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第二十二話 解放
刻印核は、
近づくほどに
圧を放ってくる。
空気が、
重い。
肺が、
押し潰されそうだ。
佐山は、
一歩ずつ
距離を詰める。
(精神干渉……
か)
異世界では、
よくある類。
佐山は、
意識を
一点に集中する。
ミナの顔を
思い浮かべる。
怯えた目。
必死に
縋る手。
(必ず、
助ける)
刻印核の
表面に、
手を当てる。
焼けるような
痛み。
歯を
食いしばる。
拳に、
純化魔力を
集束。
外から
壊すと、
暴走する。
内側から、
砕く。
佐山は、
魔力を
結晶内部へ
流し込む。
結晶が、
悲鳴のような
音を立てる。
ヒビが
走る。
佐山は、
さらに
押し込む。
「壊れろ……!」
結晶内部で、
白い光が
爆発。
次の瞬間。
刻印核が、
粉々に
砕け散った。
衝撃波が、
広間を
駆け抜ける。
佐山は、
壁に
叩きつけられる。
意識が、
一瞬
飛びかける。
だが――
立ち上がる。
床には、
黒い粉だけ。
鼓動音は、
消えている。
佐山は、
大きく
息を吐いた。
「……終わった」
その瞬間。
胸元の
通信端末が
鳴る。
『佐山さん!』
あかねの声。
『ミナさんの
刻印反応が、
消えました!』
佐山は、
目を閉じる。
「そうか……」
胸の奥が、
少しだけ
軽くなる。
だが、
油断は
しない。
世界が
繋がろうとする
動き自体は、
まだ残っている。
それでも。
一人の少女は、
救えた。
それだけで、
十分だ。
佐山は、
出口へ
歩き出した。




