悪魔の遊戯
暗雲立ち込めるミサハ王国。
ミサハ城の屋根の上で、タンティアは腕を組みながら城下町を見下ろしていた。
いや身体はタンティアだが中身は違う。精神は今残酷な悪魔に乗っ取られている。
吹き荒れる強風がタンティアの長く綺麗な白髪をたなびかせる。
「・・・・・・久しいのう、三百年ぶりかのう」
タンティアの言葉を聴いている者が一人いた。
左手の薬指に桃色の宝石がついた指輪をした銀髪の男、レット・ルダークだ。
「あぁ久しいなララキューレ。もう二度と会いたくなかったけどな・・・」
レットの手には銀色の剣が握られていた。
レットがタンティアに向ける顔は憎悪に満ちていた。
「フフッそう怖い顔をするな。言葉使いも変えなくて良いのか?」
「周りに歳をとってないと思われてるからな。内面だけでも歳をとったフリをしないといけない・・・だがお前には無用だろう?」
「変なところは真面目じゃのぉ・・・で?その剣で妾を殺すのか。このか弱い女子の妾を?」
「殺すさ。だってお前は今、力が使えないだろ?」
レットの言葉を聴いてララキューレは振り向くと手を広げて見せた。
まるで斬れるものなら斬ってみろといいたそうだった。
「ハハハハッ、残酷じゃのぉ。不夜の魔女が聴いたら悲しむぞ」
「ニュイには向こうで行ってから謝るさ!」
レットはララキューレに斬りかかるが、間に何者かが割り込んできた。
ルイがレットの一撃を受け止めたのだ。
「お下がりください。姫様」
「うむ。ルイよ騎士団長達は回収してきたか?」
「ええ・・・・・・エクサ以外は」
「よいよい、では帰るとしよう」
ルイは剣でレットを弾き飛ばすと空間を切り裂いた。
ルイの振るった剣の軌跡は三日月状の空間の歪みを作り出した。
「待て、ララキューレ!なぜ魔物を生み出している?お前の復活のためか!」
「そうじゃのぉ・・・ゲームに勝った褒美に教えてやろう」
ララキューレはルイの後ろで不敵に笑みを浮かべていた。
「ハイレプリカは妾が作った触媒よぉ。ハイレプリカで人間の欲望や執着心を集めることで妾の力となる」
「欲望や執着心?」
「そうじゃ人の罪の根源と言っても過言ではない。ここにも適正者がいたからの」
突然城から「キャー!!」という女性の悲鳴が響いてきた。
「早く行かぬと犠牲者が出るぞ」
「ク、クソ! 待てララキューレ」
ララキューレとルイが歪みに入ると歪みは消え去った。
レットは急いで屋根から降り、城内に入ると廊下は血まみれになっていた。
廊下の奥には緑色の肌をした大きな影が一つ。
長く尖った鼻、白髪のボサボサの髪、手には剣を持ち剣先は床につけ引きずるように持っていた。
その姿はまるでゴブリンのようだった。
ゴブリンはレットに気がつくとレットに向かって走り出した。
「レット・ルダーク!!!!」
ゴブリンは勢いよく力任せに剣をレットに振り下ろした。
レットは振り下ろした剣を持っていた剣で受け止めた。
レットにはその剣の感覚とゴブリンが発した声に聞き覚えがあった。
「お前!?クレイか!」
「レット・ルダーク!!」




