第24話 転移2日目
お久しぶり
第24話 転移2日目
「……ちゃん!!」
「……くん!!起きて!」
「さっさと起きろ!魔物が来たって言うのに。」
どこからか声が聞こえる。
自分の名前が呼ばれているわけだが、意識が遠い。
僕は、昨日は……。そうか、異世界に来たんだったな。
そして、スキルの発現と何故か感情まで発現してしまった訳だ。
で、今日は転移2日目の朝。
僕に話しかけてるのはおそらく恭ちゃんと西野さんと…これは井上か?
それで朝からなんだ……
って!!!!
「魔物!? 魔物が来たのか?」
ガバッと起き上がると、焦げるような匂いが辺りを包んでいた。
発生源を見ると、拠点の端の方で久喜たちが何かの物体に向かって連続して火の玉らしきものを放っていた。
人だかりができていてあまりはっきりと見えないが、歓声らしきものが上がっていた。
メインストーリーのような展開に立ち会えなかったことは非常に残念だった。
「柊ちゃん、やっと起きたー」
「白雨くん、あれだけ周りが騒いでたのに起きないなんて」
恭平と西野が柊に話しかける。
どこか昨日とは違う表情から、何かを感じ取れた。
「何があったんだ?」
「白雨、あんたいつまで寝てるわけ?」
と、鏡花が柊を見下している。
ぐぬぬ。この女め。
「そうね、梅咲くんがサヨナラしちゃったわー。」
「ちょっと待て、それなら僕を叩き起こしてるだろう。でも、梅咲はどこにいるんだ?」
「あら、起きたばかりなのにアタマが回りますこと。梅咲くんは向こうの魔物の死体付近にいるわ。どうやら、彼も戦ったみたい。」
この女は喧嘩を売ってるのだろうかと思ってしまうほどの毒舌ぶり。
だが、これでヤクザの一人娘というのも疑問がでてくる。
「なぁ、井上ー。」
「なぁに?ねぼすけさん。」
コイツッ!
「井上ってほんとに、その、ヤクザの一人娘なのか?全然そうは見えなくて……。」
「それは悪かったわねー。これでも私たちの住んでるところをほとんど牛耳っているんだから。」
うん、これは関わってはいけないやつだ。
梅咲がこちらに走って来る。
「おぉ、皆さん起きたんすね〜」
「どうだった魔物は?」
「そうっすねー、一瞬RPGのゴブリンかスライムに見えたんすけど、みんなが直ぐに魔法でババーンとやっちゃったんで分からないっす。
でも、みんなのことバンバン回復してたらスキルレベルは上がったっすよ!
久喜たちとかはもうスキルレベルが3になってて、レベルも2に上がってるらしいっす。」
「そ、そうか。」
喜んで話す梅咲からでるイケメンフェロモンが鬱陶しい。
それを手で払いつつも、今回のことについて考えていた。
「みんなちょっと聞いてくれ。今後のことで話がある。」
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「それで話って何なのよ?」
鏡花の第一声から話し合いは始まった。
「今回の魔物騒動の件とこれからについて僕から提案がある。」
「柊ちゃんがリーダーなんて頼もしいぜ!」
「そうっすね!」
「アハハハ」
「ちょっと、まだ僕はリーダーではないから。」
相変わらずの皆の反応を見ながら柊は話しだす。
「ここに魔物が来ました。」
「そうだな、柊ちゃんどうした?」
「また来るよ、絶対にね。
そこで、僕らの家を作りたいと思う。
魔物の襲撃に備えるための家だ。」
「いいですね。でもどんな家なんですか?」
「私に作れる範囲にしてよね!。」
魔物の襲撃に備えるためには、一番は壁に囲まれた空間を作ることだ。
だが、高い跳躍力を持つ魔物がいてもおかしくはない。
良い石が見つからず、土で作るなんてことになったら水魔法で崩される可能性もある。
鏡花の労力のことを考えると無理な話であることは明白だが、スキルレベルが上がれば可能になるかもしれない。実際に魔法を連発することでスキルレベルは上がったのだ。
なら、行動しないわけには行かないのである。
「地下室を作ろう。だが、地下室の上にもう1つそれを隠す簡易的は家を建てる。」
「待ってください。さすがに地下室はむりがありますよ。」
「西野さんの言う通りよ!クラフトのスキルレベルはまだ1なんだから。」
「だから、たくさん作ればいいんだ。
毎日1つでも多く何かをクラフトで作ってくれ。そうすればスキルレベルはあがるはずだ。それに、このグループが全滅しないためでもある。」
「それ言われたら、私が言い返せないの分かってて言ってるんでしょ?分かったわよ!
