新生活の始まり
次の日の朝、タクミはジンの家の庭で目を覚ました。昨日の出来事を思い出し、それが夢ではなかったことを再確認する。
「やっぱり、現実なんだ...」
タクミがぼんやりと呟くと、ソラが声をかけてきた
「夢だと思いたいけど、こんなにリアルな夢なんて無いだろ」
「ソラはやけに落ち着いてるね。」
「こういう時は冷静でいないとな、特にタクミがなんかやらかすかもしれないし。」
「ありがと、こういう時やっぱソラは頼りになるね。」
「褒めても何も出ないぞ。」
2人がそんな話をしていたら、ジンが話しかけてきた。
「おはよう、やっと起きた。」
「やっとって言っても今日何か予定とかありました?」
タクミがジンに聞くと、ジンが話し始める
「昨日は転移の影響がどうなるか分からなかったから言わなかったが、君達さえ良ければ今日から君達を鍛えようと思う。」
「鍛える...ですか?」
「そうだ、この世界は危険だし何が起こるか分からないからね。」
そこでソラが質問する
「仲間のモンスターに戦ってもらえば良いんじゃないか?」
「まずモンスターに戦ってもらうとしても最初のモンスターは自力で捕まえなければならないし、相手のモンスターが必ず君達の仲間のモンスターを狙うとも限らない。もしかしたら君達を狙ってくるかもしれない。」
ジンがそう返す
「なるほど...つまりとんでもないトレーニングでは無いんですか?」
「とんでもないトレーニングじゃないと生きていけないような世界なんだろ?やるしかないだろ」
「ソラ君の言う通り、 他のモンスターテイマーと戦うとき相手の指示で君を狙ったりするかもしれない。なんなら好んで自身だけの力でモンスターやテイマーと戦うやつもいる。だからすごくキツイトレーニングをしてもらう。それでも良いかい?」
「はい!ぜひよろしくお願いします!」
「俺らに選択肢はあってないようなモンだからな、俺からも頼むよ、ジンさん。」