プロローグ
この小説は、先導者と呼ばれる案内人がナレーターを務めます。地の文中のセリフのようなものは、改行を加え先導者の心の声であることを表しております。注意してお読みください。なお、その他の登場人物の心の声は()内に表しております。他に読みにくい点があれば、コメント欄に書いてくださると大変助かります。今後ともよろしくお願いします。
プロローグ
そこは何もない、見渡す限り何もない場所。だからと言って宇宙のように"黒"という訳でもなく、草原のように"緑"でもない。
"無"であり”白”なのだ。地面と呼ばれるものも、天井または空とよばれるもの、それらが図れないほどに
白一色の一言で言い表せる極端な空間だ。そこに1人の青年が現れた。歳のわりには高い声で彼は話し始めた。
「はじめまして。青年とは僕のこと。初めまして。僕は、全ての案内を担うもの_"先導者"とでも名乗っておきましょう。」
「んん、まだ緊張しているのですか?この空間にみなさん読者を案内したのはほかでもありません。今すぐにでも、この瞬間から面白いことが始まるんですよ。遊園地のアトラクションだと思って一緒に楽しみましょう。最後までご案内できることを祈っています。つきましては、これから主に話の案内人兼登場人物_先導者として登場しますのでよろしく頼みます。では話を進みましょう。」
青年は光となって、白い空間を漂い消えた。同時に奥に、場に合わない和風の引き戸が存在を現す。
徐々に焦点は引き戸へと近づき、そこで止まった。なにやら中から声が聞こえる。中年の様なおやじ臭い声が響いていた。