表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/48

第8話:新たな友情の始まり

姫歌が目を覚ますと、天蓋付きの豪奢なベッドに横たわっていた。


「ここは…?」


国賓が接待される最高級の部屋。


輝く調度品。ふかふかの絨毯。


目を見張るほどの美しさが目の前に広がる。


しかし、薄汚れた自分を見て、姫歌は嫌悪感を覚えた。


「このままじゃ、まともに話もできない…。」


彼女はプロンプトを開き、衣服を生成した。


白と金の繊細な刺繍が施された高貴なドレスへと変化する――


その直後、侍女が駆け込んできた。


「王女様がお話しになりたいとのことです…どうか逃げないでください。」


王女――この国の最も高貴なる存在が、自分にわびたいというのか。


しばらくすると、王女が部屋に入ってきた。


「兄や家臣たちが犯した数々の無礼…どうか許してほしい。」


その姿は威厳に満ちていたが、目の奥には誠実な思いが宿っていた。


「私はこの世界の『聖女』の役割を知っている。歌を歌い、寿命を分け与え、誰かのために命を使うことは、聖女にとっての幸せな生き方なのだ。」


王女は静かに語る。


「寿命を分け与えた者の魂は、今も多くの人々の中に息づいている。たとえ夭折しても生涯忘れられることはない――誰よりも幸せだったのだ。」


姫歌は ぎゅっと拳を握った。


「でも…私は、もう何も失いたくない。」


王女はゆっくりと首を振る。


「国民の健康寿命が延びれば、国は発展する。国が発展すれば、国民の暮らしも豊かになる。だからこそ…聖女として、歌を歌ってほしい。」


沈黙する姫歌。


「すぐに返事はいい…考えておいてくれ。」


そう言い残し、王女は去った。


それから王女は毎日やってきた。


彼女の年齢は姫歌と近く、互いに打ち解けていく。


王族らしからぬ遊びを楽しみ、夜更けまで語り合う。


そして姫歌は再び、心を許せる友を得た――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