3日で地下室を作ってやるわよ!!」
「いやいや、そんなに…」
「あぁ、そう。なら、2日で完成させてあげるわよ。見てなさい。とにかく今日から魔物討伐に行く3人は出来るだけ、沢山の使えそうなものを拾って来て。いい?」
「わ、分かりました!」
「了解っすー。」
「り、了解したであります。」
最後の発言は西野さん、なんか可愛いのは置いといて……。
いくら何でも2日は無理がありすぎる。
普通に見積もって、魔法で自由が効くことを踏まえても早くて一週間だとは思っていたがそれを2日でこなすいう鏡花には、どんな考えがあるのだろうか。
とりあえず、前向きな話に持って行けたことに安堵する柊である。
ここで魔物に対して恐怖心を植え付けられたらこの先生きてはいけないだろう。
まずはこの森を抜け出すことをが先決である。それまでの辛抱だ。
話し合いは終わり、拠点の中央には攻略組―つまり、攻撃系スキル持ちと回復スキル持ちの計18名が集まっていた。
恭平と西野は、今日のうちに見つけて置いたという固そうな棒切れを片手に持っていた。
『ソード』というスキルが剣以外を装備することで発動するかは試しようがなかったので、一応武器としての用途である。
進み出す攻略組。
先頭を率いているのはやはり久喜。
本人は優越感に浸りまくっているだろうが、周りの皆から見ればただの遠足のような光景だった。
だが、その顔つきはかつてのものではない。
彼らの表情からは今日も生きるのだ!と、いう強い意志が感じられるのだ。
非力な柊たちにとっては、本当は守ってもらえて嬉しいはずなのだが久喜たちの存在には邪魔でしかなかった。
当然そんなことは誰もいうことができないのだ。
慎重な足取りで森の中へと入っていく彼らに、死ぬようなことが起きないことをベースゾーンに残った柊たちは懇願していた。
さて、柊の仕事は言うまでもなく『料理』。
はっきり言うとすることはない。
回収して来た草や、魔物の肉から行うので柊自身楽な仕事なのである。
ただ、
「白雨、あんた私のスキル上げ手伝いなさい。」
とまぁ、やはりこき使われるのだろうと柊は目に見えてはいたわけで。
渋々と応じる様子に鏡花は、にこやかとしていた。
「はいはい、分かりましたよー。」
「言ったわね。じゃあ、近くの森で何かめぼしいものがあったら拾って来て。木の枝でもいいから。」
「拾って来たものに文句つけるなよー。」
「……。やっぱり私も行く。」
そんなに自分の回収能力は信用されていないのか。いやいや、ぶっちゃけゴミ拾いみたいなものだし能力もクソもないと思うのだがこの機会に鏡花の信用を得るというのも悪くないことだ。
服装はそのままの格好で、Aグループのスペースから出て二人は森へと向かう。
鏡花と並んで歩いていると
「あんたは私の後ろを歩ってよね。
周りに勘違いされたら最悪だから。」
「へいへい。それは僕も同じですよー。」
柊、鏡花の順にベースゾーン周りの森に浅くだが入っていく。
森に入る際、何人かに注意されたが自分と鏡花を見てなにを思ったのか納得して
「あんまり時間を忘れすぎるなよ…!」
と、男子生徒は、ニヤニヤして送り出していた。
当然二人の間にそんなことは起こらない。
大体、ただでさえ厄介ごとを抱えすぎている鏡花に言い寄る男子などいないだろう。
後ろにいる鏡花にチラリと目をやった。
ミニスカートから伸びる白くて綺麗な太ももと足。
本人の人柄からは考えられない体をしているが、胸の凹凸は一般的と言ったところだろう。
正直にいうと、この女子は可愛いとは思う。
ヤクザの一人娘といったらテンプレははちゃめちゃのツンデレ。
それには及ばずとも鏡花は、魅力的であるのだろうか……。
そう思う自分も元々はなにも興味を示さないほどの男だったのだと思うと、少し今の自分には感謝している。
「うぉっ、!
