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俺たちの魔王はこれからだ。  作者: かっぱ
第六章 〜カウントダウン〜
294/408

23:『+α』レナ、唱える。

4話連続で更新しております。(1話目)

ご注意ください。

『◯月◯日 雪

 今日、アイズモアという国へやって来た。

 私があんまり忘れっぽいからって、黒魔王様が私に紙とペンをくださった。

 今日から私、黒魔王様のお妃様なんだって』



『◯月◯日 雪

 黒魔王様が、名前まで忘れている私に名前をくださった。

 ヘレーナって言う名前。

 素敵ね。私、これからこの名前で黒魔王様に呼ばれるの』



『◯月◯日 雪

 黒魔王様に行ってはいけないと言われていた場所が気になって、

 私、勝手に外に出て、崖から落ちちゃったの。

 出っ張りに引っかかってた所を、

 黒魔王様が一生懸命捜してくれて、助けてくれたわ。

 私、泣きわめいて黒魔王様に謝ったわ。

 黒魔王様は優しく許してくださった

 無事で良かったと、言ってくださった』



『◯月◯日 吹雪

 今日はお城からは出られない。

 退屈していたら、黒魔王様が私にドレスと靴をくださった。

 とても綺麗な、水色のドレス。

 黒魔王様とダンスを踊った。

 その日初めて、黒魔王様は私に愛していると言ってくださったわ』



『◯月◯日 晴れ

 珍しく晴れた日。真っ白な雪の上を、黒魔王様と散歩した。

 私はとても幸せ。

 だって、いつも黒魔王様が側に居てくれるんだもの』



『◯月◯日 曇り

 黒魔王様の敵である勇者が、このアイズモアを狙っているって。

 黒魔王様と戦いにくる紅魔女様がそう言ってた。

 どうしてみんな、こんなに平和で、美しい理想郷を壊そうとするのかしら。

 不安もあるけれど、黒魔王様は負けないわ』



『◯月◯日 雪

 勇者がアイズモアを攻めて来た。

 黒魔王様も、魔族もみんな戦っている。

 私は奥の部屋で、使用人や他の妃と隠れているの。

 だけど、大丈夫。

 黒魔王様は負けない。


 エラス・アプレイ・プシューク


 困った時は、唱えるようにって誰かが言っていたと思う。

 これを唱えたら、希望がやってくるって』

 

 







私はレナ。


何だか、夢を見ていた気がする。

長く寝すぎて、体がだるいくらい。


「……」


ここは、西の大陸。

最西端の海岸沿いに存在する岩山地帯の、地下遺跡。

この辺りが、新しい魔族の国になる事は間違いない。アイズモアは、もう過去の国になる。


「大丈夫か、レナ……」


「え……あ、え、トールさん!?」


いつの間にか、トールさんがベッドの脇の椅子に座っていた。

私は慌てて、起き上がる。

目を擦って、髪を撫でで、後から恥ずかしくなって掛け布団を引き寄せて顔を隠す。


「す、すみません、酷い寝顔を……っ」


「い、いや。こっちこそすまない。見舞いに来たら、うなされていたようだったから、体調が悪いのかと思って様子を見ていたんだ」


「……」


私、うなされてたんだ。

どんな夢を見ていたんだっけ。

思い出せないのに、少し悲しい。


「わ、私は大丈夫です。痣も少しずつ薄くなっていますし、なんて事無いです」


「そうか。……痛むようなら、フレジールに戻った方が、良い治療を受けられると思うが……」


「い、いいえっ。平気です。全然」


「……そうか」


トールさんは忙しい中、時間を見つけて私のお見舞いに来てくれたみたい。

私は黒平原で負った痣の療養のため、今はずっと自室で大人しくしているから、時々トールさんやマキアが様子を見に来る。


「トールさん……あの、マキアは?」


「え? ああ、あいつはさっきまで、ライズたちと共に、ここらの探索に出ていたんだ。岩場を抜ければ森があるんだが、どうも泥濘が多いみたいで、あいつ泥だらけになって帰って来た。今、地下のわき水で水浴びをしているよ」


