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こだま憑き  作者: ブルージャム
第四部 平成編
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森林の剣  歴史探訪の会 3

 斎藤さんは、『よろい武者事件』の真相が、〝こだま〟に憑かれた者の暴力的な行動によるものであること、目撃されている三人の『よろい武者』のうち、ひとりが『歴史展望の会』の一員であったことを、ところどころ、武たちに確認しながら説明した。


「――その、よろい武者だったのは、今日、休んでる土浦さん?」

 守口さんが、こわばった声で訊いた。

「そうです。よろい武者――武士の恰好をして、橋の上で、通行妨害をしていたのです。最初訊いたときには、記憶がはっきりしないといわれていたんですが、今日になって、おぼろげに、橋の上にいたことを、思い出したそうです」


「〝こだま〟を憑かせる方法など、儂は、知らんぞ……」

 困惑した顔で、さっき青井という名だと紹介された老人がいう。小柄だが、よく響く声をしている。


「……先日、亡くなられた藤原さんの保管されていた手紙やメモを、この方たちが、持ってきてくださいました」

 斎藤さんんは、武たちのほうを向いた。

 武は、持ってきたバッグから、手紙を含む文書の束を取り出した。

「こちらに、亡き藤原氏の手紙とメモが、あります! 遺族の方から、無理をいって借りてきました」


 武が前をみると、さっき文句をのべていた永山女史を始めとする全員が、食い入るように武のつかんでいる手紙をみている。


「これから、手紙をもとに、〝こだま憑き〟について、いろいろ聞いていきます。よろしいでしょうか?」

 斎藤さんを、横目でチラッとみる。大きくうなずいている。どうやら、このまま進めても、大丈夫のようだ。

 武は、手紙の束から、一通いっつうを選び出した。

 手紙の送り主の名前を確認した。


 よし、話してみよう!

 少しずつ気が大きくなってきた武は、会員たちをみまわし、なかのひとりに向け、口を開いた。

「白石さん。この手紙は、あなたの出された物ですね?」


 べっ甲ぶちのメガネをかけた老女が答える。

「ええ、そうです」


「このなかに、〝こだま憑き〟と呼ばれる人間を作り出す手順、〝こだま〟を呼び出し、特定の人物に憑依させる方法が、かなり具体的に書かれています」

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