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第4話 改心と前進と世界作成[後編]

今回あたり、前回までほど分かりづらい地の文はないとは思いますが、なにか思い当たる部分があればご報告願います!

第4話 改心と前進と世界作成[後編]




[世界作成]をクリックすることでディスプレイから溢れる、空洞を包む程の激しい光。

一種の閃光玉の光にも匹敵するであろうその光は次第に空気に分解され、空洞内は本来の明るさへと戻る。

先導者は自分の足元に何かがあるのを確認できた。

あの激しい発光の後である。

段々と目が慣れ足元の物体に目を落とす。

そこにあった、いたのは、ラグタナだった。

今の彼の状態は普通ではない。

気持ちが抑えられない中、震える手で世界作成を行なっていた。

そして、最終的には激しい発光。

流石に頭が、ショートしたのか彼は椅子に座ったまま真後ろに倒れ白目を向いていた。

それにもかかわらず、

「ハハッ、世界作成。、もう異世界と呼んでも…フフッ、……。」

と呟くラグタナに僕は気持ち悪さを感じるしかなかった。

だが、しまいには気を失い葬式並みの静けさに溶け込んでいく。

対する自分もようやく地下であるこの空洞の寒さを実感する。

この空洞に来てからは、八畳間にいた時よりも時間が10倍速になっていたのではないかと感じさせるほどトントン拍子な展開だった。それ故に寒さなど気にする余裕がなかったのた。

とりあえず、見た目イケメンのラグタナに一瞥くれてから仕方なく八畳間へと運び寝かせる。

畳の上で気持ち良さそうな顔で眠る彼は、かつての弱々しさを感じさせない。

彼の以前の姿は、彼への嫌がらせが生み出したものであるのかもしれない。

すると、本来この姿こそが普通なのだ。

好きなものに熱心で礼儀正しい、ただ抜けている部分はあるが頭は回る。

僕は安心した気持ちで、下の空洞へと向かう。

約50平方メートルの空間を見渡しながらこう思う。

この空間は彼が自分の意志で作られたものなのだろうか。

2次元というものに興味を持ったのは、篭るようになったからであり、篭るようになったのは嫌がらせを受けていたからではないのだろうか?

当の本人は未だ気を失っているが、嫌がらせの遠からず嫌がらせのおかげだと感づいていることだろう。

それは今後の彼の行動に注目してみよう。


パソコンがおかれたデスクへと移動し、椅子に座る。

ディスプレイには作成されたばかりの新たな世界の様子がリアルタイムで流れている。

僕にはわからない代物のようだ。

ようやく落ち着けた僕は今までの経緯を思い返すことにした。


僕の頭の上にモクモクが出現する。

回想シーンがモクモク内に映し出される。



ある日、僕はあの方に呼ばれた。

あの方のいる場所はいつも同じ。

当然だ。

あの方は僕たち先導者をまとめているお方、故に1番の権力者であるのだから。いつものようにあの方のいる「明暗の間」へと入る。

中は座敷になっており畳が敷かれている。

そのおく、天幕の向こうにあの方はいるのだ。そのせいで顔含めた全身を未だ見たことがない。


「ミルフェ、呼び出しに際し参上致しました。」


なんと、ここで先導者の名前が明らかに!?って自分で言うのも恥ずかしいでありますな。

それよりも今までの雰囲気を壊してしまったこと誠に申し訳ありません。

僕は、ミルフェと申します。

あの方や他の先導者たちがいるあの場所のことも今はまだ教えられません。

あと、今後僕のことはせんちゃんかミルフェで表すのでご注意くださいませ。



天幕の奥の人物はミルフェの来訪に気づいたのか、天幕が少し歪みあの方の人影がひっそりと浮かび上がる。

こちらを向いているようだ。


「ミルフェ、来たか。お主に頼みたいことがある。全神ファウセンからの頼みだ。

何でも下位神であるラグタナという者の観察を頼みたいらしい。

お主は面白いことにしか興味がないねのは知っていたので聞いておいた。ファウセンがいうには決して飽きることはないらしいぞ。期間は無期限。飯はつかんが、そのラグタナという神の仕事を手伝ってもいいそうだ。

悪い話ではないだろう。もちもん、お主に拒否はできぬがな。

ファウセンには、お主がここに来る前に依頼を受けると伝えておいた。

話は通してあるから、神界に行ってこい。では、さらばだ。」


ミルフェが何か言うまえに、あの方は自分の言いたいことだけいいミルフェを

「明暗の間」の外に転移させた。

回想シーン終わり




頭のモクモクが音も立てずに消える。

相変わらずのあの方の自己中ぶりを思い出しながら呆れるミルフェ。顔をデスクに突っ伏しながら思考を巡らせる。


面白いから問題ないですが、ラグタナくんの今の状態と世界作成をすることをまるで予想してたみたいな言い方だったでしたな。

それにしましても全神が普通下位神を気にかけるなどあり得りえないのとです。ラグタナくんには気にかけるほどの何があるんでしよう?

