暗闇に包まれた地
レット、ルミナス、ニュイ、デュランは不気味な暗闇が包む森の中を歩いていた。
「さっき言ってた魔物って何ですか?」
歩きながらレットが質問すると後ろを歩くニュイが笑顔で答えた。
「悪魔が作り出した眷属です。私たちはこの森から魔物が出ないように戦いながら悪魔を倒すために行動してるんです」
「へぇー悪魔ってなんなんですか?」
「さぁそれは私たちにもわかりません。突然現れたのです・・・・・・そしてここら一体を暗闇に包みました」
「暗闇で包む?今は夜だから暗いんじゃないんですか?」
「ここはどの時間でも太陽が差すことはありません」
「そんな場所があるとは」
二人が話していると先頭を歩くデュランが立ち止まった。
「ニュイ様見えました」
デュランの視線の先を見ると山肌とポッカリ空いた洞窟が見えた。先は暗闇が広がっており奥を視認することはできない。
「ニュイ様。後方は私が守りますゆえお先にどうぞ・・・・・・おい貴様らとっといかんか!!」
デュランの言葉を耳にしてレットとルミナスは身体をビクつかせるとデュランの言葉通りニュイの後をついていく。
「俺も優しく接してほしいぜ。疲れるよ」
「奇遇だなレット・・・・・・俺もだ」
杖を軽く振ると杖の先端についた白と黒の宝石が明るく輝き始め洞窟の中を照らし始めた。
「さっきも気になったんだがその杖から出る光は何なんだ?」
「魔法です。私は光と闇の魔法を使うことができるんです」
「へぇーすげー!!俺たちも覚えようぜレット!!」
「あぁテンション上がるな。俺たちにも教えてください」
「いいですけど・・・・・・私のようにはできませんよ」
「え?どういうこと魔法覚えればできるんじゃ」
「属性が違うんだ」
背後から今まで話に入らなかったデュランの声が聞こえてきた。
「まず魔法の素質はあるかはわからないし、基本一人一つの系統だ。それに魔法の属性は基本火、土、水、風の四つだ」
「じゃあ、ニュイさんの光と闇は?」
「それはニュイ様だけの特別な力だ。彼女は神に選ばれた存在なのだ。光と闇の属性はニュイ様しか持っていない」
「へぇー後で俺たちにも魔法の素質あるか見てくださいよ」
「俺も俺も」
手を挙げながらレットの意見に賛同するルミナスを見てニュイは優しく微笑んだ。
「つきましたね」
ニュイが立ち止まると目の前には分厚い鉄の壁があった。
「帰りましたよ。カラバス」
ニュイの言葉に反応したように鉄の扉が開くと中から武将髭を生やした男が出てきた。背中には矢筒を背負い、口には何かの植物の茎を加えいた。
「おう、帰ったかニュイ、デュラン・・・・・・なんだそいつら客か?」
「どうやらここに迷い込んでしまったようなのです」
「そうかそれは不幸だったな。俺はカラバス・ロックダイスよろしくな」
カラバスは握手をするために手を差し出すとレットはその手を握った。
「レット・ルダークです。よろし・・・いてっ!?」
レットの手に静電気のような衝撃が走り思わず手を離してしまった。
ニヤニヤするカラバスにニュイは頬を膨らませて怒り始めた。
「カラバス客人ですよ!!からかうのはやめなさい」
「ハッハハハ。ちょっと魔力を流しただけですよ。よろしくなレット・・・・・・えーとそっちは?」
「ルミナス・シールです。よろしくお願いします。」
「おうよろしく。そうだニュイ。エンベルトの爺さんが探してたぞ。何でも新しく作ってる武器の話をしたいとか」
「わかりました。レットさん、ルミナスさん私は先に失礼します。また後で会いましょう」
ニュイはそう言ってお辞儀すると鉄の扉を潜り奥に行ってしまった。
「私も失礼する。カラバス。そいつらの面倒頼んだぞ」
「へいへい」
デュランもニュイを追いかけるように奥へと進んでいった。
「さて、お前らも疲れたし聞きたいことがたくさんあるだろ・・・・・・まず何から聴きたい?」
「魔法について教えてくれ!!」
「魔法について教えてください!!」
「お、おう。すごい食いつきだな。まぁ中で話すか」
カラバスに連れられてレットとルミナスは奥へと歩みを進める。
「そういえばカラバスさんたちが勤めてるこの組織って何か名前とかあるんですか?」
「ん。あー・・・・・・夜明けを目指す者たち」
「夜明けを目指す者たち?なんでそんな名前なんですか?」
「ニュイがつけたんだよなぁ・・・・・・この暗闇を晴らして夜明けを共に見るために戦うとかだったかな」
「夜明けを共に・・・・・・」
レットは何か引っかかっるような素振りを見せながらもカラバスの後をついていくのだった。