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夢を持ち込む花言葉  作者: 幻中六花
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嫌な予感は、当たる。

「ん〜、いい香り。香りが強くないからこうしないと香らないけれど、爽やかでばーちゃん大好き」

「よかった!」

 未来は自分が選んだ花をウメが喜んでくれることが、とても嬉しかった。


「未来ちゃん、今日部活だったんじゃないの?」

 ウメはいつでも未来のことを気にかけた。


「1日くらい休んでも大丈夫だから。逆に毎日頑張ってるから1日くらい休ませてよねって感じ!」

 バスケットボール部に在籍する未来は、まだ1年生であったためレギュラーではなく、部活のメインは筋トレだった。


「レギュラーになれるように頑張ってね。ばーちゃん、試合観に行くんだから」

「それじゃあ頑張らなきゃ!」


 明典と好美は、そんなウメと未来の話す様子を微笑ましく見ている半面、ウメの検査結果が悪かったらどうやって2人に伝えようかと悩んでいた。



 ウメの病気は検査の結果、肺癌だった。


 明典と好美が先生から告知を受け、それをウメ本人と未来にどう伝えるか、夫婦会議が行われる。

「俺は母さんに、後悔しないように余生を生きてほしいと思ってる。やり残したことがないように、やりたいことをやってほしい」

 明典は、ウメに病名を告げる選択をした。


「未来にはどうするの?」

「未来も同じだ。母さんに言い残したことがないようにしてほしいから、未来にも告げよう」


 全ての精密検査が済んで病名を告知されたのは、ウメが入院してから10日後のことだった。


 未来が勉強している部屋に、明典が入る。

「未来、ちょっといいか?」


 ──あの時と同じだ……。


 未来の嫌な予感は、当たってしまった。

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