雪のふる街
雪国のまち、一人のおに。
明るさ求めてやって来た。
あたたかさ求めてやって来た。
街に光るネオン。今日は光のお祭り。
窓の外から観えるのは、色とりどりの食事。
話し合う人々、笑いあう人々。
見てる、おに。
窓にはりつく、おに。
人との距離、ここからあと何歩?
おには歩く、雪の降る中さくさくと。
あたたかさ眺めて、一人歩く。
通り過ぎる人々。
だれにも気づかれない、自分。
だけど歩いた。一人で歩いた。
おには、フードをかぶった。
こんな冷たさ知らなかったよ。
今日は年に一度のおまつりだから、遠いこの街へ下りて来たんだ。
あたたかさを知りたかったんだ。
いつか誰か言ってくれるかな。
おめでとうって。
生まれてきてくれてありがとうって。
今日は年に一度のおまつりの日。
年に一度のおにのバースデー。
フードをかぶった時の、おにの心情を考えてみて下さると、とても嬉しいです。