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ナイトパーティー  作者: 内山スク
3章 脱獄囚と腐った忠犬編
33/97

利害の一致

 カレッジたちは憲兵の駐在所に行き、憲兵に捕まえたリョスを引き渡した。

「エメリア。金貨十枚やるからカフェでお茶してな。あとで行くから」

「わーいお小遣いだー」

 エメリアは金貨を受け取るとはしゃいだ子供のようにカフェでお茶をしに駐在所から出て行った。

「さてと憲兵さんよ。ちょっとこいつと二人で話したいんだがいいかな」

「えぇ、どうぞ」

 憲兵から許可をもらうと、椅子に縄で拘束されたリョスに前に来た。

 リョスは椅子に拘束されながらもカレッジを睨みつけていた。

「聞きたいことがある。お前らどうやってカラトナ要塞から脱獄した?」

「それを聞いてどうする?」

「手引きした奴がいるはずだ。その主犯を叩く」

「フッ、確かに脱獄を手引きした奴はいた。しかし顔は知らない兜で隠してたからな。それに脱獄するのに奴が言った条件はお前ら元シールの騎士を狩ることだ」

「シールの騎士だと!?」

 カレッジは驚いた表情を見せた。シールの騎士はオリジンシリーズを待つ騎士団長以外カレッジたちが皆殺しにしたはずだからだ。

 生き残りがいるはずがない。

「主犯の特徴を教えろ!!」

 すごい剣幕で詰め寄るカレッジにリョスは思わずたじろいだ。

「だから甲冑で顔を隠してたから顔はしらねぇ。火傷や切り傷が身体中にあったな」

「他には?」

「確か名前はパ・・・」

 リョスが名前を言おうとしたその時だった。突然外壁が崩れリョスの頭をメイスが叩き潰した。

 リョスの体はフルーツが潰れたかのように粉々に砕かれ肉片が床に散乱した。

 カレッジはメイスを振り下ろした方を見ると、大柄な筋骨隆々な男が立っていた。

「カレッジ・スペードだな。私はロアル。この粉砕のレプリカで殺してあげましょう」

「仲間じゃねぇのかよ・・・こいつは」

「囚人に仲間意識などないさ。あるのは利害の一致のみ」

 物音を聞きつけ憲兵が部屋に突入してきた。

「こ、こいつは手配書に載っている!!カラトナ要塞から脱獄したロアルだ。元肉屋で、人を殺してその肉を食べる食人鬼だ」

 カレッジはブレイドを抜刀し叩きつけるように斬りつけるとロアルの巨体を物ともしないように簡単に外に叩き出した。ロアルは建物の外壁に倒れ込み、外壁が崩れ落ちた。

「憲兵さん。二人目連れてくるから金の用意しといてね」

 そういうとカレッジは砕かれた壁から外に出て、再びロアルに斬りかかる。ロアルはカレッジのブレイドをメイスで受け止めた。

「リョスから聞けなかった分はお前から聞くことにしよう」

「できればな」

 ロアルはメイスで壁を殴ると殴った周りがブロックのようにバラバラに崩れ落ち破片がカレッジに飛んできた。

「くっ!?」

 カレッジが破片をガードするとロアルは蹴りを叩き込んだ。

 吹き飛ばされたが体勢を立て直そうとしたその時。

 カレッジの頬に何かが掠った。掠った箇所から血が頬につたってくる。

 矢だ。どこからか狙撃されている。

「二人で来るとは考えたな」

「言ったはずだ。我々は利害の一致のみで行動していると」

 再びカレッジ目掛けて飛んできた矢を躱すとカレッジは街の路地に入った。

「狙撃手が厄介だな。先にこっちから潰すか」

 追ってくるロアルと戦いながら狙撃手を探し、街中を走り回るのであった。

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