森林の剣 歴史探訪の会 5
何度もいってみた。
が、その後は誰も〝こだま〟の呼び出しをやったことを打ち明けてはくれなかった。
このなかの誰かが、あとひとりの〝こだま〟憑きに違いないという考えは間違っていたのだろうか?
ふいに、茂が前にでた。
――あっ!
武が止める間もなく、瞬きする間に、茂は長テーブルを跳び越えていた。
さっき、永山さんと呼ばれていた女性の前に歩み寄ると、両手を振り下ろした。
武の眼には、振り下ろす瞬間、霊刀が現われたのがみえた。
「おいっ!」
武は、叫んで長テーブルを腹で押し、茂に手を伸ばした。
悲鳴を上げようと、口の前でこぶしの形にした手を合わせた永山さんが、青白く激しく光る刀で、武――偽庵の灰色の霊刀を受け止めた。
永山さんは、眉を逆立て、眼が突き出し、さながら悪鬼のような怒りの表情で吠えた。
「不意打ちとは、卑怯なり!」
偽庵は、跳ねるようにして、一歩さがった。
「やはり、お主は憑かれておったか!? 何者じゃ?」
永山さんであるはずの、その者は、もとの 2倍以上の体躯になっていた。眼玉をぐるりと動かし、手に持った霊刀の先を偽庵に向ける。
「お主こそ、何者!?」
「――友松偽庵と申す……」
偽庵は、手に持った霊刀を、ゆっくりとななめ下におろした。
「もう一度、お尋ね申す! 何者ぞ!?」
「――大伴吹負と申す!」
吹負は、永山さんのもとの声とは似ても似つかぬがらがら声を発し、突き出していた霊刀を肩にかついだ。




