どちらのりのなが好きですか?
なんという強さだ、鳥王エンペンタールン
その力、女神リリアイに匹敵する、争うことなかれ
魔王イフリーナルの警告の意味を今理解したぞ
力を絞りだし拝謁しようとヒューヴォードヴェルは進むが動けずその場から陳情する
「鳥王エンペンタールンよ、女神リリアイの封印が解かれました、力を貸してください」
その姿を見て、魔族とは同盟関係ではないが礼敬意を払いアスゼルロスは挨拶のために近寄る
慌てながらニワトリの周りを囲むとデフラデス、アプデスタ、インデスラも頭を下げた
「鳥王とは知らずに捕らえようとしたことをお詫び申し上げる」
「フライドチキンにして食べようとしたリオンが先だぞ」
「敵ながら見事な男だった責任を擦り付けてはいないか」
「残念だ、正体を知っておれば、命を落すことは無かったかもしれぬ」
「しかし、まるまると太り美味しそうなお姿だ」
「愚か者、怒りを買うつもりか我々など簡単に葬られるぞ」
まったくこいつらは、素直で憎めないところがあるが救いきれないぞ
コッコッコケコッコー、お怒りなのか、大声で鳴いた
事の重大さを理解したのか「無礼をお許しください」
震える3魔族に予想外な声が聞こえてきた
「魔族どもよ、そこのニワトリは鳥王ではないぞ」アリムトラダは巨大なペンギンを指さす
「ええええええええ」アスゼルロス達は驚きの声をあげた
「久しいな、鳥王エンペンタールン、まさか・・お主も・・お嬢ちゃんに魅了されるとは・・・」
「ハァッハァッパオォーパオォー」
勇者ベヒゼロットと聖女ハゼロモスの悲劇・・・何者かが力を持つ者同士の幸せを望んでいない?
悲劇を仕組まれた可能性があるとりのなは、疑いを感じてユリを心配していた
私の知らないジュエルエフェクティヴサークルの知識、何者が形成している
急げばまだ間に合う、何か起きれば私の目を誤魔化すことは出来ないわ
あいかの『虹の星』に運ばれ上空から降りてくると
ユリは氷柱に封印され、リオンは体に穴をあけ息絶えていた
そんな、なんて酷い結末をりのなは氷柱に抱きつき涙声で叫んだ
「イフリーナルから話を聞いていたのに悲劇を止めることが出来なかった」
その時だった、空間が揺らぎ姿を現す
「まさか、隠れていたのにあなたの目は誤魔化せないんだね、りのな」
「ここは冥界か?あってはならぬ、王が総揃いではないか」
「ヒューヴォードヴェル、大丈夫か?」
ニルレルナヴァルムが肩を貸すと力を分け回復を促す
あいかとクレハが驚いた顔で一人の少女を睨む
何かを否定するかのように首を横に振ったが
「りのりの、あいかがいるのに男を作ったの?いやぁー!」
「クレハの心を弄んだの?、酷くないですか うううう」
同時に叫ぶと頬に頬を押しつけて抱き締めると2人は泣き出した
慌てて否定するが「え!え!私、あの人・・・知らないよ」
「嘘をつく子じゃなかったのに うううう」2人の疑いが解けない
可愛くも寂しな声で「ねぇ・・・信じてよ」
夢でも見ているのか?だが、倒されたと聞いたが事実とは限らない
死んだと思い込ませ姿を隠し暗躍していたのか?
何を企んでおるのだ!再会の時間を与えたい所だが
落ち着いた声で真意を確かめようとアリムトラダが話しかけた
「イフリーナル、お主生きておったのか!何をしていた?」
傷つき動けなかった大勢の魔族が立ち上がり
一斉に片膝をつき拝謁すると「魔王様」会話を遮られた
両手を広げ魔族を静まらせると再会の会話が再開される
「イフリーナルなの?ごめんなさい、何も言わないで去って」
「りのな、君の夢を完成させるために頑張ったよ」
「こんな事を望んでなどいない、ユリさんを早く解放させてあげて」
「ごめんよ、私にはその権限がないんだよ、君が永遠に傍にいてくれるのなら裏切っていいのだが」
優しい人だった・・・その言葉にその姿に違和感を感じた
「え!私の知ってる、イフリーナルではない・・・何者なの?」
「間違いなくイフリーナルの1人だよ」不敵に笑う
含みのある答えに「どういう意味?」
「分かっているんだろう?君がそうさせた
オリジナルはジュエルエフェクティヴサークルに封印して
永遠の命を手に入れた共に過ごせるように フハハハ」
「なんて酷いことを・・・私の知らない知識を利用したのね」
もう一人のりのなも勘違いを分かってもらおうと必死だった
「ねぇ、話を聞いていたよね、信じてよ」
「あら、本当ぽくない?あの女性もりのなだって?」
「同じ名前だったんだ・・・良かった、お詫びのチューしてあげる」
「あいか、止めて・・・くすぐったいよ」
「酷くない、クレハも、キスする!」
「2人とも止めてよ、駄目だよ」
抵抗されると・・・「あいか、なんか興奮してきた」
「止めてくれないとみなつに報告するからね」
その名に背筋が凍る
「うぇ!」
「え!」
お怒りの顔が浮かび大人しくなったのであった