「……そうですか。やっぱり、マキアは凄いですね」


「レナ」


「マキアが戻って来てくれて、良かった。やっぱり彼女は、この世界に必要だもの」


トールさんは少しだけ困った顔をした。

マキアが戻って来た事で変わった事と言えば、トールさんが私と気さくに話してくれるようになった事。

トールさんは最近、とても良い顔をしている。


「レナ。何か困った事があったら言え。お前は気に病みすぎる所があるから、もう少し気楽に、な? あまり無茶はするな」


「……はい、ごめんなさい」


「はは。なんで謝ってるんだよ」


トールさんが笑ったから、私も自ずと微笑んだ。

彼は部屋を出て行って、私はまた一人になった。


「……」


私は黒平原で負った痣を見ていた。

少しずつ薄くなっているけれど、全てが消えてしまった訳ではない。

実は、酷くうずく時がある。

だけど、私はそれを誰にも言えずにいた。誰に言えば良いのか、分からなかった。


「……トールさん」


ベッドの中で、ぽつりと呟く。

以前、トールさんに貰ったハンカチを、いつもベッドの脇に置いている。

それを手に取り、頬に当てた。

トールさんは今とても忙しい。新しい国の為に、やらなければならない事が沢山ある。

カノン将軍は怖いし、マキアは……


「マキア、だったのね。あのマキって子……言われてみれば、そうとしか思えないわ。似てるとは思っていたけれど、本人とは少しも思わなかったわ。マキアは死んだのだって思っていたから」


今更ながら、マキさんがマキアだったのだという、奇妙な状況を振り返る。

赤毛の戻った彼女は、やっぱりどう見てもマキア。


「……」


黒平原で感じた、憎悪や殺意。

それは、かつての紅魔女のものだった。


でも、私には分かる。その中に、僅かにあったヘレーナへの嫉妬の思い。

紅魔女は、黒魔王に一途に愛されたヘレーナを妬んでいた。


だけど……それはもう二千年も前の事。

今じゃあ、私たちの関係はすっかり逆転だわ。

トールさんがマキアを選んだ以上、私がトールさんに何か尽くす事も出来ない。

それどころか……私にはマキアに嫉妬する逃げ道も無い。だって、私はヘレーナの生まれ変わり。

ヘレーナは黒魔王を殺した、本来なら今ここでトールさんに憎まれても仕方の無い存在だもの。


行き場が無い。

逃げ場が無い。


マキアが羨ましい……



「……エラス・アプレイ・プシューク……」



私は、心に残っていたその言葉を、無意識にぽつりと呟いた。

少し前にトワイライトの一族であるノア君に教えてもらった言葉でもある。

トワイライトの一族に伝わる、元気の出るおまじないだって聞いた。


「!?」


しかし、それを唱えた瞬間、私は言いようの無い衝撃を受けた。


なに……なにこれ……


脳裏を駆けたヴィジョンは、ぱらぱらと分厚いノートをめくり、ヘレーナの記憶を辿っていくようなもの。

思い出してしまう。あの“最後の夜”の事を思い出してしまう。


そう。これは二千年前、ヘレーナが唱えた言葉だ。

なぜ今の今まで忘れていたのか分からないけれど、確かに私はそれを唱え、そして、書き記した。


「私は……あの、アイズモアでの最後の夜……そうだわ。この言葉、どこかで聞いた事があると思った。……元々、私が唱えて、アイズモアで書いていた日記に残した言葉だわ」


ヘレーナは、黒魔王様と共に過ごした日々を日記に書き記していた。

黒魔王様と出会うまでの記憶が無かったから、アイズモアで過ごした幸せな日々は、絶対に覚えておこうと思ったのだ。

エラス・アプレイ・プシュークとは、ヘレーナ自身が唯一覚えていた単語。

黒魔王と出会う前に、既にヘレーナの中にあった言葉。

最後の夜、勇者の襲撃を受けたアイズモアの最奥の部屋で、私はそれを唱えて日記に書き留めていたんだわ。


そして私、何故か黒魔王様を殺さなくちゃって……勇者が私を迎えに来て……

どうして、今の今まで忘れていたのかしら。


「……っ」


突然、腕に痛みが走った。

グルグルと腕に巡る痣が、今までに無く痺れたのだ。


「な、何よこれ……っ」


ずくずくと痛む両手の平から、黒い霧のようなものがにじみ出てくる。

霧は細長い短剣のような形を成す。


額を、冷や汗が流れ落ちた。

これは、この短剣は、私も良く知っているもの。


嫌な予感だけが、指先から頭の天辺まで上ってくる。


『ふふっ……おかえり、“ヘレネイア”』


私が固まって、ただただ手の平に収まる霧の短剣を眺めていた時、どこからか声が聞こえた。


「だ、だれ……?」


その声は幼い少女のもので、とても愛らしいのに、冷たい響き。

どこから聞こえてくるものじゃない。

私の中から響いてくる。


『その短剣があれば、“あいつら”を殺す事ができるよ……君を捨てた者、君から奪った者、君を脅かす者……みんな、みんな』


囁きは甘く、静かに静かに、私の中の何かを目覚めさせようとする。

私はそれが、怖くてたまらない。


誰?

あなたは誰?


私はいったい誰なの?


