乱入??
本当にどうでも良いかもしれないが髪の毛を他人に切られていると心地良くて眠ってしまう。
何故今それを言ったかって?
気づいたら寝てたから。
「出来ましたよー!」
彼の威勢のいい声で起こされる。
鏡の目の前には新しい俺が座っていた。
「……良い感じ。まだマシになったじゃない」
なんとここも彼女が支払ってくれた。
「支払ってくれるのはありがたいけどお金の方は大丈夫なのか?」
「学長が学費を代わりに払ってくれるから、だいぶ楽になったわ。安心して。必ずそのお金は将来稼いで学長に返すから」
「返さなくても良いと思うぞ。あいついつ死んでもおかしくないし」
「あのね……貴方、義理でも学長の息子なんでしょう?それだったら親孝行するように……」
長ったらしい説教が始まった。
彼女から目を逸らそうと辺りを見ていると一人の人物と目があった。
あいつだ。俺の孤児院時代の名前を知る謎の女。
そいつは駆け寄ってきてはいきなり抱きついてくる。
「すごっ!かっこええやん!男前になったなぁ。惚れてしまいそうやわ」
最初に会った時と全然違う。
あのミステリアスさはどこいったんだよ。
「今暇なん?先輩と遊ぼうや」
横にいたクレアが俺とそいつをとんでもない力で引き剥がす。
「胸、無理に当ててるの、きついよ」
「あ?誰やねん」
「貴方こそ誰?」
「うちか?うちは先輩やぞ」
「だからなんだって言うの?」
周囲がざわついている。
「あの男が二股したのよ」
「まじかよ。最低だな」
「見るからにたぶらかしそうな見た目してるもん」
クレアの趣味ボロクソ言われてる。
結局悪口は全部俺に収集するんだけどな。
「貴方は趣味が悪いのね。こんな軽そうな女と知り合いだなんて……。ご飯食べに行くわよ」
クレアが俺の手首を引っ張ると
「軽そうだなんて。そんな胸を強調した服を着たあんたもやばいんやない?」
彼女は俺の首を掴む。
絶対掴む場所違うよな。
「離してくれる?」
「そっちが離せや」
「そっちが先に離して」
「いいや、そっちが先に」
意識が飛びそうだ。さんそほしい。
「ふん、私は大人だから。貴方の"ストーカー"も認めるわ」
「はぁ?まぁええわ。ついて行かしてもらうで」
ようやく二人から解放され、手首をマッサージし、呼吸をし続ける。
「何してるの?キモいんだけど」
「ほんまよ。キモいからやめといた方がええで」
マジでこいつらしばきたい。
俺は自称先輩の首元に視線を送ると何かのマークが見えた。知っているようなマークでもあるし、知らないようなマークでもある。
ただのオシャレのためとは思えなかった。
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