誓いか・・・誇りか
周りにいた町の住民が集まってくる中、アイスノックとパストは激しく斬り合っていた。
アイスノックが持つ剣とパストが持つハルバードを激しくぶつけ合う。
重い金属音と火花が散る中、アイスノックは笑みをこぼしていた。
「昔と変わらないなパスト!!両手があれば俺もハルバード使えたんだがな!!」
「相変わらずの戦闘狂だなアイスノック!!だがこの戦いに誇りも名誉もない!!だだの復讐だ!!」
パストのハルバードを大きく振り下ろすと、アイスノックは剣で受け止めた。
しかし、パストは片手の開いてアイスノックに向けて見せた。
するとパストの手の平から強烈な旋風が発射されたのだった。旋風はアイスノックの腹部に命中しアイスノックは後方に吹き飛ばされた。
「くっ!!」
体勢を崩したアイスノックを串刺しにしようと、パストは飛び上がり、ハルバードの先端についた鋭い槍でアイスノックを突き立てた。
突き立てたハルバードの槍にアイスノックは咄嗟に左手でガードすると、ガンっという音が響いた。
「く!!またメタモルフィアか。シールの武器を使いやがって!!」
「お前にはわからないさ・・・・・・シールの内政なんてな」
アイスノックの言葉にハルバードを握るパストの力が強くなった。
「十年シールにいなかった俺には何もわからない・・・・・・だが俺は!!あの時!!カレッジとお前と三人で誓った言葉を信じて十年間生きてきた。その気持ちがお前にわかるのか!!」
パストは顔を歪めながらもハルバードに力を込める。アイスノックはそんなパストの姿を見て悲しそうな顔をしながらも左手を大きく振いパストを弾き飛ばした。
「わからねぇよ!!誓いだけじゃ生きていけねぇんだよ!!」
「なら誓いを破った責任とシールを滅ぼした罪を清算しろ!!」
「・・・・・・責めたきゃ責めろよ。過去の清算だっていくらでもするさ・・・・・・だがな死ぬわけにはいかねぇ。俺が死んだら泣く女がいるんでな」
「女たらしがぁぁぁぁぁぁ!!」
ハルバードを大きく振りかぶるとアイスノックに叩きつけた。アイスノックはハルバードを左手で受け止めると、右手に持った剣を離し右手でパストの顔に拳を叩きつけた。
「ぐはっ!!」
パストは殴られた勢いで後方へ飛ばされるとアイスノックは息を整えるようにため息を吐いた。
「お前が受けた痛みだってこんな物じゃないだろ・・・・・・だけどな俺たちもそれ以上の痛みを受けて生きてんだよ!!」
パストの口から赤い血が垂れる。それをパストは手で拭き取るとアイスノック睨みつけた。
「・・・・・・アイスノックゥゥ!!」
二人が睨み合っていると「衛兵が来たぞ」と野次馬の一人が声をあげた。
「ッツ!?」
パストはそれを聞くと急いで立ち上がり、建物の屋根へとジャンプした。
「この戦い預けるぞアイスノック!!」
そう言い残すとパストは屋根をつたい走り去っていた。
アイスノックはそれを追わずにただ茫然と見ていた。悲しそうな目でパストの背中を見ながら。




