この旅の目的
ミサハ王国から出発して一日がたった。カレッジ達はミサハ王国で借りた馬車に揺られながらゆっくりと進んでいた。
馬車には手綱を握るアルファスと荷台に乗っているのはカレッジとエメリア、リケイルそしてレゲンだった。
アイスノックはミサハ王国での戦いで疲れたのかそれもと満足したのか帰ってしまった。
シオンも何か考えごとがあるのか気持ちを整理したいと言ってアイスノックと一緒に帰って行った。
「しかしアルファス。フェクネスの居場所はわかるのか?」
手綱を握るアルファスにカレッジが話しかけるとアルファスは振り返らず言葉を返す。
「いえ・・・・・・わかりません」
「え!?じゃあこの馬車どこに向かってあるんですか?」
エメリアの疑問を投げかけると相変わらずアルファスは振り向かず淡々と言葉を返す。
「居場所はわかりませんがこの先に村があります。まずはそこから情報収集しましょう」
「こんなことならレミアさんに情報聞いとくんだったな」
話題が終わったせいか馬車の中を静さ包んだ。カレッジ達は少し気まずさを感じていたため沈黙を避けたかった。
なぜかいつもレゲンにベッタリなリケイルもレゲンを心配しているのかそれとも自分の親の仇と一緒にいるのが複雑な気持ちなのか、黙って外の景色を見ていた。
なぜならレゲンが不機嫌そうな顔をしながらアルファスを睨みつけいるからだ。それを背中で感じているからかアルファスも振り向こうとしない。
「そういえばミサハ王国であった騎士団長ってあんたを合わせて三人しか見なかったけど残り二人はどうしたんだ?」
沈黙に耐えられなかったのかカレッジが話題を振るとアルファスも言葉を返した。
「え、えぇ残り二人は遠征中でした。一人は私の息子なんです」
「へぇ息子さんが騎士団長なのかもう一人は?」
「もう一人はミサハ最強の剣士と謳われている騎士です。あの方なら私の息子を任せても安心できます」
「ぜひ会ってみたいもんだな」
「そう言う貴方たちも一人足りないですよね。シールの騎士団長は六人のはずもう一人はどうしたんですか?」
アルファスの言葉を聞くとカレッジは頭をポリポリとかくとめんどくさそうな顔をして質問を返した。
「あーレットの爺さんならどこにいるか知らん。まぁたぶん無事だろう」
「そうですか再会できるといいですね」
「貴方はなぜ僕たちについてきたんですか?」
突然レゲンが口を開き疑問をアルファスにぶつけた。アルファスは眉間をピクッと動かすと振り返らず
に質問に答えるために口を開く。
「王の命を守るためそして・・・・・・私の罪を精算するためです」
「・・・・・・そうですか」
レゲンは一言返すと再び口を閉じた。そしてどこか悲しそうな顔をしながらクリスタルを見つめていた。
「さぁ見えてきましたよ。目的地のアント村です」
カレッジ一行はアント村に到着したのであった。