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こだま憑き  作者: ブルージャム
第三部 幕末編
34/73

旅立ちの剣  危険 その一

 小夜たちが、脱藩してきたらしい少年のもとに向かっているとき、少年を探し当てた行商人は、すぐに別の場所を探している仲間に連絡をとった。


 行商人は、仲間を迎えに、峠の頂まで上り、そこの適当な草っ原を選んで座りこんだ。

 ふところから握り飯を取りだし、口のなかいっぱいにほうばって、いかにも飯を食いながら、休みをとっている風を装って、仲間が来るのを待った。


 八十八か所参りの巡礼の恰好をした老人と、そのお付きの者らしい、やはり同じ巡礼の恰好をした男ふたりが、連れだって、転ばないようにとの配慮なのか、ゆっくりゆっくりと登ってきた。


 行商人の前を通るとき、老人は軽くうなずいた。

 行商人は、それをみると、おもむろに立ちあがり、尻についた草の切れ端や、雑草の種を手ではらった。少し距離をあけて、巡礼の老人の後に、ついてゆく。

 やがて、彼らは下っていく街道からはずれ、林のなかに入っていった。

 目指しているのは、少年と小夜と祖母のいる、焚き木の積まれた橋だった。


 その少しあとに、道場での鍛錬を終えた三郎が、再び少年に会おうと、林のなかに入っていった。

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