血に濡れた槍と形を変える鎧
レット達は息を切らしながら、岩山を駆け上がっていた。
後方では魔物の悲鳴と雷鳴が響き渡っていた。
「カラバスとサエンは無事でしょうか」
(わかりません・・・・・・ですが彼らのためにも私たちは悪魔を倒さねば)
岩山を駆け上がっていくと開けた場所に出た。岩壁と崖に挟まれた岩だらけの場所にレットは見覚えがあった。
「ここは・・・・・・前にマルガンテと戦った場所」
レットが言葉を終えるのと同時の出来事だった。何が上空から勢いよく落下してきた。
落ちてきた衝撃で揺れる黒髪、額から生えた角と口元から生える鋭利な牙、その場にいる全員が見ただけで名前を思い出す。
(マルガンテ!!)
マルガンテはレット達を見ると薄ら笑いを浮かべた。
「また来たのかお前ら・・・・・・ん?そっちの女騎士は殺したはずだかな?」
(貴様の命を貰うまで死ねぬわ)
「フフッそうか、ニュイ。貴様の闇魔法で蘇ったわけか」
(ニュイ様ここは私が相手します。ニュイ様はララキューレを倒してください)
「しかし、デュラン。貴方を置いてはいけません。それにマルガンテもララキューレも強いですよ」
「なら僕も残りますよ」
「儂もじゃ」
ルミナスとエンベルトがニュイの前に出るように一歩前へと出た。
「ルミナスお前が敵う相手じゃない!!」
「レット・・・・・・大丈夫だ。策がある・・・お前はニュイさんと行ってやれ。王からの命令だ」
「ルミナス・・・・・・」
「安心しろ儂がついておる。なんとかするわい」
エンベルトとルミナスの目を見て、レットは頷くとニュイの肩を叩いた。
「・・・・・・行こう」
レットに肩を叩かれたニュイも数秒目を瞑ると小さく「はい」と一言だけ返した。
レットとニュイが走り出すとマルガンテが立ち塞がった。
「行かせると思うのか!!」
マルガンテの右手がニュイ達に届きそうになったその時。
マルガンテの手を塞ぐように黒い大槍が間に割って入った。
デュランがブルートランスでマルガンテの攻撃を防いだのだ。
「また、死にたいのか?女騎士」
(残念だが私はもう一度死んでいる・・・・・・今度は貴様が死ぬ番だ)
「おりゃ!!」
突然マルガンテの左腰に強い衝撃が走った。ルミナスがメタモルフィアを棒状に伸ばし、マルガンテを薙ぎ払ったのだ。
マルガンテは薙ぎ払われた勢いで岸壁に衝突した。マルガンテは何事もなかったかのように立ち上がると、デュランとルミナスを睨みつけた。
「いいだろう・・・遊んでやろう。貴様らを殺してその首を奴らに見せるとしよう」
「怒らせましたかね?」
(確実にな)
「好都合じゃろ。命を賭ける相手に不足はないからなう」