沸き起こる衝動的なものが、得体の知れないものが、私を別のものに変えようとしている気がする。

私は誰を殺したいとも、誰を消したいとも思っていないのに。





「……レナ?」


マキアが、部屋をノックした。


「あっ」


入ってこないで、と言おうとしたのに、言葉にできなかった。

何故かは分からない。


マキアはいつものお見舞いの様に、気軽に入ってくる。

両手には大きなお盆を持っている。

果物が沢山盛られたお盆だわ。


「レナ、調子はどう? 私、さっき森でこれを……」


マキアが私の様子を気にかけて声をかけた時、私は自らの意思に反してベッドを飛び出し、その霧の短剣を持ってマキアに切りかかった。


「!?」


マキアはとっさに果物の盆を盾にしたけれど、私がこんな行動をとるとは思っていなかったのか、短剣が左腕を少しかすって、血を流していた。

そのまま、廊下側に後退する。


眉を寄せ、驚きの瞳の色のまま、彼女は私を見る。


「レナ……あんた」


「マ、マキア……に、逃げ……っ」


私の体は勝手に動き、再びマキアに切りかかった。


なぜ? どうしてこんな事になるの?

彼女を殺さなければと、私を急かすものは何?


怖い。“あの時”と同じだわ。

手が震えているのに、絶対に短剣を離さない。


だけど、この自分の意志に反する衝動を持ってして、私はやっと、二千年前のヘレーナが自分であったのだと再認識した。

黒魔王様を刺したのは、本当にヘレーナわたしなんだと。


マキアは指輪を槍に変え、私の小刀を払った。

だけど私も、小刀から手を離す事無く、身を翻す。

自分にこんな動きが出来るなんて思わなかった。


「レナ! あんた、私と戦おうって言うの!!」


「ちっ、違うの、マキア……分からないの。ごめんなさい、黒魔王様の時と同じだわ……っ。この短剣が、あなたを、殺せって言うのよ!!」


「……なんですって?」


マキアは一度目を見開き、そして表情を引き締めて槍を細身の剣に変えた。


「分からないの……分からないのよ、私、なんで、こんな……っ。ごめんなさい、ごめんなさい」


「レナ!!」


マキアは名を叫んで、混乱する私を見据えた。


「分かったわ。あんたのそれが、たとえなんであろうとも、私がそれを受け止めてあげる。だから、その衝動のまま殺す気でかかって来なさい……」


「だ、ダメよマキア!! この短剣は、黒魔王様だって殺せたのよ……っ、絶対、絶対普通じゃないわ」


そう言いながらも、私は短剣を振り落とす

マキアは冷静にそれを受け止めながら、言った。


「それでも良いわ。……そもそも、あんただって、私に言いたい事の一つや二つ、あるでしょう」


「……ひ、一つや二つ? そんな、だって私」


「ダメよレナ」


「……」


複雑な表情で、マキアは私を諭す。


「ダメよ、溜め込んでは。あんたの事は、きっと私が一番分かるわ」


「マキア……」


「その剣が囁くってのでも良いから、私を殺しにかかって来なさい。絶対、気持ち良いと思うの」


「だけど、だけどマキア」


「あんただって、トールが好きだったんでしょう!」


私の迷いや、曖昧な言葉を打ち消すように、マキアが断言した。

その言葉に、私自身、体を貫かれるような衝撃を得る。

短剣により力を込め、彼女を突き刺そうと俊敏に動いた。


「ほら、あんたの短剣は私を殺す気満々よ。あんたが迷ってどうするの。それで、あんたは気が済むっての? トールは、“私”を選んだのよ!!」


「……っ」


マキアにはっきりと言われて、私は苦しく、悔しくなった。

目の端に涙が溜まる。


「まあ、あいつの事だから知らずのうちに他の女を落としたり、ちょっかい出したりする事はあるかもしれないけど……」


「……」


視線を横に流し、ぽつりと呟いたマキアの言葉。

とりあえずそれは置いておいて、私の短剣は、周囲に散る霧をより集めますます大きくなる。

なのに綿で出来ているかのように軽く、こんな私にも振り回す事が出来た。


「トールさんが……マキアを選ぶ事くらい、分かっていたわ!」


「分かっていたのと納得は違うでしょう。いくらあなたが聞き分けの良い子だっていっても」


「私はそんなに良い子じゃない!!」


こんな時に、否定の言葉ばかりでてくる。

私は良い子じゃない。

私は、本気でマキアを殺したい訳じゃない。

私は、もう一度黒魔王様に愛してもらえると思っていた訳じゃない……


だけどそれらは、今まで私の口から言えた言葉じゃなかった。

ずっとずっと、体の中に溜め込んでいたものばかり。


「知ってたわよ……っ、だってトールさん、記憶が無くなっても、マキアの事を求めていたもの……! あなたの居ない間も見てたもの!! 私なんて眼中に無かった」


「黒魔王はヘレーナを愛していたわ」


「私はヘレーナじゃない!!」


はっきりと、また否定してやる。

あれは、私であって他人であると。あんな記憶は夢と同じ。

夢と、同じなのよ。


「だけど、マキアだって一度死んだじゃない。トールさんを置いていったじゃない……っ。誰もがあなたの死を悲しんだわ。だから私が……救世主として期待される私が、みんなの……トールさんの力になれたらって思ってたの。努力して、白魔術も沢山勉強して、練習して!!」


