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ナイトパーティー  作者: 内山スク
10章 ルーラ王国編

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敬意を示し我が全霊を持って討ち滅ぼさん

 ルーラ王国の城内の中庭では、リケイルとレゲンがルーラの騎士達と戦っていた。

「どうしたの?もっとあたしを楽しませて見せなさいよ!」

 リケイルはブルートランスを振り回し、ルーラの騎士達を挑発する。

 近くで見ていたレゲンは呆れたような顔をしていた。

 ブルートランスに血を吸わせすぎた影響か、はたまたリケイルの戦闘のスイッチが入ってしまったのか完全にハイになっている。

 レゲンはそんな彼女を止めるのも面倒になっていた。

 確実に敵を仕留めるレゲンとは裏腹にリケイルは暴れるように敵を薙ぎ倒していく。

 まるで熊かライオンのような獣に、ウサギなどの小動物が挑むような印象を周囲に与えていた。

 そんな戦い方をしているといつのまにか敵を殲滅していた。

「ここはこれで終わりですかね。姉さんそろそろ城内に入りましょう」

 レゲンはリケイルに声をかけるために振り返ると、中庭の入り口に誰か立っていた。

 レゲンにはその人物に見覚えがあった。

「ケルスさん?」

 名前を呼ばれた女性はゆったりとした足取りでレゲンとリケイルに近づいてくる。

「なぜあなたがここに?」

「決着をつけに来たのね」

 レゲンの言葉を遮るようにリケイルが言葉を放った。

 ケルスはどこらかもっきた剣を抜き、鞘を地面に投げ捨てた。

 剣の刀身には、血管がまとわりついたような装飾が施されておりまるで人の血管を貼り付けたような不気味な見た目をしていた。

「えぇ・・・ルーラの騎士としての役目を果たしにきたわ」

 ケルスが手に持った剣を構えると、空中に剣が出現した。

 剣は刀身をリケイルとレゲンに向けると、矢のようにレゲンリケイルに襲いかかった。

「くっ!」

 レゲンはクリスタルを使い、襲いかかってきた剣を叩き落とすが剣はどんどん空中に出現する。

 リケイルも的確に剣を叩き落とすが、ブルートランスの巨大さから小回りがきかず、剣がリケイルの肌を傷つけた。

「どう?操剣のレプリカは。重力のレプリカよりは効くでしょ?」

 ケルスが笑みを見せると、リケイルも笑って見せた。

「えぇ。前よりは効くはだけど、あなたは私の切り札を忘れてるわよ」

 リケイルはブルートランスを大きく振い、剣を叩き落とすとブルートランスに手をあてた。

「本当の使い方はもう知ってるわよね?ブルートランス解放よ!」

 その言葉ともに黒い触手がリケイルを包み込み黒い球体を作り出した。

 だがケルスが操る剣は次々に黒い球体へと突き刺さった。

「姉さん!」

 レゲンが言葉をかける頃には黒い球体は剣が埋め尽くしていた。

 しかし、黒い球体は卵が殻を破るように砕け散ると中から無傷のリケイルが出てきた。

 青い体毛をした獣の皮を鎧のように、身につけた姿となって。

「さぁ・・・本気でいくわよ。ケルス」

「来なさい!リケイル」

 飛来してくる剣を超スピードでかわしながらリケイルはケルスとの距離を詰めていく。

 そして剣を一本も受けることなく、リケイルはブルートランスをケルスに突き立てる。

 ケルスは空中に生成された剣を掴み、両手に持った二本の剣と空中を浮遊した無数の剣でブルートランスを受け止めた。

 しかし、それもただの時間稼ぎにしかならなかった。

 ブルートランスは無数の剣を跳ね除け、ケルスを目指し突進していく。

 リケイルはすぐにケルスの元へと到達した。ケルスの持つ二本の剣がブルートランスの直撃を防ぐが、破られるのも時間の問題に見えた。

「くっ!ここで負けるわけにはいかない。ガロンの想いを無駄にするわけには・・・いかない」

 ケルスは目線を空中に向けると、空中に数百の剣が生成された。

 生成された剣はリケイルに雨のように降り注いだ。

 剣の雨を浴びている隙にケルスは岩魔法を使い、岩の壁をリケイルとの間に生成した。

 無限に思える剣の雨を受けながらも、リケイルはブルートランスに込める力は緩めることはなかった。

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 ブルートランスは岩の壁と剣の防御を突き破った。

 ケルスの身体にブルートランスが突き刺さりそうになったその瞬間。

 リケイルはブルートランスを大きく振り払い、ケルスに叩きつけた。

「ぐはっ!」

 ケルスはブルートランスを叩きつけられた勢いにより、城の壁へと叩きつけられた。

 ケルスはそのまま意識を失ったのかズルズルと力無く、倒れ伏した。

 リケイルが変身をとき、獣の鎧を脱ぐとレゲンが駆け寄ってきた。

「珍しいですね。姉さんが止めをささないなんて」

「死ぬ覚悟ができてなかったからね。誰かの役目を引き継いできたけど死ぬことを恐れてた感じがしたの」

 リケイルの顔は雪のように白くなっており、血液の循環が足りないように見えた。レゲンが声をかけようとするも、リケイルは言葉を聴く気がないと言わんばかりに背を向けた。

「早く場内に入るわよ」

「・・・そうですね」

 レゲンはそれ以上リケイルに言葉はかけなかった。

 相手に敬意を払って、切り札まで使ったのだから心配するのは侮辱に他ならないからだとリケイルの背中が語っているように見えた。

 レゲンとリケイルはルーラ王国の城内へと進行するのであった。

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