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第五話 未知なる階層


巨人型魔物の残骸を越え、

通路の奥へ進む。


空気はさらに重くなり、

呼吸するたびに

肺の奥が痛む。


「ここ……

さっきより、

魔力が濃い」


ティファニーが

小さく呟く。


アドルは、

周囲の壁を観察していた。


「人工物の比率が

増えている」


「自然形成のダンジョンじゃない」


「誰かが、

意図的に作った構造だ」


バルガスは

無言で頷く。


「つまり、

最奥には

管理者がいる可能性が高い」


フィオが肩をすくめる。


「聞いただけで

嫌な予感しかしないよ」


佐山も、

同意だった。


(異世界でも、

こういう場所は

碌な結末にならない)


通路の先に、

巨大な扉が現れる。


高さ五メートル以上。


表面には、

複雑な幾何学模様と、

未知の文字。


「読めるか?」


バルガスが尋ねる。


アドルは首を振る。


「異世界語でも、

現代語でもない」


ティファニーが

そっと触れる。


「でも……

意味だけは伝わる」


「試練の間」


フィオが顔をしかめる。


「また試練かぁ……」


扉が、

ひとりでに軋みながら開く。


中は、

広大な石造りの空間だった。


天井は高く、

中央には

円形の祭壇。


祭壇の上には、

青白く光る

水晶球が浮いている。


佐山は、

一目で察した。


(あれが、

中枢だ)


バルガスが

一歩踏み出す。


その瞬間。


床の魔法陣が光る。


「散開!」


ライクが叫ぶ。


四方の壁から、

影が剥がれ落ちる。


人型。


だが、

顔がない。


全身が

黒い靄で構成された、

影の兵士。


「数が多い!」


フィオが短剣を構える。


「私が抑える!」


ティファニーが

広範囲魔法を展開する。


光が、

影を焼く。


だが、

完全には消えない。


「再生してる!」


アドルが叫ぶ。


佐山は、

歯を食いしばる。


(核があるはずだ)


影の中心。


かすかに光る、

赤い点。


(あれだ)


佐山は、

小さな小石を

連続で弾く。


カン、カン、カン。


赤い点へ、

正確に。


影の動きが、

一瞬止まる。


「今だ!」


バルガスが斬り込む。


赤い点を、

真っ二つ。


影が霧散する。


ライクも、

同じ要領で

影を斬る。


フィオは

背後から急所を突く。


次々と、

影兵士が消えていく。


数分後。


祭壇の前に、

静寂が戻った。


「……助かった」


フィオが座り込む。


ティファニーは、

水晶球を見つめる。


「これが、

異変の原因……?」


アドルは慎重に近づく。


「触るな」


「まずは解析だ」


佐山は、

胸騒ぎを覚える。


(これ、

ただの装置じゃない)


水晶球の奥に、

何かがいる。


意識のようなもの。


それは、

こちらを

見ている。


気づいた瞬間。


水晶球が、

強く輝いた。


床に、

新たな魔法陣が出現する。


「まさか……!」


アドルが叫ぶ。


空間が歪む。


そして――


祭壇の上に、

人影が

形作られていった。


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