「……」


「こんなちっぽけな力で、出来る事なんてほとんど無いって分かっていたけど、少しでも救世主らしい事ができたらって……それだけを自分の支えにしてたの。なのに……あなたは、大きな力を持って突然戻って来た。しかも、異世界から。救世主として。そんなの……無いわ。そんなの、あんまりじゃない……っ。私はどうしたら良いのよ!!」


私は、この世界で何をすれば良いのか、その目標を見失った。

行き場を失った。

もう、誰に頼れば良いのかも分からない。

もうトールさんにも縋れない。


私にヘレーナの記憶があるってだけで、警戒され、気を使われ、誰も一線を越えて私の所までやって来ない。

誰も、本当の“平玲奈わたし”を、知ろうともしないのよ。


「レナ……平玲奈たいられな!!」


「!?」


マキアがいきなり、私の本名を口にした。

あまりに突然の事で、私は呆気にとられる。だけど体だけは言う事を聞かず、振り上げられた短剣がマキアに向かって下ろされる。


マキアは私の懐に入って来て、それを素手で握って、受け止めた。

彼女の手からはだらだらと血が流れる。


じっと、ただじっとマキアが私を見つめる。睨むように。

でも慈しむように。


「平……玲奈って、言うんでしょう。あなたの本当の名前。地球での名前」


「な、なんで? なんで、マキアが」


「私、こんなものを持っているのよ」


マキアは自らの剣を床に落として、セーラー服のポケットから、小さく折り畳んだよれよれの紙を取り出した。


「早くあなたに渡さなきゃって思っていたんだけど、なかなかタイミングが掴めなくて。……私ね、地球でこれを貰ったの。多分あれは、あなたのお母さんだったわね」


「……」


バッと、空を切るようにして勢い良く開いたその紙を、マキアは私の目の前に突きつけた。

それは、居なくなった私を捜すビラのようなもので、私の名前と、写真が載っている。


「あなたのお母さん。必死になってこれを配っていたわ。元々そうだったのかもしれないけれど、とても痩せていて……辛そうな声で、情報を求めていたわ」


「……お母さん……が?」


「そうよ。あなたを捜しているのよ」


「……お、おかあ……さん」


私は、お母さんの姿を思い出すだけで、目の前が真っ白になった。

途端に足がふらついて、その場にしゃがみ込む。


マキアを殺さなければという衝動が、嘘だったみたいに萎んでいった。


霧の短剣も形を崩し、手のひらに吸い込まれ、消える。

一瞬の無の感情が、そうさせたのだろうか。


「レナ……」


マキアは血まみれの腕で、私を抱きしめた。

ぐっと、これ以上無く。


「レナ、あなたは強いわ。必死になって、その感情を隠そうと、殺そうとしていたもの。汚い、ドロドロしたものを、いまだにこの世界に残していた“紅魔女わたし”とは違う。あなたは、私のようになっちゃいけない……」


「でも、マキア、マキア……私、分からないの。心の中で、あなたたちを殺さなければって言う声がするの。私、それに逆らえない……っ。違うの、私、マキアを殺したいんじゃない」


「……」


「あなたを妬んでいない訳じゃない。何もかも、羨ましいって思うわ。だけど……こんな事、したい訳じゃないの」


「分かっているわ、レナ」


「どうしよう。私、このままじゃあ、またトールさんを殺しちゃうかもしれない。マキアを、殺しちゃうかもしれない……っ」


「レナ……」


「助けて、助けて……っ、助けてマキア。…………助けて黒魔王様」


マキアの背中の服をぎゅっと握って、今内にある不安を吐き出した。

泣きながら、わめきながら、まるで小さな子供みたいに。


異世界の少女、黒魔王様、お母さん、マキア……そして、逆らい様の無い殺意。

これらに戸惑い、苦しい何もかもを吐き出した。


救いを求めた。





「……それこそが、世界の法則の一つだ」


その時、廊下の向こう側から声がした。

カツカツとこちらへやってくるその足音が、いったい誰のものなのか、私とマキアはお互いに分かっていた。


「カノン将軍、それは、どういう事よ!」


マキアは彼を見上げて、問う。

カノン将軍だ。


彼は鋭い視線を私に向け、ぽつりと呟いた。


「……いよいよ覚醒したか」


と。




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