絵の話をしようぜ
「今帰ったで」
「おかえり。なんかおもろい事あった?」
「エホバの商人が勧誘来たわ」
「へえ、エホバって珍しいな」
「うん」
「なんか言うたん」
「いやあ、手のいい断り文句として
『私もねキリスト教なんですが、エホバさんとは見解が異なるので
お断りします』て言ったよ」
「あんたキリスト教違うやん?」
「そうや、自由教やで」
「あんたビール飲んできたん?」
「うん。ジョッキ一杯だけや。後はドリンクバーよ」
「DVDドライブ来た?」
「うん、割と好調やで」
「割と、て?」
「なんか読み込みにちょっと時間かかる傾向があるわ」
「安もんやろ?」
「いやあ、USB1個やと繋がりが遅い事あるらしいで。
USB3.0が快適やからそのてんでは大丈夫や」
「小説家になろう」の画像管理サイトは「みてみん』だ」
「そうね」
「みてみんの中に、大人向けのとこがあるんだ。名前が『えぱれっと』
「なるほどね、それを活用しようって言うのね?」
「そや、何か見せたろか?」
「仲良しの二人。」
「こんなん何見て描いたん?」
「ウラレズビアンよ」
「知らんな」
「俺が、おっぱいとか尻とか書いたらアダルトになって
ルノワールだと、芸術だから小学生でもいいのだよ」
「それで満足?」
「いやあ、エロ絵とかってアニメみたいなんばっかりや。目が異常にでかい。
あんな女がいる訳がない。不自然だと思う。自然に帰れ!」
「ほんまか?」
「これは、パソコンで描いてるね」
「なるほどね。あんたもパソコンで描けへんの?」
「いや、かつては描いててん。まず、鉛筆で輪郭を描いて
それをスキャンして、パソコンで色付けたり、立体感を出すために影つけたりしててん。
でも背景とか描いてなかったな。女の裸だけ描いてりゃそれで満足やってん」
「ほんま」
「君の絵で詳しく描いたやつあるやろ?あれも鉛筆などで描いたが
気に入らんので、パソコン・フォトショップで修正してん。」
「私こんな顔してるかしら?」
「さあどうだか。でもみんな別嬪さんだって言ってるよ」
「ルノワールは息子も画家?」
「ちゃうで。映画監督や。黒澤明がいろいろ世話になったと言ってたよ」
「どんな映画撮ってる?」
「大いなる幻影』が有名やな。最近は短編の『ピクニック』が流行ってるみたいよ。
女優が可愛いからかな?」
「知らんなあ」
「他には『ゲームの規則』がええな。あれ一番好きや」
「見せてよ」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42418175
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42418232
(右がジャン・ルノワール、次男。左はマルセル・ダリオ、「カサブランカ」のルーレットの人)
「ルノワールの絵で一番気に入ってるのを見せて」
「お、ヌードがええな。これええわ」
「背中ね?」
「うん、この媚びるような目、顔よりでかいおしり、ええ感じや。
これの完成品ってもっと雑いで」
「まあ、ヌードはこれだけにしとこか?」
「うん、もっと普通のやつないの?」
「ピアノのお稽古。君も妹さんとこうやって練習しいや」
「譜面台の上に燭台が付いてるね」
「当り前や、19世紀やで」
「あんた絵とか売ってるの?」
「ほとんど ポストカードや絵本とかやな」
「絵画 そのものは売れへんの?」
「1度3000円で売れたな。 横田めぐみさんの絵や」
「あら?」
「まあ!」
「この絵は売れたからもう手元にないねん。色つける前にスキャンしたデータがあって
それがこれよ」
「この電車は何?阪神電車?」
「いやあ、田舎の方の電車やけど、どんなモデルだったか忘れた」
「なんで横田めぐみさんにしたん?政治的意図?」
「いやあ、単に和服姿がええなあと思うて描いてん」
「絵の値段とかどうやって決めるの?」
「そやな、最初はマリア・カラスの絵とか、3万で出したよ。売れんかったけどね」
「3万て凄いな」
「今日見に行った展覧会では9万9千円の絵あったわ」
「誰かに相談した?」
「3千円のは自分でそれぐらいが適当かと思うて決めたわ。
マリア・カラスの時は藤本芽子さん(義一さんの娘さん)に相談したわ。
で、値段を言うと『それでもいいと思いますよ』て言って下さったよ」
(↓義一さんに似てるやろ?)