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こだま憑き  作者: ブルージャム
第四部 平成編
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森林の剣  新たな探索

 ほかの二人は、いったい誰なのか、武たちは、ああでもない、こうでもないと話し合ったが、結局、藤原の祖父の手紙を、もっと調べてみることになった。

 〝こだま憑き〟の呼び出し方を知っているのは、祖父に手紙を送ってきた人物か、その周辺の人物としか考えられない。武の故郷にあったような、〝こだま憑き〟の秘法を、連綿と現代にまで伝え続けている団体が、この辺りにもあるのかもしれない……。

 

 藤原の家から戻ると、コンビニ弁当を食べながら、茂と一緒に、携帯で撮ってかえった藤原の祖父の手紙を、写真を拡大して読んだ。


 読んでみてわかったのは、〝こだま憑き〟のことを記述しているのは、一人だけでなく、複数いるということだった。

 藤原は、祖父の手紙の中で、いちばん具体的に〝こだま憑き〟になる方法を書いているものを選んで、実行に移したのだ。

 が、それ以外にも、〝こだま憑き〟のことを書いてきている手紙はあった。

 武と茂は、複数の怪しい手紙を選び、その送り手を、訪ねてみることにした。


 学食で、岩瀬と落ちあった。

 岩瀬も、藤原家で写真に撮って帰った手紙を分析していたようで、互いにみつけたことを、報告し合った。


 岩瀬も、武たちと同じ結論に達していた。

 武たちと岩瀬で手分けして、手紙の送り主の所在地をまわることにした。

「ひとりで、あぶなくないのか?」

 武が心配して訊くと、

「ああ、藤原さんも一緒にまわってくれる。まだ、仕事も決まってなくて、暇みたいだし……」


 藤原さんが一緒なら、大丈夫か……。

 この街には、小さな工場がたくさんある。藤原さんが、本気で職を探せば、すぐに勤め先はみつかるだろう。

 それまでに、〝こだま憑き〟たちを、すべてみつけられるだろうか?


 藤原さんは、どうやら、あの家を相続することに決めたらしい。相続税は、なんとか分割して、少しずつ払っていく予定だという。

 前に住んでいたところには、深いつきあいをしていた者は、いないらしく、今回、知り合った武たちとの交流を、意外に大切に思っている様子だった。


 いま持っている財産は、中古の軽四自動車だけなので、それを売っぱらって税金を払う足しにするそうだ。――もっとも、相続税の全額には、まったく足りていないので、生家を維持したいと思っている伯母の援助を当てにしているらしい。


 次の日曜日、武は茂を連れて、調べた手紙の住所で、比較的近くに住んでいる郷土史家を訪ねた。

 斎藤という、その郷土史家は、運よく手紙の住所の家にいてくれて、武たちの話を驚きながら聞いていた。


 斎藤は、腕組みしながら、しわだらけの顔をゆがませた。

「やはり、〝こだま憑き〟は、実在したのか」

「――信じてもらえるんですか?」

 あっさり、肯定してもらえたので、武は驚いて大声を出し、訊き返した。

「信じるとも、我々、『歴史探訪の会』のメンバーは、皆、信じるだろう。先祖の残した記録が正しい事を、信じているからな」


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