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ナイトパーティー  作者: 内山スク
2章 吸血鬼編
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死んだ町

 カレッジとエメリアはレミアの元に仕事を受けにきていた。

 カレッジがギャンブルで金を使ってしまい一文なしになってしまったためである。

 リケイルも一日前に仕事を受けに来てどこかへ行ってしまった。

 レゲンはカレッジを迎えにいった昨日の夜から調子が悪いのか家で寝こんでいた。

「仕事ねぇ、まぁあるけど安いわよ」

「師匠が金遣い荒くて、安くても受けるしかありません」

 カレッジは申し訳なさそうな顔をしつつ、レミアとエメリアを見つめる。

「キャバストの街からで、イノシシ退治をしてほしいですって」

 レミアは紙を見せつつ依頼を説明する。その紙を見ながらカレッジとエメリアは頷き合うとこの仕事を受けることを決めたのであった。

「あぁそういえばリケイルが受けた仕事も場所が近かったわね」

「リケイルはなんの仕事受けたんですか?」

 レミアはクスッとあやしい笑みを浮かべた。

「話を聞いてほしいって言う依頼主がいたの・・・リケイルをご指名してね」

「なんですか?その依頼」

「さぁね」

 レミアの笑みにカレッジは首を傾げた。

「ところで話は変わりますけど、レミアさん吸血鬼って信じますか?」

「なに突然?あなたがそんなこと話すなんて珍しいわね」

 カレッジは昨日のレゲンの言葉を思い出しつつ、レミアなら何か知っているかもしれないと思ったから興味本意で聞いてみようと思ったのだろう。

「いや空想上の生物っているのかって話をレゲンとしまして」

「うーん。伝承は聞いたことはあるけど、実際に見たことも、聞いたこともないから知らないわね」

「エメリアはどうだ?」

 カレッジがエメリアを見るとなにやら目を細めてカレッジを睨んでいた。

「師匠・・・リケイルさんを吸血鬼呼ばわりしてるとまた怒られますよ」

「いや、違うから!!!」





 依頼を受けエメリアとカレッジはキャバストの町へ向かった。

 町の近くに来たのに町の周辺はとても静かだった。鳥の声すらしない。

「なんか静かすぎやしないか?」

「そうですね。人影も見えませんし」

 人の声も気配もしない。

 ただ風でひしめく木と葉が揺れる音しかしない。

 鼻にこべりつくような、腐った匂いが周りに漂っている。

 町の入り口から奇妙な物を目にすることとなった。

 住民たちが皆眠るように倒れていた。

「な、なんだこれは?おい大丈夫か」

 カレッジは住民に駆け寄るが皆呼吸をしていない。触ってもただ冷たい感触が手に伝わってくる。

 あきらかに死んでいる。

 外傷はなく誰かに殺されたような様子や争った形跡はない。

 カレッジは住民の男の一人の遺体を体を調べると首筋にHのような呪印を見つけた。

「なんだこれは呪印か?」

「師匠なんですかねこれ?他の人たちにも似たようなマークがあります」

「わからんが原因は恐らくこれだろうな。キャバストの町の人口は五百人・・・町を見回ってみよう」

 カレッジとエメリアは町を探索したが、家の中も外も眠るように衰弱死した死体が転がっているだけだった。

 エメリアが風の探知魔法を使ったが、生命反応はなかった。

「やはり、この呪印が死因だろうな。住民や動物全てにあった」

「町の住民全てを殺すなんてなにが目的なんでしょう」

「さぁな、一つわかるのはこれはレプリカの能力だろう」

 カレッジとエメリアが話していると一人の女性が近づいてきた。

 それはカレッジたちのよく知る女性だった、黒い髪を後ろでまとめた美しい顔立ち、手首に赤いルビーのような宝石が三つついた黒いブレスレットをつけた女性リケイルだ。

「リケイル・・・なぜここにいる。仕事に行ったんじゃないのか?それにこの町の現状はなんなんだ。ここで何が起こった?」

「カレッジ・・・合わせたい人がいるわ。そしてその人はこの事件の真相を知っている」

 リケイルはどこか悲しそうでもあり、どこか決意をしたような目をしていた。

「誰なんだ?その人ってのは」

「私の先代のブルートランスの継承者・・・フリーメ・ブラットよ」


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