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事件のにおい

沢木は仕事を終え、警察署を後にした。

1日中こき使われた身体を、気疲れした心を癒すべく、行きつけのbarに向かう途中だった。





『え、えっとー...食べ過ぎ?』





何処からか若い女の声がする。

明らかに大人の話し方ではない。





『...さぁ...突然痛くなって...』





相手は、野太く低い声。...成人した男だ。





『僕の家ね、すぐ近くなので...そこまで肩を貸してくれると助かります...』






まともな人間なら、救急車を呼んで貰うなり、薬局に薬買いに行って貰うなりする筈だ。

介抱して貰うにしても、話し方からして顔見知りではない相手に自宅を教える奴がこの世にどれだけいるだろうか。





『あ、はい。分かりました!』




「マジかっ...」




事件が起きる予感しかしない。

一刻も早く酒に辿り着きたかったが、警察官として見過ごす訳にもいかなかった。







男が包丁を構えた所で、女子高生を後ろに引っ張り、包丁を突き出した手首を掴む。



ま、間に合った...。



自分の帰路で殺人事件とか洒落にならない。





「人の良心につけ込んで...胸くそ悪い野郎だなぁ。

こっちは仕事終わりだってのに、仕事増やすんじゃねぇよ」





折角の娯楽時間を返せ、馬鹿野郎。




思い切り私情も挟み、沢木は男を力ずくで地面に叩きつけた。




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