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ナイトパーティー  作者: 内山スク
1章 盗賊騎士団編
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決闘の行方

 盗賊騎士団の団長は息を切らして森の中を走っていた。

 カレッジたちが盗賊騎士と戦っている間に逃げてきたのだ。

「なんなんだ、あいつら部下たちをまるで虫のように簡単に倒しおって」

 突然盗賊騎士の団長の右大腿部からコインサイズの穴が空き血が吹き出した。

「ぐっわぁ」

 突然のことに混乱し痛みから地面に転がるように転倒した。

 「待ってくださいよ・・・団長ぉー」

 暗闇からアイスノックがゆっくりと出てきた。そして指から水の弾丸を盗賊騎士の団長に放った。

 水の弾丸は左の大腿部を撃ち抜く。

「ぐわぁ」

痛みでのたうち回る盗賊騎士の団長にアイスノックはゆっくりと歩いて距離を詰めた。

 アイスノックはメタモルフィアを剣の形にするとゆっくりと盗賊騎士の団長に近づき見下す。

「ま、まて!!取引しよう我々盗賊騎士が盗んだ宝や金はやる。だ、だから命だけは」

命乞いもむなしくアイスノックは容赦なく団長に剣を振り下ろした。

「うわぁぁぁぁ!!」

ドシャという鈍い音があたりに木霊すると、盗賊騎士団の団長の腹はパックリと斬れそのまま動かなくなった。

「命はとらねぇよ。あんたにはまだ役目がある」





 カレッジたちがやってきた頃には盗賊騎士の団長はアイスノックに倒されており、アイスノックは左手に銀の剣を、メタモルフィアで剣の形に変化させた剣をもちカレッジたちを待っていた。

「カレッジ!!決闘の続きといこうか、こいつはまだ生かしてある。こいつは生け取りのみ賞金が入るからな」

 確かに盗賊騎士の団長はピクピクと動いており、確かに生きていることがわかる。

 カレッジはブレイドを抜刀しお互い睨み合う。

「長引かせるつもりはない。一撃で決めるぞ」

「無論。そのつもりさ」

 エメリアやリケイル、レゲンも黙って戦いの行く末を見守る。

 一瞬風が吹いた。その強さに風にエメラナ目を一瞬つぶる。

 再び目を開けるとカレッジとアイスノックの位置が入れ替わっている。

 先程の一瞬ですれ違いざまに斬り合ったのだ。

 それを証拠にカレッジの腹にはアイスノックが先ほど持っていた銀色の剣が突き刺さっていた。

「ぐはっ」

 腹から刺さった剣は背中まで貫通し、剣の痛みにカレッジは思わず膝をつく。

 辛そうな表情を物語るよるに銀色の剣からカレッジの赤い血が剣をつたい地面に水滴のように一粒づづ落ちていく。

 だが次の瞬間ボトッという何かが落ちる音がアイスノックの方からした。

 アイスノックの左手が地面に落ちた。

 アイスノックは斬り落とされた左手を冷静に見てしばらく固まっていた。

 そして数秒してアイスノックは振り返ると清らかな笑顔を向ける。

「俺の・・・負けだ。このまま戦っても恐らく負けるだろう。お前の勝ちだカレッジ・スペード」

 エメリアたちはカレッジに駆け寄る。カレッジは痛みから呼吸は荒く、大量の汗をかいていた。

「先輩剣を引き抜いてクリスタルで止血します」

 レゲンはそういうとカレッジの腹に刺さった剣強引にを引き抜いた。

「グアっ」

 剣を引き抜かれカレッジは苦悶の表情を浮かべる。

 レゲンはクリスタルを腹と背中の傷口をなぞるように当てると傷口の血は結晶化し止まった。

 そしてレゲンはアイスノックの元に近づくとクリスタルを向けた。

「アイスノックさんも止血するので手出してください」

 アイスノックは黙ってダラダラと血をこぼした左手を差し出すと、手から出た血は結晶化され止血された。

「あんたら、レゲンくんがいたから止血できたんだからね。感謝してよね」

 リケイルの言葉に四人はこのブラコンがと言いたそうな呆れた顔でリケイルを黙って見つめていた。

 アイスノックは引き抜かれた銀の剣回収し納刀した。

「カレッジ。またどこかで会おう」

 そう話すとアイスノックは森の中の暗闇に静かに消えていった。

「大丈夫ですか。師匠?」

 エメリアが話しかけるとカレッジはエメリアの顔を見てニカッと笑った。

「これぐらいは慣れてる。たいした傷じゃないさ。それよりもお前が無事でよかった」

エマリアはカレッジの笑顔を見たせいか顔を赤くした。

「罪な男ね・・・カレッジ」

「先輩、純粋ですからね」

 リケイルとレゲンが笑いながらエメリアを見ていると、気づいていないのかカレッジは頭に?マークを浮かべていた。

 四人は下山し、町に戻ると盗賊騎士団の団長を憲兵に引き渡し賞金をもらい帰路に着くのであった。


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