おっとっと。」
後ろに気を取られていたせいで足をどこかに躓かせた。
後ろを見ると、鏡花は「あんたバカなの?」とでも言いたそうな顔をしている。
そんな顔で見ないでほしい……。
一通り、周りを歩き少ないが収穫はあった。
人が使っていたとされるものはなかったが、
使えそうな枝、見たことをない石、糸の繊維のようなものなどが入手できた。
行きから帰りまで柊は鏡花にいちゃもんつけられっぱなしだったが、以前よりは打ち解けたのではないかと柊は思うのだった。
ベースゾーンへと帰還し、まだ攻略組が帰って来てないので帰ってくるまで鏡花のクラフトを見ることにした。
素材を地面の一点にまとめ、その上に手をかざし鏡花は唱えた。
「『クラフト』!!」
すると、素材は全て黄色に輝きその姿を変えていった。
そして、できたのは……、
「すごいわ。『クラフト』ってチーとなんじゃないかしら。」
出来たのは、
ミニチュアの家である。手のひらサイズのその家は拾った枝を元に大部分が作られていた。
ただでさえ凹凸が激しい枝だったはずが、家をみると枝豆出会った部分は真っ直ぐ立派なものにはなっていた。
つまり、足りない部分は同じ素材があれば変えられるのだ。
さらに、素材を意のままの形にできるということがわかった。
クラフトのスキルレベルによっては鉄などの金属も加工できるのではないかと考えた。
こまたスキルということであれば、派生スキルも出てくるはずである。鍛冶スキルがあれば恭平や西野に武器を作れるかもしれない。
「井上、すごいじゃないか!
スキルレベルは上がったか?」
「残念ながらそのままねー。
でも、素材が多ければできるかとしれない。」
「わかった。地下室だけど最低限みんなが立って入れるようになればいいから。穴を掘ってそこから広げていく感じで頼む。」
「仕方ないわね。わかったわよ。」
柊たちは、素材を集めては『クラフト』し、
集めては作って、を繰り返した。昼飯も食べずに日が沈むまで没頭していた二人は攻略組の帰還とともに我に返った。
「おぉーい。柊ちゃん、今、帰ったよ。
……って、なんだこりゃ」
「無事に戻りましたって、これなんですか!?」
「俺っちたちがいない間になにしてたんすか?」
そう二人の周りにはマトリョシカをすべて分解したように大量のミニチュア家と、一番最後に作った一般サイズの椅子があった。
柊と鏡花は、回を見合わせて苦笑いした。
だが、鏡花はハッとするとしてたの柊を睨み付ける。
自分が何をしたって言うんだ…。
わからない、この井上鏡花の仕草の理由がつかめない。
こんな感情表現がうまくなかったことはそんな行動の理由さえ見抜けていたのに。
「あぁ、お帰りみんな。
これは井上のスキルレベル上げをしてたんだ。そっちは収穫は?」
「おうおう、聞いてくれよ柊ちゃん!」
うんうん、と梅咲と西野が頷いていた。
何かあったのだろうか……。
ちなみに鏡花のスキルレベルは2に上がっていた。
>>
「あいつら、それで俺たちを囮にするかのように逃げていったんだぜ。」
「そうなんです。その兎みたいな魔物を10体くらい押し付けられて……。」
「それにそれに、俺っち見てたんだけど久喜たちのスキル火魔法じゃないと思うんすよ。」
やはり久喜たちについてのことだった。
ストレス発散も兼ねている愚痴を聞くところによると、
久喜たちに魔物を押し付けられたらしい。
みんなが『ラビット』と呼ぶその魔物は、文字通り兎のような魔物であるそうだ。
久喜たちは先に独断先行したあげく、魔物を群れに追いかけられ七瀬らに押し付けたらしい。彼ららしいといえばそうなのだが、協調性を乱す行動は慎んでもらいたいものだ。
いくらいずれここから立ち去るものでも今は一時の仲間と言える。
少なからず自分たちはそういう心を持ってはいるが、彼らがそれを持ち得ているとは到底思えない。
ラビットを含む魔物の等しい分配にも快く応じたらしい。
確かに不思議だ。
あれだけ魔法を自慢していた彼らがラビットを攻撃せずに逃げてきたのか、それに等しい分配に文句を言わないのか……。
彼らに人並みの常識があるとは思ってはいなかったが……実際はどうなのだろう。