そろそろ、ラグタナくんを起こしに行きますか。


机から顔を上げ、行動に移そうとした時ミルフェの目にはデスクに置かれた写真たてに目が入る。

これは…?。その写真には、ラグタナが誰かと一緒に今の全神と3人で撮ったとされる写真が収められていた。


これは幼かった時のラグタナくんですか…。イケメンですな、…コホン(咳払い)。

次に、これが今の全神ファウセンですな。いや、若い。

今の僕ぐらいではないですかな。


それで、最後の1人は…、


ハハッ、ハハハハッ。


なるほど、この人は…。


流石、あの方が僕に頼むだけのことはありますな。これなら、もうラグタナくんに助力は必要ないですね。

陰ながら見守らせてもらいます。そうですね、書き置きだけでもして行きましょう。

あ、皆様読者の案内は続けさせてもらいます。ただし、登場人物視点がほとんどになっていくでしょう。

こういった登場人物としての僕は今後出番は少ないかもしれなので読者と心の距離が近くなっていましたのに、急激に離れてしまいそうですな。

ですが、いっときの別れもまた大きな成長の一旦。では、失敬。



ミルフェは机の上にあったメモ帳に走り書きし、身体化を解き気配化へと戻る。

そして、確かに存在したと言う余韻をメモ帳の筆跡に残しながら気配も空に消えていった。

それにしても、ミルフェは写真たての最後の1人をみて何を感づいたのだろう。ミルフェの何かを確信する顔。それは明らかに彼の望む面白い何かであることだけは確かなようだ。

しかし、全てが白日の下にされされるのは、少なくとも今ではないようだ。


____________________________



私は今、どこにいるのだろう。

そんな感慨深い疑問を自分に投げかけるほど今の自分はどうにかなってしまっているとさえ自覚できる。


私が目を覚ましたときはじめに見えたのは光だった。

はじめて感じる光の温かさ、あったかくて時間を忘れさせるようなそんな光だった。

嫌がらせを受け、空洞と言う名の殻に閉じこもっていた私を包み込んでくれたのもこの光だ。

奇妙な者の突然の来訪が、私を解放してくれた。その者はなぜか愛嬌があり個性が強く、どこか面白い。その心はどこまで深いかわからないが私に勇気をくれた。

目の焦点は合わずとも、その者の気配がこの空間から既にないことには気づいていた。恩人と呼ぶべき存在になった。あの者は、本当の意味で"神の使い"なのかもしれない。私はこれから頑張っていける。この胸にしみわたる光の温かさが続く限り…。



次第に目の焦点が合い、光源が八畳間天井の白電球のものだと気づく。痛む頭のこめかみを片手で抑えながら、上半身を起き上がらせる。

あの者がいないことは承知の上だが、とりあえず下の空洞へと向かう。

途中私が壊したはずの梯子の足もつぎはぎの後もなく直っていた。まさか夢だったのかと思うと、先ほどみたこたつの上には2つの湯呑みがあり変に懐かしく感じる。

パソコンをチェックするために座ろうとするとデスクの上にメモ帳の切れ端があることに気づいた。慣れない手つきで書いたのか、メモ帳にはこう書き記してあった。


「ラグクン、シゴトガンバッテクダサイネ。ボクノタスケハモウイラナイヨウデスカラ。デスガ、イツカキットアエマス。では、失敬。」


最後の言葉に違和感はあるが、メモ帳の言葉を読んでいたら、余計に懐かしく感じてしまう。(やはり、全神ファウセン様は私の状態を知っていて…。)

メモ帳の切れ端を綺麗にたたみ、デスクの中へとしまう。再びパソコンに向き直り、両手で頰を叩いて気合を入れると新世界の様子をディスプレイで眺めていた。

だが、顔は気持ち悪いほどに崩れていったのは言うまでもない。


ー100年後

昔のことを思い出していた。といってもわずか100年。実に懐かしく、感慨深いものがある。

あれからというもののたくさんの問題が起きた。

今ではあの者がどんな存在であるのかも知っている。あの者が来客した本当の理由も…。


今や、私は上位神…、というわけにはいかず情けないが下位神のままである。嫌がらせは少なくはなったが今では殴り合うことの方が多い。

でも、私はイキイキと生活している。

今、管理している世界は6つ、あの時は5つだったが最近6つ目を世界を作成した。

その世界にいる1人の少年を観察している。

私はその少年に最高の2次元を期待することしたのである。


そう思いながら、100年たった今日もラグタナは、天使達が存在し、未だ足の踏み場もないあの空洞でパソコンを操作し、6つ目の世界を予想通りの表情で眺めるのだった。


_________________________________


って、完結ではありませんよ。僕は誰か?と…。せんちゃん?、ミルフェ?。


ほほぅ。ちゃんと今回の話を読んでいただけたようですな。


それで、次回からはラグタナが気にかけるほどの1人の少年の物語を、先導者としてご案内したいと思います。


それにしたしましても、ラグタナくん100年間ずっーと僕がいつも近くにいたにも関わらず、気づかないなんてイケメンが落ちぶれましたな…。いや、元々落ちぶれてましたかな。ふむ、言い過ぎましたかな…。



では。当分ラグタナは出てきませんがぼくは、せんちゃんは、ミルフェは、先導者という案内人は出てきますのでな。ふふふ。次回またみなさんに会えること心待ちにしております。






^ミルフェの言う通り!完結しませんよ。次回からは、そうですね、第六世界とでもいいましょうか、その世界のラグタナくんが気にかける1人の少年の物語を私も案内してみようかなw

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