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第十四話 広がる異変


翌日。


探索ギルド本部は、

朝から慌ただしかった。


掲示板の前に、

探索者が集まっている。


「深層制限だってよ」


「またか……」


「最近多すぎないか?」


佐山は、

人混みの中で

張り紙を見た。


《第七ダンジョン

深層四十階以降

一時立入禁止》


理由。


《空間不安定化のため》


(やっぱりな)


一件で

終わるはずがない。


中枢を

破壊したとはいえ、

世界同士が

重なった痕跡は

残っている。


林野の声が、

背後からした。


「佐山探索者」


振り返る。


「ちょうどいい」


林野は、

端末を操作し、

映像を表示する。


ダンジョン内部の

監視映像。


通路が、

歪んでいる。


壁が、

脈打つように

揺れる。


「他のダンジョンでも

同様の兆候が出ている」


「原因不明」


佐山は、

静かに言う。


「似た構造の

中枢が、

複数ある可能性は?」


林野は、

目を細める。


「……あると

考えている」


佐山は、

少し考える。


(向こう側の

世界と、

完全には

切れていない)


「探索ギルドとしては、

どうするつもりですか?」


林野は、

腕を組む。


「表向きは、

自然災害扱いだ」


「だが、

水面下で

調査班を動かす」


「君にも、

協力を頼みたい」


佐山は、

即答しなかった。


目立つのは、

避けたい。


だが、

放置すれば

被害が出る。


「……できる範囲で」


林野は、

小さく笑う。


「十分だ」


そのとき。


端末が、

警告音を鳴らす。


《緊急》


《第三区ダンジョン

深層三十八階

魔力反応急上昇》


林野は、

即座に指示を飛ばす。


「対応班を

出せ」


佐山は、

一歩前に出る。


「俺も行きます」


林野は、

頷いた。


「頼む」


佐山は、

装備を整える。


(まだ終わってない)


異変は、

始まったばかりだ。


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