神木の聖女と竜呪の勇者は好きですか?
ハゼロモスは負けず嫌いな性格なのか、意地になっていた
砲台化したモンくんをベンチプレスのように
顔を赤くして持ち上げようとしていたがピクリとも動かない
「はぁ」敗北を感じたような深いため息をつく
感情が激しく動き百面相を浮かべていた
何か閃いたのか、口角が上がりニッコリとして
間に挟まるリニスカラムを利用して膝を曲げ
勢いよく一気にすり抜けると表情は眉を吊り上げ怖い顔に変わっていた
許せない!砲台を破壊してやるんだから最大の力を引き出すために神木の大木を武器に変え装備する
全身から聖なる光を発して手を伸ばす
指先が触れた瞬間だった、急に枝が伸びてきて
ハゼロモスの腕に絡みついたではないか
「え!なんで?懲らしめてやるんだから武器になりなさい」
驚いた反応をしたが語気を強め指示を出すが応えてくれなかった
【ハゼロモス様、私を使い枝を切り落として下さい】
愛刀に傷をつけたくないけど仕方がない
禍々しい臭気に触れ、一時的に拒絶反応を
起こしているけど、本体に触れれば強い思念を送られる
リニスカラムを拾おうと手を伸ばすが枝はしなることはなく固く届かない
「ぐぬぬ、足なら届きそうね」
女性には恥ずかしい格好になるが股を広げ必死に
足で引きずろうとしたが僅かに届かない
モンくんの意地悪な笑い声が聞こえてくるようだった
状況を見るや否や、つかめないように僅かに移動すると重しをかけいたのだった
【あなた同じ聖剣なのに何て酷いことをするの】
モンくんは聞こえないふりを通していた
神木の枝はさらに太くなり、腕から体の方へ伸び巻き付いていく
危険を感じて踏ん張るが吸収されるように
ハゼロモスは神木の大木の中に消えていった
めいなには助けを乞う声が聞こえたきがした
可愛らしい小さな女王さん、力を貸してください
聖女から離され使命を与えられたが恋に落ちた哀れな女の記憶
彼は意識を封じられても私を傷つけることが出来ない
体は離れようと足掻いても、私を感じて離れられない
呪いを暴走させた愛しい人を呪縛から解放してあげたいの
魅了されているリムトラとニルレルナヴァルムの瞼を手で擦り閉じると
何もかも悟ったかのように2匹の雛を連れ
アスゼルロスが眺める中、神木の大木の方に歩いていく
「あら♡クリスタルを付けた竜さんですね♡」
めいながクリスタルに触れる願いはかなったのか
粉々に砕け散り消えていく・・・
その瞬間、竜の呪いは消え去る
ベヒゼロットは不死効果を失い
悲劇の聖女と勇者・・・運命の悪戯か再び巡り合い
永遠のお別れを迎えることになるのだろう
お互いにもう一度逢いたいと願っていたに違いなく
長い時を超え願いは果たされたに違いない
ハゼロモスは吸収され、神木は奇跡の力を使い切り
この地に神木の大木は根を張る
枯れ朽ち果てるまで誰にも知られることなく
イフリーナルが聞かせてくれた物語の終焉を
アスゼルロスが、どことなく寂しそうに見守っているように見えた
【ベヒゼロット、嫌、別れたくない】
冥王が生み出した亡者に生命力を与えるリニスカラムに秘められた神秘の力が発動した
その場所が激震地かのように激しく左右に揺れ、大木がせり上がり斜めに傾く
クレーン車で吊り上げられいる光景のようだろうか
大地を掴む根がピーンと伸び、剝がれると
東西南北に分かれた四方の根に融合されていく
大木に4本の足が出来たかのように立ち上がっていた
融合された根は血の通う細い血管なのか?
ドクンドクゥン、鼓動のような音が鳴り
大木を立つように支えてい根が人の手足に変わっていた
全体から光を放ちながら伸縮していき
埋もれていたベヒゼロットらしきものが抱きしめられながら姿を出す
光はさらに眩しく周囲を光で包むと・・・
お互いに抱擁しあう、ハゼロモスとベヒゼロットに変わっていた
聖剣リニスカラムから流れ落ちる血は完全に乾ききり
【ベヒゼロット、愛している】と言い残し、ボロボロに錆びた剣に変わった
ナイアビロロ王国地下室、ジュエルエフェクティヴサークルの前に立つ、エンペンタールン
その円らな瞳からは涙が流れていた
ハァッハァッパオォーパオォー
切ない鳴き声が何度も何度も木霊していた




