T字路交差点2
想いって大事ですよね。
でも伝えるには表現しなくてはいけません
伝えることのできなかった想いはどこに行くのでしょうね
これは私の想いを綴ったもの。
私が貴方に伝えることを出来なかった想い
その日、貴方はいつもと違いましたよね。
いつもは気遣ってくれる貴方が振り向きもせずひたすら歩き続ける、でも追いつけるような速度で歩いていたあの日のこと。
いつものT字路交差点で突然振り向いて貴方は言いましたよね。
「目を瞑って」と
薄々は気がついていましたよ? 貴方の行動は同情ではないということに。
視界を閉ざすと同時に唇に感じる貴方の温もり。
温もりが感じられなくなって視界を取り戻したとき貴方は俯いていましたよね。
「やっぱり君が好きだ」
そう言って私の前から逃げるように走り去っていく貴方。
呼び止めることは出来ませんでした、貴方も知っているでしょう? 私は喋ることができないのですよ。
動揺していたのでしょうけどその時貴方は喋ることができない私を失念していたんです。
どうすれば良かったのでしょうね? 走って追いかける? 確かにそうできれば良かったのかもしれません。
でも私には出来なかったのです。
貴方の行動が引き金となって私という存在の消滅が始まってしまったのですよ。
薄れゆく意識の中で必死に想いを綴る事しか出来なくなったんです。
この形にならない想いを……どうにかして伝えたい。
ありがとう……と
他の誰かがきっと貴方に伝えてくれると信じて。
二人称を意識して書いてみましたがいかがでしょう?
それなりに調べては見たのですが具体的例文が少なく手紙のような表現ということしか解らなかったもので^^;