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第2話 覚悟

どうも、文字trumです。正直全然話が進みませんねw,まあ、1話1話頑張ります。それでは、第2話をどうぞ!!


この小説は、先導者と呼ばれる案内人がナレーターを務めます。地の文中の状況説明文以外の改行を加えてはじまるセリフは先導者の心の声であることを表しております。注意してお読みください。なお、その他の登場人物の心の声は()内に表しております。他に読みにくい点があれば、コメント欄に書いてくださると大変助かります。今後ともよろしくお願いします。

第2話 覚悟


( 私は、神である。一部では、ラグタナという名で呼ばれているらしいが、そんなことはどうでもいい。今、私は、部屋の引き戸を約一年ぶりに開け外に向けている。相変わらずの白という名の無の空間。こんな空間があるはずないだろ…と思っていたあのはじめてここへ来た時の奇妙な感動は今や少しも感じない。むしろ、今の状況にため息すらでないほどである。そう、来客のことだ。部屋の外に何やら気配を感じていたが、はじめは気配はその場を動いていなかった。しかし、この部屋に向かって来たのだ。実は、私は神の中でも、理由は意味不明だが見た目と声のギャップ故に位が低い位置にいる。ギャップによって、一部の上位神からは親しくされているがどうも下位、中位神からはよく思われていない。当然、嫌がらせをされる。神同士で嫌がらせなんて、とは思うだろうが『万物には常に偏りが生じる』というのは、このことだ。全ての物は平等ではない。その通りだと思う。その、嫌がらせというのが私の部屋に来て戸を開けた瞬間に火を放ったりだとか、コンコンダッシュしたりだとかで幼稚くさいことをしてくる。1、2回ならまだしもその数は数えきれない。いや、数えている。42539878924889247回だ。だから、今回もそうだと思った。だが、私という神もまた神の一人、他神との繋がりは大切である。いつもは無視することが当たり前の嫌がらせを、今この瞬間なぜか無視しなかった。しかし、引き戸を開けた私の前には通常のコンコンダッシュのように対象の姿はない。呆れはて引き戸を閉めようとした時、ふと気づいた。気配が消えていなかったのだ。気配を感じるところを凝視しても何も見えない。一応、神というのはあらゆる万物、生物はもちろうだが霊体、守護神、精霊などほとんど可視できる。しかし、それでも見えないとなると私の常識の範疇を超えているのだろう。おそらく、上位神の使いかなにかだろうか。しばらく、腕を組みながらどうするか悩むふりをする。急に関わるのが怖くなってきた。また誰かの嫌がらせだとしたら同じことだ。どうかふりをしている間にどこかに行ってくれと願う。生憎、来客用の言葉はすでに用意してあるが…。ここで乗れば嫌がらせはますますエスカレートしてしまう。しばらく、そのことについて考えた。だがその気配はこの場から離れなかった。むしろ、自分のところに近づいてきている。私は最大の警戒心を払いつつも意を決して話し始めることにした。実に100年ぶりに他人と話すが、今からは『?』な存在との会話だ。)


どうも、皆さん僕です、先導者です。。ラグタナくん、前回はコイツって呼んでいましたけど流石に神様をコイツ呼ばわりは…と思いましてラグタナを省略してラグくんと呼ぶことにしましたよ。それにしても、僕は『?』という扱いとか至極当然といえば当然なのでしょうが…。まぁ、いいでしょう。やっと話し始めるラグタナくんですが、ここから先はほとんど僕が先導致しましょう。時折ラグくんなど等登場人物視点のものは入れていくつもりですので楽しく案内されてくださいませ。


ラグタナが口を開き、第一声を発した。

「よう、こそ、神ラウッ、、、とタナの部屋へ。今日はどの神からのヅッ、、ガイでしょ、うか?」


用意していたとされる言葉しては、噛みが二回、つまづき二回、もはや取り方によっては何のことを言っているのかさっぱりだ。ラグタナは、イケメンの顔に似つかない冷や汗をだらだらと流し、顔を下に向け曇らせる。相当いけないことをしたと思っているのだろうか。なにせラグタナはこの『?』を上位神の使いだと思っているのだ。上位神に何か失礼でもあればそれだけでどんなことをされるかわかったものではない。そう思っているのだろう。しかし、『?』は先導者。ラグタナが知るはずもないのは明白である。当のラグタナは未だ顔を下に向けているが意を決したという表情でまた口を開く。

