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ナイトパーティー  作者: 内山スク
8章 忘却の誓い編

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過去への清算

 アイスノックはフルバイエの酒場で一人酒を飲んでいた。

 つまみの干し肉を口に入れ、酒で流し込む。昼時であるためか会話も少なく静かな時間がゆったりと流れている。

 仕事が終わり息抜きに一人静かな時間を過ごしていた。そんな時だった。

「お前・・・・・・もしかしてアイスノックか?」

 突然声をかけられ声の方向を振り向くと、ボサボサの長い髪に、背中に布を巻いた細長い武器のような物を背負った男がいた。顔には三本の傷がついていた。

「ひょっとしてパストか?お前生きてたのか!!!」

「久しぶりだなアイスノック。十年振りか!!」

 二人は嬉しそうに抱き合うと、パストはアイスノックの隣の椅子に腰掛けた。

「パストお前今までどこにいたんだ?」

「あぁルーラ王国に捕まってたんだが、脱走してきたんだ」

「よく生きてたな」

「牢屋に入ってくるネズミや虫を食って生きながらえてた」

「相変わらずすごい生命力だな」

「まぁな」

 二人は酒を飲みながら談笑を続けた。久々に会った戦友を前に止まっていた時間が動き出したようなそんな感覚が二人を包み込んだ。

「そうだカレッジはどうしてる?あいつ元気か?」

「あぁ元気だよ。懐かしいな俺とお前とカレッジでオリジンシリーズを受け継いでシールを守ろうって夢を語り合ったな」

「・・・・・・あぁそうだな」

 パストの顔に影が落ちた。落ち込んだような表情を見せるパストにアイスノックは声をかけた。

「どうしたんだよ。パスト」

「アイスノック・・・・・・シール王国が滅んで四年経ってお前も辛かったよな。故郷が無くなるってのは胸が張り裂けそうだよ」

「パスト・・・・・・」

 アイスノックは深呼吸するとパストに一言告げた。

「シール王国は俺たち、騎士団長が滅ぼしたんだ」

 アイスノックの言葉にパストは一瞬目を丸くしたが、すぐに笑みを見せた。

「アハハハ、面白い冗談だなアイスノック」

 パストは笑うがアイスノックは笑い返さず、パストを見つめていた。

「なぁ・・・嘘だよな?アイスノック」

「嘘じゃない本当だ」

 言葉を吐き終えるのと同時だった。アイスノックの左手に重い衝撃が走った。そしてアイスノックの身体は吹き飛ばされ、酒場の壁をぶち抜き外に吹き飛ばされていた。

 アイスノックは首をゴキリと鳴らし、立ち上がった。

 酒場からは先ほど笑っていた表情とは真逆に怒りに満ちた顔をしたパストが出てきた。その手にはハルバードが握られていた。

「左手はメタモルフィアで作った義手か・・・・・・アイスノック。故郷を・・・国を滅ぼしたツケ払ってもらうぞ」

「悪いけどまだ払うわけにはいかないんだ。ここの酒場につけてるツケもあるんでね」

「そうかなら死で清算しろ!!!」

 アイスノックは吹き飛ばされる直前に掴んでいた、自身の剣を抜くとパストに斬りかかった。

 パストもハルバードでアイスノックの剣を受け止めた。

 静かな街に重い金属音が響き渡った。

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