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こだま憑き  作者: ブルージャム
第四部 平成編
72/73

森林の剣  歴史探訪の会 5

 何度もいってみた。

 が、その後は誰も〝こだま〟の呼び出しをやったことを打ち明けてはくれなかった。

 このなかの誰かが、あとひとりの〝こだま〟憑きに違いないという考えは間違っていたのだろうか?


 ふいに、茂が前にでた。


 ――あっ!

 武が止める間もなく、瞬きする間に、茂は長テーブルを跳び越えていた。


 さっき、永山さんと呼ばれていた女性の前に歩み寄ると、両手を振り下ろした。

 武の眼には、振り下ろす瞬間、霊刀が現われたのがみえた。


「おいっ!」

 武は、叫んで長テーブルを腹で押し、茂に手を伸ばした。


 悲鳴を上げようと、口の前でこぶしの形にした手を合わせた永山さんが、青白く激しく光る刀で、武――偽庵の灰色の霊刀を受け止めた。


 永山さんは、眉を逆立て、眼が突き出し、さながら悪鬼のような怒りの表情で吠えた。

「不意打ちとは、卑怯なり!」

 偽庵は、跳ねるようにして、一歩さがった。

「やはり、お主は憑かれておったか!? 何者じゃ?」


 永山さんであるはずの、その者は、もとの 2倍以上の体躯になっていた。眼玉をぐるりと動かし、手に持った霊刀の先を偽庵に向ける。

「お主こそ、何者!?」

「――友松偽庵と申す……」

 偽庵は、手に持った霊刀を、ゆっくりとななめ下におろした。

「もう一度、お尋ね申す! 何者ぞ!?」

「――大伴吹負おおとものふけいと申す!」

 吹負は、永山さんのもとの声とは似ても似つかぬがらがら声を発し、突き出していた霊刀を肩にかついだ。

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