豪傑なる凍将
ミサハ王国の南側では一人の騎士が血に濡れたレイピアを持ち立っていた。
周りの草原にはミサハの兵士の死体が転がっていた。
転がっている死体には綺麗な穴がぽっかりと空いており、喉や胸の中央にコインサイズの空洞が作られていた。
ガロン・バレルはレイピアを振い血を払い落とした。そしてまた城門へと歩みを進める。
そんなガロンの前に無精髭を生やした黄緑色の鎧を着た男が立ち塞がった。
「止まってもらおうルーラの騎士・・・・・・これ以上の侵攻はマグナ・ルミナスが許さない」
マグナはスパイクがついた籠手を構えた。ガロンはレイピアを自身の胸元に近づけ切先を上に向けた。
「許さない?俺は誰にも許してほしいなんて思っていないさ。俺がお前らと戦うのは同胞の信念に報いるためさ」
「・・・・・・ならばここで倒させてもらう。自身の信念を持たぬ騎士よ」
「言うじゃねぇか!!俺はルーラ王国騎士団長ガロン・バレル!!騎士としての信念がないか自分の身体で確かめな!!」
ガロンはレイピアで突きを放つがマグナは籠手でガロンの攻撃を防いだ。
「こんなものか?これでは仕留められんぞ・・・」
突きの雨が止み、マグナが腕を動かそうとするとある違和感に気がついた。
両腕が動かせず、まるで麻痺したように感覚がない。
「・・・・・・なんだこれは!?」
「固定のレプリカ・・・俺のレイピアで刺した箇所を固定できる。お前の腕はすでに動かせない」
マグナは蹴りを放つがガロンは蹴りを交わした。
「くっ・・・・・・ならば魔法ならどうだ!!」
マグナは蹴りを放ちながら風魔法で作った風の刃を飛ばした。
しかしガロンは手を目の前に出すと、水色の鏡のような物が現れた。そしてその鏡は風の刃をマグナに撃ち返した。
「ぐぁあ!!」
マグナの身体が風の刃で傷つき、身体から血が流れた。
「魔法を反射しただと!?」
「氷魔法さ。氷魔法は魔力を反射して撃ち返せる」
「氷魔法?」
「進化した魔法さ、魔法を極限まで極めた物が見る景色。ルーラの騎士団長はこれを得とくして就任するのさ。氷、岩、嵐、炎。俺たちルーラの騎士団長は魔法を極めた騎士たちってことさ」
「くっ・・・・・・化け物め!!」
「なんとでも言え」
ガロンはレイピアを構え、剣先をマグナに向けた。
「じゃあな。ミサハの騎士さん」
マグナにレイピアが届きそうになった瞬間。キンッという音が辺りに響いた。
ガロンのレイピアを何者かが防いだ。それも手を使ってレイピアを受け止めた。
「何者だ!!」
レイピアを受け止めたのはオールバックの黒髪をした男だった。そして闘志で満ちた赤い目をギラつかせていた。
「なにただの傭兵さ、こいつは前戦ったんでな。死ぬには惜しいと思って割って入らせてもらった」
ガロンはレイピアを男の手から離し、再び構えた。
「武人としてお前の名前を聴こう傭兵」
「シースルー・アイスノック」
「そうかシースルー・アイスノック。俺はガロン・バレル。貴様を殺す者だよく覚えとけ」
「やってみろよ!!腑抜け野郎!!」
ガロンのレイピアとアイスノックの左拳が衝突した。
周りに獣のような威圧感と武人の闘気を撒き散らしながら二人の戦いが幕を開けた。