何か企んでいる可能性も考えられる。
梅咲のいう、火魔法がスキルではないというのはまだ分からない話だ。
相手のスキルがなんであるか分からない以上、自己申告したスキルを信じるしかない。
かくゆう自分も消えたスキルに関しては隠してはいるが、『料理』というスキルを示している。彼らがもしスキルを隠蔽しているとしたら、相応の対策を練っておかねばならない。
ここを離れるということはここには用はないということだ。何をしてくるかわかったものではない。
「ていやっ!」
そう深く考え込む柊の頭に恭平が手刀をいれた。
「柊ちゃん、で、どうするのさ。」
「とりあえず ご飯にしようか。
ウサギ肉で……。」
「そ、そうすっね。ウ、ウサギ肉……。」
恭平がウィンドウを操作しているようで、彼の手元が光が収束し形を為す。
現れたのは生肉。
そうウサギ肉―アイテム名『ラビッシュの生肉』
ラビットの正式名はラビッシュらしいが、その生肉は厚みがあり、白い脂の部分が食欲をさらに掻き立てる。
自分の料理のスキルに関してはまだ謎が多い。というのもまだ何も作っていたいからだ。クラフトが物を扱うものだとすれば、料理は生を扱うものだといっていい。
そうなると、今後何かしらの派生スキルが得られると可能性がある。
絶対とまでは言い切れないが、この世界で生きていくためにはあってほしい。
石をしき余った枝をかき集め、隣のグループから火魔法持ちの人を点火を頼む。
助けあいは大切である。
ボウッ
温かい
ぼうっと立ち上がる火は、火の周りにいる自分たちAグループの不安を払拭してくれそうだ。
この世界では魔物を倒すと肉などの素材がオブジェクト化してドロップするらしい。
ますますゲームのように感じられてくるのだがその楽しさは表面だけの感情。
帰りたい気持ちの方が強いのは当然だ。
少し香ばしく、ちょっと焦げ臭い匂いは食べる前から自分たちの腹を満たしていた。
日本のウサギの肉は食用として販売されていないらしい。なんでもウサギの肉はまずいらしいがここ―異世界のウサギ肉は格別だった。各グループ2匹ずつわたされたウサギは小ぶりなものから大ぶりなものまであった。
歯ごたえ抜群、料理スキルの応酬なのか噛み付いた時に広がる肉汁は堪らないものとなった。
女子の二人ですら、もう食べ方など御構い無し。転移されてから一度も何も口にしていなかったお腹はあっという間にいっぱいになった。人は危機に陥っている時、一番ご飯が美味しく感じると聞くがその通りなのだろう。
食後にそのほかの魔物の討伐についてや、おおまかな拠点周辺の環境の話をした。
「今日俺っちたちがいったのは太陽の向きから考えた方角で北のほうっす。」
「そうです。大きな崖があって少し行くともっと大きな崖から滝が流れているんです。
本当にすごい滝でした。」
「ということは、近くに川があるわね。
行ったの?」
「いや、その大きな崖からは滝の流れ出る崖まで簡単には行けなくってさ。
でも、ここはかなり標高が高いところらしい。北の方角の景色は一応見渡せた。見渡せたんだが……、森しか見えなかった。」
「そうなのか……。」
「みんなごめん、暗くなるような話しちゃって。」
「いいわ、陶山くん。大丈夫よ。
それよりレベルとかスキルはどうだったのかしら。」
恭平と西野は思い出したように、楽しそうな顔になった。
「実はですね、今日のラビットたち、私たち二人でほとんど仕留めたんです。」
「そ、そうなんだぜ。西野さんの太刀筋は本当に綺麗でさ、……じ、じゃなくて、棒でもなんとかソードのスキルは使えた。
俺と西野さんのレベルは2、スキルレベルは2になったよ。」
「そうです。ラビット5匹でやっとレベル2ですよー。あ、あと『ソード』スキルの中に技?の名前が表示されるようになったんです!」
うんうんと、恭平が頷いている。
つまりソードスキルとは数あるソードスキルをまとめてそう呼ぶのだろう。
しかし、ラビット5匹でレベル2。普通のゲーム感覚ならあり得る経験値数だが、スキルレベルが1しか上がっていないというのが気になる。
「どんなスキル名だったんすか?