「そうですか、部屋の点検に。そうですよね、百年近く点検に来られなかったですもんね。どうぞ、粗末な部屋ですがお入りください。」


今度はまともに話せたようだが、何を勘違いしたのか部屋の点検だと思ったようだ。神は、悪事などを図らぬ事前策の一つとして神同士の部屋点検を行っている。2神1組で行うのが一般的だが、当然ラグタナにはそんな相手はいなかった。ラグタナ自身あらゆる可能性を考え、出した結論が部屋点検なのだろう。


ラグタナは部屋へと入っていく。『?』(先導者)はあとに続いた。内装は思っていたより汚くなかった。むしろ、綺麗である。もしかしたら、いつ点検に来るかわからないため常に万全の状態を整えていたのかもしれない。ラグタナが部屋の中を説明していく。といっても、八畳間の畳部屋のみ。部屋のなかにはこたつ、テレビ、ブルーレイ、DVDなどの再生機、ステレオ・スピーカーなどなかなかいい風合いであった。他にめぼしいものはなく、ラグタナはこちらを向いていた。いかにも、泣きそうな目。何か文句をいったら泣き出しそうだ。


「どうですか。何か問題があるならば、どうぞこの未熟な私にいってください。」

当然、先導者は話せない。しかし、じっとその場を動かない『?』の気配に何かを感じ取ったのか、


「あっーー。はいっ!、今、お茶をお出ししますね。失礼しました。」

と言って脱兎のごとく居間から出ていった。


さてさて、ラグくんお茶汲みにいってしまいましたね。気配の僕が飲めるわけないのに。ほんと面白いですね、彼は?でも、なんであの方は僕をここに行くように言われたでしょう?…。おっと、僕の話はいいとして、とりあえず気配を身体化して座りますか。こたつに足をいれると…、おぉ、掘りごたつ。ラグくんわかってるじゃないですか。おや?足下に違和感があります。足が下につかない。


そういうこたつもあるのかと思うけれど、気にならないわけがない。こたつの中に顔を突っ込み下を見る。すると、空洞がぽっかりと空いていた。人1人がすんなり通れる、サイズの空洞である。何かしらは隠してあると思っていたが、必然なのか偶然なのか下へつながる空洞の蓋板、つまりこたつの床板は開けられていた。開いてなければわからなかったのに。余程慌てていたのかもしれない。もしかしたら、あの中年臭い酔った声も部屋に近づかせないようにするためのものだったのかも。その時間があったのにもかかわらず…、


おやおや、ラグくんはけっこうドジっ子みたいですね、あの見た目で。僕はとりあえず気配に戻りラグくんを待つことにしましょうかね。でも、あの方はこの程度で僕を楽しませようだなんて少し失望ですね…。


(あれは、本当に使いの方なのか!)

今までそう思っていた、神ラグタナはようやく疑問を持ち始めた。

(大体、上位神の使いが気配だけのものなんて聞いたことない…。それに、やっぱり嫌がらせの可能性が高いか。なんで私にばかり。くそっぅ!)

両手に握っていた二つの湯呑みを握力で握り砕く。パリンという音がして粉々に砕け、ラグタナの手は血に染まる。しかし、傷はすぐに治っていく。

(もうこんな扱いはごめんだ。やるしかない。抵抗するんだ。とにかく、あの気配に話しかけてみよう。じゃないと、何も始まらない。)

台所の棚から新しい湯呑みを取り出し、お茶を注ぐ。コポコポと、音をたて湯呑みにお茶が溜まっていく。まるで、自分の心のわだかまりだと、ラグタナは思った。


湯呑みにお茶を汲みにおぼんに乗せ、八畳間へと運ぶ。相変わらず、気配だけは感じ取れる『?』な存在は気配のまま身体化してこたつに入っていた。一瞬戸惑うラグタナだが、頭を左右に振る。

(やっぱりだ、また嫌がらせなんだ。もうこんなことはやめてくれと言われるしかない。エスカレートする嫌がらせを覚悟して抵抗するんだっ!)

「あのっ!」



ラグタナは勇気を振り絞り話しかける。


次回は世界作成までいけるといいですが…。頑張りますね!誤字脱字報告お願い致します。

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