うの」


「まあそれがいいかな、人生なんてゲームの延長線上だ、絶対に飽きることも無いし、絶対に完全に詰まらなくなるなんて事もありえないと、無限大に確信できる、沢山の無限に近くあるゲーム達がそれを証明してるしな、この人生というゲームは無限大に下らなく詰まらなく完全な飽きに堕っしない、最小単位でも絶対に面白い楽しいと思い続けられる、この世に実際に存在しているゲーム達が俺にそれを常に、どんなときでも無限の確信と共に波動や圧倒的な存在感と共に教えてくれ続けるんだぜ」


「ふーう、ゲーム脳全開ね、素敵よ、そういう達観して悟りきったような考え方、あら?」


 俺はその場でクラクラしだした、うん? なんでだ? 酒でも飲んだような感覚。

 そして気づく、どうやらチョコレートにアルコールが仕込まれていたらしい、20個全部食ったから変に酔ったのかも、または彼女が薬でも仕込んだか。

 まあ無理するなって、遠まわしのシャルの配慮だったのかもしれない、そんな思考を後に俺は睡魔により眠りに落ちた。

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