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ナイトパーティー  作者: 内山スク
10章 ルーラ王国編

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夜空の激闘

 ガロンはコキリと指の関節を鳴らすとカレッジとアイスノックに冷たい視線を向けた。

 カレッジとアイスノックの二人に緊張が走った。

 変化したガロンから感じる威圧感。そして巨大な生物に押し潰れそうになっていると錯覚するほどの圧迫感が二人を包み込んだからだ。

 アイスノックはメタモルフィアでできた義手に手を当てた。

「メタモルフィア解放!!」

 アイスノックが叫んだ瞬間だった。

 カレッジの隣に立っていたはずのアイスノックは後方へと吹き飛ばされていた。

 そしてアイスノックが立っていた位置には、ガロンが立っていた。

 目にも追えないスピードでアイスノックを攻撃して吹き飛ばしたのだ。

 カレッジはブレイドを咄嗟に構え、ガロンに斬りかかった。

 キンっという金属音が響きわたった。カレッジのブレイドをガロンは手で受け止めたのだ。

「カレッジよぉ・・・お前も武器を解放したらどうだ?」

「へぇー本当の使い方を教える時間をくれるのか?」

 カレッジは冷や汗をかきながらも不敵に笑みを浮かべた。

 カレッジがガロンに反応して斬りかかったのは火魔法の瞬間強化によるもの偶然だった。

 恐らくアイスノックが吹き飛ばされた時点で斬りかかったっていなかったらカレッジはやられていた。

「じゃないと勝負にならないからな」

 ガロンは言葉を終えると同時にカレッジのブレイドが凍りつき始めた。

 剣をつたい冷たさがカレッジの手に伝わってくる。剣を持つ手が痛み、赤くなってくる。

「ぐはっ!!」

 突如ガロンの身体が吹き飛んだ。

 朱色の鎧に身を包んだアイスノックがガロンに飛び蹴りを喰らわせ、ガロンを吹き飛ばしたのだ。

「お返しだぜ。トカゲ野郎」

「アイスノック!無事だったか」

「あぁなんとかメタモルフィアが間に合った。衝撃は殺しきれなかったけどな」

 吹き飛とばされたガロンは城の壁にめり込んでいたが何事もなかったかのように、動き始めた。

「やはり一筋縄ではいかないか・・・」

「ガロン・・・俺のブレイドの本当の使い方を聞きたがっていたな」

「ああ、お前が本気を出して対等だ」

「じゃあ教えてやるよ。ブレイドの本当の使い方は本当に斬りたいもの口にすること!」

 カレッジは白と黒の剣を合わせると、剣が光輝き始めた。

「俺が本当に斬りたいものは無そのもの」

 剣の光が収束すると光の中から灰色の剣が現れた。

 剣が一つになったことを確認するとガロンは笑みを見せた。

「さぁ見せてくれよ。その剣の力を」

 カレッジは灰色の剣を振ると空を斬った。

 まるで空間が切れたように景色が切断された。

 ガロンは咄嗟にその場から左に交わすと胸部から血が吹き出した。

 先ほどまでガロンが立っていた場所は床から壁にかけて斬撃のような跡ができていた。

「フフッ本当の使い方が何かと思えば、戦友の真似事とはガッカリだぞカレッジ!!」

「真似事かどうかはその身で確かめな!!」

 激昂したガロンは翼を広げカレッジ目掛けて突進してきた。アイスノックはカレッジの前に立つとガロンを受け止めた。

「俺も忘れてもらっちゃ困るぜ」

「忘れてないさ」

 ガロンは口を開けると、口の中が白い光に満たされた。

 口の中の光は閃光を放つと吹雪のようなブレスが吐き出された。

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 アイスノックはブレスの勢いに後方へと吹き飛ばされた。

 するとアイスノックを飛び越えるようにカレッジが出てくるとガロンに斬りかかった。

 ガロンは腕で剣を受け止めようとするが、その手を咄嗟に引っ込めた。

 床を足で思いっきり踏みつけると氷の壁がガロンとカレッジの間に生成された。

 カレッジはそのまま剣を振り抜き、氷の壁を斬ると氷の壁は紙を切ったかのように簡単に切断された。

「どうした?受け止めないのか」

「・・・その剣、斬るという領域にないな。空間そのものを斬っている。いうならば切断したという概念を押し付ける力だな」

「たった一太刀でそれを理解するとはな」

「その剣を防御しようとはもう思わないさ」

「へぇーならこいつならどうなるんだろうな」

 ガロンが後ろから響いた声に気がついた時には遅かった。

 アイスノックがガロンに抱きつくように掴み、ガロンの動きを封じた。

「何!?」

「このまま斬られたら避けられないだろ。やれ!カレッジ」

 カレッジは剣を構えるとガロンに飛びかかった。

「チィッ」

 ガロンは翼を広げると、アイスノックを抱えたまま、城外へ飛び出して行った。

 暗い夜空に運ばれるとアイスノックは鎧を変化させ鎧から棘を作り出すが、ガロンの硬い鱗は棘を通さなかった。

「悪いが男と夜空を眺める趣味はないぜ」

「ならこの上空から地上に叩きつけてやろう。お前のその武器衝撃は殺せないんだろう?」

 ガロンはそう話すと勢いよく地面に急降下した。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」

 アイスノックにはどうすることもできない。

 雲を突き抜け地上が見え始めた時、地上から一つの光が見えた。

 その光は地上へと急降下してくるガロンへと迫っていた。

 カレッジが剣を構えて向かってきていた。片手から火魔法で火を噴出し、その勢いで地上から飛んできたのだ。

「いいだろう。このまま衝突して二人まとめて殺してくれるわ!」

 ガロンが衝突しようとそのまま速度を上げるとカレッジは灰色の剣上空で振るった。

 するとカレッジの姿が目の前から消えた。

「な、なに!?いったいどこに」

「上だよ。ガロン・バレル」

 声がする方向を振り向くと、カレッジがガロンより上の上空にいた。ブレイドで空間を斬りガロンの近くに移動したのだ。

 カレッジはそのまま灰色の剣を振るうと、ガロンを切り裂いた。

「・・・く、クッソ」

 切り裂かれたガロンの背中から血が噴き出し、翼は切断されるとアイスノックを離し、地上に力無く落ちていった。

「終わったな。カレッジ」

「・・・あぁ」

 カレッジは落ちていくガロンを悲しげな表情で見つめていた。

 自分達も落下している最中なのに。

「おい、これ着地どうするんだ!?」

「お前のメタモルフィアでどうにかならないのか!!」

「メタモルフィアは衝撃を殺せねぇ!!お前のブレイドでなんとかしろ」

「俺だって魔力空だよ!!」

「じゃあどうするんだよ!」

「どうにもならなねぇよ!!」

 二人は上空で言い争いとれる手段が何もないことを理解すると。

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 二人仲良く地上に落ちてゆくのであった。

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