70 正道の力は好きですか?
あらゆる力を奪い取り、無効化させるリリアイは侮れぬ
究極のスキル神龍形態は魔力0でも確かに使えていた
素晴らしいことだが、鳥王エンペンタールンに通じないだろう
魔王化したユリにもまったく相手にされていなかった
竜王ヴルムワームの助言が無いままではニルレルナヴァルムは真の力を引き出せない
アトバーレオンの話では幻獣化を取得しているのは3匹
恐らくまだ戦力が足りぬ、獣族と魔族、竜族が力を合わせねば
リオンを見習い、我も、命を懸け竜族を動かしてみせようぞ
竜城に着くと人影はなく・・もぬけの殻と化していた
暖かな室温で先程まで仲間が暮らしていたことが感じられ
仲間は何処に消えた?まさか!一抹の不安に襲われたが・・
集まって存亡をかけた熱い議論が行われているのだろう
鼓動が高鳴る気持ちを落ち着けながら王座絵と急ぐ
閉じられた厚い扉に遮られ僅かな声も漏れてこない
一呼吸をすると冷静に説得するのだと心に語り掛けた
長い友好関係が築かれれば申し分ないが一時的でもいい
説得して女神リリアイの倒すために一つになるのだ
ギギギィィィ、厚い扉を押し開くと静寂に包まれていた
目をカッと開く、耳を立て、匂いを嗅ぎ、慎重に分析をしたがる
受け止められない現実を思い知った・・・何ということだ!
王座は力を失い岩に変わっていおるではないか
我の忠告をヴルムワームは信じなかったのだな
愚かな事だ・・・・備えず、全の竜族を犠牲にするとは・・・
信じられないことに激戦の後が残っていないではないか
強靭な肉体を誇る我々を跡形もなく葬り去る事が出来るのはずはない
そうか!リリアイに力を奪われ、滅ぼされたに違いない
神龍形態が扱えぬものは戦う資格すらないということか?
数では補えない絶対的な能力の壁を理解してしまった
失望で急なめまいに襲われ後ずさりしながら足を滑らせ
主を失った岩化した王座に尻餅をつくように倒れた
結末が分かっていたとしても、決戦の場所に向かわねばならぬ
立ち上がろうとしたその時、どこからともなく声が聞こえてくる
絶対的な正義感か絶望、満たされない飢餓感か欲望
いずれかが必要になるが、全てが基準に満たないが仕方がないか
優れた力は生まれなくても、かりそめの王なのだから仕方がない
奥深い王座の足元にある溶岩の中から古の記憶
野望を果たされずに敗れた竜王の魂みたいなものだろうか
条件が満たされヒューヴォードヴェルの心に語り掛けていた
偏った性質が力になる、お前のような未熟な精神で我々も力を受け継げるだろうか?
竜王の称号を有しているものは今も存在しているが邪道なものだ
実に嘆かわしい、不甲斐な者たちに憤りを感じておる
心優しく温厚で正義感強かったヴルムワームは正道を得たが消え去った
行いがいいものが狙われ消え去る、実に残念で悲しい運命か
ヴルムワームは忠臣にすら冷たく、進言を聞き入れない
我の知る竜王の姿とは異なる?何の話を聞かせれいるのだ?
主には偽りの姿しか映らないのか?真の姿が見えないのか?
未熟な心のものには理解できであろうな
知らねばならぬ、得なければならぬ、邪道の導かれた者共に光を示すために
覚悟はあるか?歴代竜王の秘訣はここに眠る
ヒューヴォードヴェルよ、取得せよ!
答えを返す間を与えることなく強制される
選択など初めから無かったのかもしれない
景色が火口の中に変わり、王座が消え、急降下していく
抗うかのように、翼を広げ飛び上がろうとするが体の自由がきかない
あっと言う間に、ぐつぐつと煮える溶岩の中に落ちていた
体が沈み反動でか、上半身が浮かび上がるが体が解けていく
頑丈な鱗が焼かれ、生き延びようと手を伸ばすがしがみつく物は何もない・・・何者かに引っ張られ底へ引き込まれていった