厨二っぽいすか?」
「ああ、刀のソードスキルで『晒し風』って言うんだ。」
「ソードスキル『晒し風』は、刀を腰に差した状態から横に一閃するスキルなんです。
なんだか頭の中で『晒し風』って考えてながら、木の棒を腰に戻したら棒が淡く黄緑色に光ってあとはそのまま流れるようにスキルを発動できたんです!」
西野と恭平の場合、木の棒は刀として認識されたらしいがステータス画面に
【技能】『ソード(刀)』lv.2 晒し風
と書かれていることからして、武器によってスキルが違うらしい。
武器の認識基準が明確にはなっていないのは今は問題ではないがいずれ攻撃系スキルを身につける時に役立つかもしれない。
あと攻撃系スキルの発動条件。
初期動作をそのスキルを頭で思考しながら行うことで発動できる、ということだ。
スキルが発動段階に入ったらキャンセルできるのだろうか……。
とりあえず、今は必要ないだろう。
そのあとは二人の武勇伝を聞きながら笑いあったりした。
鏡花ぎ笑うのは意外だったため凝視していたら、鋭い目つきで睨まれた。
辺りもすっから暗くなり各々床についていく。簡易に作られた就寝スペースで皆と一緒に寝る柊は、目を閉じていろいろなことを考えていた。
久喜たちの企みを暴かなければならないこと、地下室ができるまでの期間、川までの進路。
第一に鏡花の健康管理をしっかりとしなくてはならない。
ここで生き延びるためには、彼女にかかっている。
森で収拾している時に、柊は鏡花に言われたことを思い出していた。
「地下室を作ったとして、魔物がみんなに襲いかかっていった時に襲われているみんなは助けないわけ?」
自分たちだけ助かるのは確かにひどい話だ。
ひとでなしと呼ばれても仕方ないくらいだ。
だが、魔物だけとは限らないが危機というのは突然やってくる。今この瞬間だってあり得る話なのだ。
だがら、自分のグループメンバーだけは絶対とまではいか助ける。
死なせるわけにはいかないんだ。
再び目を開けた時、浮かんでくるのはやはり日本での日々だった。
自分は、日本で何をしていたんだろう。
そう思い出していると、次第に柊の意識は暗闇に落ちていった。
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》
【名前】白雨 柊
【種族】■人族
【年齢】16
【レベル】1
【体力】250
【筋力】500
【魔力量】30■
【攻撃力】9 (素手)
【防御力】15
【魔攻】14
【魔防】13
【素早さ】15
【知性】17
【技能】『料理』レベル1
【装備】城南坂高校の制服(男)
……初期ステータス維持:変化なし
》
【名前】陶山 恭平
【種族】人族
【レベル】2
【年齢】16
【体力】500
【筋力】450
【魔力量】60
【攻撃力】13 (刀)
【防御力】23
【魔攻】19
【魔防】20
【素早さ】28
【知性】18
【技能】『ソード(刀)』lv.2
晒し風
【装備】城南坂高校の制服(男)
タナヌの棒切れ
》
【名前】西野みのり
【種族】人族
【年齢】16
【レベル】2
【体力】476
【筋力】418
【魔力量】63
【攻撃力】15 (刀)
【防御力】21
【魔攻】24
【魔防】22
【素早さ】26
【知性】25
【技能】『ソード(刀)』lv.2
晒し風
【装備】城南坂高校の制服(女)
タナヌの棒切れ




