永遠の夜
永い現実を乗り越えて 夢を見る
永遠に覚めない寂しい夢を
ニュイは両方にそれぞれ持つ白い剣と黒い剣を打ち付けあった。するとキーンという鈍い金属音が周りに広がった。
そして白と黒の剣は混ざり合うように光出した。
「な、なんだ!?なにが起きてるんだ」
ララキューレがたじろぐなか、光が小さくなると中から、灰色の長剣が姿を現した。装飾は何もなく、まるで燃え尽きたような灰のような色をした剣だった。
「何をするのかと思ったら剣を融合させただけか。それが本当の使い方というやつか」
「いいえ違いますよ。ブレイドの本当の使い方はこの剣が斬るものを理解していることです」
「・・・・・・何を言っている?」
ニュイは灰色の長剣を大きく振るった。ブレイドはただ空を斬っただけでララキューレには届かなかった。
「・・・・・・フフッ何も起こらないではないか。ハッタリだったか」
ララキューレはニュイに攻撃しようと手を前に突き出した。すると突然後ろに身体が引きずり込まれるような感覚がララキューレを襲った。
「な、何!?何にが起こっておるのじゃ!?」
ララキューレが後ろを振り向くと空間に亀裂が入ったように穴が開いていた。穴の中は黒い空間が広がっており、ブラックホールのように辺りのものを引きずり込んでいた。
「なんじゃこれは!!!」
ララキューレは地面から木の根を出すと、それに片手で捕まるが、下半身はすでに亀裂の中に吸い込まれていた。
「ブレイドが斬るものは空間そのもの・・・・・・この剣は空間を異次元に繋げる鍵なのです」
「こ、こんなところで忌々しい女めぇ!!」
ララキューレが叫ぶと地面から木の根の槍がニュイを突き刺せそうとニュイに向かっていた。
グサっというと音共に、地面に血が滴り落ちた。
ニュイの前にレットが立ち、身体で木の根の槍を防いだ。
「レット!!」
「言っただろ・・・・・・盾になるってな」
「人間が!!妾の邪魔ばかりしおってからに!!」
レットは木の根を引きちぎり、自身の身体から抜くとララキューレに投げつけた。
「グハッ!!」
ララキューレは木の根にあたり亀裂の入った空間に押し込められるように吸い込まれていった。
「とっとあの世に行きやがれ・・・・・・」
ララキューレが空間に吸い込まれるのを見届けるとレットはその場に脱力したように倒れ込んだ。
「レット!!大丈夫ですか!?」
ニュイが駆け寄るとレットの顔に生気はなく、肌は白くなり、身体は冷たくなってきていた。
「・・・・・・どうやら生命力を吸われすぎたらしい・・・・・・リカバリングでも治せないみたいだ」
「ダメです。レットまだ死んではいけません」
レットの目が段々と虚になり、瞼が下がる。
「ルミナスにすまないと伝えてくれ・・・・・・」
その言葉を最後にレットは動かなくなった。
目が覚めて最初に見えたのものは綺麗な朝日だった。
まるで長い夢でも見ていたかのように、身体が怠く、頭がぼんやりする。周りを見渡すとゴツゴツした岩肌と大小様々か岩が転がっていた。
地面には血で描いたような魔法陣と、ニュイが力尽きたように倒れていた。
「ニュイ!!」
レットはぼんやりした頭が一瞬で覚めた。そして何が起きたのかを一瞬で理解した。
ニュイは自分に闇魔法を使い、蘇生したのだ。
ニュイの身体はもう冷たくなっていた。闇魔法を使ってからどれぐらいの時間が経ったのだろうか、すでにニュイに生きる力は残っていなかった。
「なんでだ。なんで俺なんかを生き返らせたんだ」
「・・・・・・私は、もう・・・目の前で誰かが死ぬのが耐えられなかった。私の残った魔力を全て使いました・・・・・・貴方には生きてほしいんです」
ニュイは力無く口を動かし、小さな声で言葉をだした。
「なんでだよ!!約束しただろ。お前を眠らせないって!!孤独にしないって!!」
「約束を守れなくてすいません・・・・・・ですが・・・もう・・・満足です。最後に朝日を見て、眠れる」
「待て、目を開けろよ!!なぁ!!ニュイ!!死なないでくれ頼むよ・・・・・・」
レットは涙を流しながら、ニュイに呼びかけるがニュイからの返答はなかった。
柔らかい光が辺りを照らす中、ニュイは深い眠りについた。
今まで見れなかった夢を見るように、幸せな顔で・・・・・・




