ユリは好きですか?
夢心地なのだろうか?歓喜に満ち溢れているのだろうか?
浸るようにただただ、穏やかに微笑んでいた
ユリの体を包む火の粉が風に吹かれたのか?操ってるのか?不明だが
ヘビに睨まれたように周囲を囲み固まる魔族の元へと広がり飛んでいく
何が起きたのか分からなかっらだろう触れた瞬間、全身が燃え
炎の牢獄に捕らえられ、継続ダメージが発生する
生殺しするかのように倒されることはなく燃え続けていた
「美しい」アスゼルロスの声が漏れる
あの夜、一目惚れした少女の姿が浮かび上がる
全く異質ものなのに胸が高まるのを感じていた
我が恋したのは見た目ではなく力なのか?
もう一度、少女に会えばわかるのだろうか?
「アスゼルロス、気を抜くな」
ニルレルナヴァルムの背後に身を隠し状況を見ていたヒューヴォードヴェルが注意を促す
「合流したら、未完成だがあれをするしかない」
「6体の力のバランスが難しいが・・成功させねば終わりか、面白い」
「竜王との戦いに備えて準備してよかったが
魔王を葬ることが出来なければリリアイに通じぬ」
「魔王同士で争いだした瞬間しかないな」
「簡単にはいかぬだろうが、羽1本であの威力だ」
デフラデス、アプデスタ、インデスラが合流してきた
6体は周囲を囲むように配置すると合体魔法の準備のため集中する
ほぼ同時くらいにリムトラの背に乗りリオンとアリムトラダが辿り着く
家は無事のようだが、異様な熱を感じ、その答えをすぐに理解する
炎の檻が辺り一面を埋め尽くし中には魔族が声の無い悲鳴をあげ苦しんでいた
衝撃の状態に驚きながらもユリの名前を呼びながら姿を探すと
屋根の上には、深紅の翼を広げる魔族が立っていた
攻撃態勢にはいろうとするアリムトラダの前を遮るように立つ
姿形が変わっていたがリオンにはすぐにわかった
「どうしたのだ?相手がしたいのが?だが、その体だでは無理だ」
「まだ無理をする場面ではありませぬ」
戦いを譲れと主張していると考えていた2匹だったが
リオンの言葉に驚く「間違いないユリさんだ」
「何てことだ、親友だったあの男の力を使われてしまったか・・・」
「ドラン殿の指示に逆らい助けに向かわなかったせいだ」
「リムトラよ、お前にリオンを守るように指示をだした我の責任んだ」
「違う、悪いのは僕だ、魔王を足止めすれば、ユリさんが救えると勝手に思い込んでいた」
迷いは無かった・・・前に足を進める
『イフリーナルの指輪』の呪いが発動したユリを倒す覚悟が出来ているというのか?
ドラゴンスレイヤーを手に勇者として2度、彼女と相対した
力で分からせて1度は許し、2度目は負けて勇者の力を失った
ユリさんは哀れに感じたのか思ったのか僕を許し・・・
これが、神が定めた運命なのか?なんて酷い運命を準備していたのだ
何かを感じ取ったのか、必死に引き留めようとする
「駄目だ、完全に闇の力に支配されている危険だ」
戦う気がなく身を危険にさらすことを感じさせてしまったのか
愛するユリさんを倒すことなんて出来るはずがない
もしかしたら、思い違いに過ぎないかもしれないが
僕の姿をみたら呪いに支配された心が醒めるかもしれない
「奇跡を信じて見届けれくれ」
「もう人の心は残ってはいない止めるのです」
「ユリの胸の中で死ねたらこれ以上の幸せは無い」
「落ち着いて冷静に・・・別の方法を考えましょう」
もう時間は残されていない、完全心が支配される前に
「最後のわがままを見届けて欲しい」
もう決めてしまったのか・・・揺らがない決意だった
2匹は何を言っても聞き入れないことを理解する
死線を共に乗り越えた仲間だ、結果どうなろうとも見届けよう
顔を合わせ頷くと「もう何も言うまい、黙って下がるとしよう」
戦う意志がないことを示すように雷の剣を背にしまい
とびっきりの笑顔を浮かべると両手を広げ優しい声で問いかける
「僕が分かるかい?」僅かな期待を膨らます
鼓動が早くなり、返事の時間が長く感じられる
すると声に反応してユリがリオンを見つめ
翼を広げリオンの近くに飛んできて降りた
「もっと君を感じたいもっと近くで顔を見せて」
愛しい人の頬に手を伸ばそうと距離を詰め
応じるように微笑を浮かべ寄ってきてリオンの体に手が差し伸ばされる
こうして君の温もりを感じられることが幸せに感じられることは無い
反応を見てリオンは両手を広げ急かされるようにユリを抱きしめようと飛びつく
リオンの体は激しく燃えていたがインデュゥアラァンスファーメイルに守られ
雷の剣の冷気のバリア発動が無ければ、灰も残さず消えていたかもしれない
妬かれる体を気にすることなく強くさらに抱きしめる
その瞬間だった・・視界が真っ赤な世界に変わり血が噴き出す、体に穴をあけられていた
それでも、リオンは止まることなくユリに近づき
「愛しているよ」心からの気持を伝えると
ユリの頬を包みながら、唇を重ね・・・意識を失いリオンは崩れ落ちた
君の心には届かなかったかもしれないが後悔などしていない
真っ赤な世界に愛しい君の笑顔が浮かんでいるよ
その顔に悔いなど微塵も感じられなかった




